金次郎、ご飯の友について熱く語る

塩分の摂り過ぎを気にしつつも金次郎が自宅で食事する際にどうしても食べずにはいられないのが京都雲月の〈小松こんぶ〉です。贈答品としてかなり有名ですので読者の皆さんの中にもご存知の方がいらっしゃるとは思いますが、小松こんぶ中毒の金次郎は異常な頻度でこの高級食材を食べてしまっております(汗)。召し上がった経験の有る方はお分かりの通り、噛めば噛むほどに海の恵みのエキスを濃縮したような旨味がじわりと沁みだしてくる味わいが最高でそのまま食べても良し、ご飯に載せても良しの万能ご飯の友と言えると思います。

ほのかに混ぜ込まれている山椒の実のアクセントがかなり効いており、一袋を食べきる寸前に袋の底に残りがちな山椒を大量に口に入れてしまった際の舌がビリビリと痺れまくる感覚もまた一興の絶品だと思います。雲月にはその他にも和歌山南高梅を使用した〈梅びしお〉というおすすめ商品が有り、これは塩味、酸味、甘味のバランスが絶妙でご飯に載せても勿論美味しいですが、うちでは長芋と和えるのがお気に入りです。ご飯の友と言えば、金次郎は幼少期より無類の海苔好きで、よく母親の目を盗んでは実家にストックしてあったあの旅館の朝食に出てくる細長い5枚入りの味海苔をパクパク食べておりました。ある時マンガを読みながらいつの間にか20袋=100枚ほど食べてしまっていたのを母親に見つかり非常に厳しく叱責された記憶がこれを書きながら約40年ぶりによみがえりました(笑)。中年となり若干の経済的余裕が出てきた最近では、行きつけのお寿司屋さんでいつもいただく、パリっとしている上に口の中では一瞬で溶け消える最高級焼き海苔のメーカーである丸山海苔店の味海苔を気付けば食べまくっており自分の進歩の無さに呆れ果てます(汗)。ご飯の友ではありませんが、このところ毎日朝晩と食べているのは以前も少し触れた民間療法の雄である〈マヌカハニー〉です。マヌカの花の蜜を集めたこの商品は主にニュージーランドやオーストラリアで生産されているもので、科学的根拠は分からぬものの高い抗菌、殺菌、抗炎症効果が有るとされており、確かにこれを舐め始めてからは夫婦共々比較的元気に過ごすことができております。今のところハチミツ店ラベイユでは最もお安いマルチフローラルという商品を食べるにとどめておりますが、有りがちなエスカレートとしては徐々にメチルグリオキサール含有率が高いグレードにシフトしてしまいそうな自分が怖いです。あっという間にお値段が3倍ぐらいになってしまうため、日本橋三越に入りラベイユの横を通る際にはいつも深呼吸して冷静になるように心がけております。

さて本の紹介です。「遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年」(白石典之著 講談社)の内容を歴史的な観点で解説するのは荷が重すぎるのでやめておきますが(汗)、何となくそう思い込んでいた遊牧から牧畜へという発展段階の認識は正しくないようで、メソポタミア北部からコーカサスにかけて行われていた牧畜が遊牧という形式に変化しつつ北東のユーラシア中央部に広がっていったとの冒頭記載からやられた感満載でした。そもそも匈奴、突厥、蒙古などの遊牧民族は広大な草原地帯を活動領域としていたことから墳墓など史跡の発見や調査が容易でなく、人類の歴史に大きな影響を及ぼした割には未解明の謎が多く残されていて興味深いのですが、この本ではそんな遊牧民族史研究の最前線の状況が解説されていて更に面白いです。例えば、拠点の遺構や墳墓についてはドローンの空撮でその全体像が把握できるようになっていたり、炭素同位体測定により遺物の使われた年代がかなり狭い範囲で特定できるようになったり、DNAやミトコンドリア解析により遺骨からそれぞれの遊牧民の父方と母方のルーツを特定できたりと、科学と考古学の融合が大きな構造物をさほど残さなかった遊牧民たちの歴史をどんどん明らかにしている現状に胸が躍る一冊です。

「なぜ秀吉は」(門井慶喜著 毎日新聞出版)では、歴史的に見ても諸説の有る豊臣秀吉の朝鮮出兵の真意について、徳川家康をはじめ様々な登場人物たちの視点で思いを巡らせその真相に迫るという内容の歴史小説です。寒村であった名護屋が戦国武将には殆どその存在さえ知られていなかったというのは意外でしたが、朝鮮半島に出兵するというような大それた事業を構想し得た日本人がそれまでいなかったことを考えると、朝鮮を攻めるという意味においてのみベストロケーションであった名護屋が戦略的に見て重視されてこなかったことも尤もと納得いたしました。また、今更ながらではありますが、ネームバリューの高い東海地方から田舎の極みである関八州に転封された家康の無念についても改めて実感いたしました。物語の本筋からはやや逸れてしまいますが、秀吉の弟である秀長がイメージよりも聡明な人物として描かれていたのが印象的でした。

「クワトロ・フォルマッジ」(青柳碧人著 光文社)は何の変哲も無いイタリアンレストランで発生した謎の人物の怪死事件を、クワトロだけに4人の登場人物の視点で描いたサスペンス小説です。必ずしも見た目通りの味とはならないチーズ同様に、表面からは想像できない人間の裏の顔や隠した思いが誤解や思惑を生み、ストーリーに変化がついていくところが凝っていると感じました。4種のチーズのピザであるクワトロ・フォルマッジのように登場人物それぞれの個性が混じり合うことで醸し出されるストーリーの味わいも読みどころかと思います。

「日本最後のシャーマンたち」(ミュリエル・ジョリヴェ著 草思社)は日本在住のベルギー人である著者が北海道、東北、東京、沖縄など日本各地でイタコやユタと呼ばれるシャーマンの女性に直接インタビューし、その歴史や活動の実態をつづったドキュメントです。科学的かそうでないかは置いておいて、北海道のシャーマンとアイヌ民族の歴史の関係や恐山のイタコが盲目女性の生活の手段と位置付けられていた点、また沖縄では仏教伝来が遅かった故にアニミズム的なシャーマン(ユタ)文化が人々の暮らしの中に色濃く残っている点など、こういった習俗の存在意義や価値について社会的背景と共に理解しようとする取り組みには意味が有ると思わされる内容が多く感銘を受けました。基本的にイタコが盲目の方であったことからその様式の継承が口伝に依存しており、D&Iの広がりと共に障害者の社会参加が進む中でイタコ文化の存続が危ぶまれている現状には複雑な思いです。

最近身内に不幸が有り落ち着かぬ日々を送っております。金次郎も未了なので偉そうなことは全く言えないのですが、皆さん面倒でもエンディングノートはぜひ書いておきましょう。

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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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