このところ妻の股関節痛についてブログで何度か書いており、最近はだいぶ症状が改善してきて一安心とご報告しておりました。ところが、うつった訳ではないと思うのですが、股関節股関節と連呼している間になんだか自分の股関節も痛いぞと感じ始め、椅子生活であまりチャンスの無かったあぐらに挑戦してみたところ、なんと左右共に足が45度程度しか開かず(涙)、非常に困った状態であることが判明しました。普通に生活していればストレッチする際に少し痛いかな、という程度の症状で問題無いのですが、面倒なのは増加しつつある会食がお座敷で行われる場合です。最近ではお座敷といっても掘りごたつのお店がほとんどでフラットな畳というところは少ないのですが、時々古いお店でそういうところがあり、さすがに50歳のおじさんがずっと体育座り(体操座り・三角座り)やお姉さん風の横座りの姿勢をし続けているのは異様かつちょっとキモいので、一緒に食事をしている方におことわりして足を投げ出させてもらうようにしております。当然接待の場では無理ですし、後ろに壁が無いとずっとその姿勢でいるのも厳しく、また小さいテーブルに大人数で座る場合も足を投げ出す場所が無く難しいなど制約が多くなってしまうため、以前にもまして率先して幹事を引き受けフラット座敷絶対阻止の姿勢で臨んでおります。これまた50歳のおじさんが若者に任せず積極果敢にお店のアレンジをするのはやや不思議ちゃんな感じになってしまうのですが、背に腹は代えられずやむを得ないところです。最近は妻と共に治療院で施術してもらっているのですが、歳のせいか治るのになかなか時間がかかりそうなのに加え、同時に左の五十肩も発症し、劇的な老化を感じ悲しい気持ちになっている今日この頃です。
ただ、妻の股関節が改善しストレスレベルが低下したためか、はたまたブログ中でも紹介したこれまでに経験したことの無い激痛を伴う口の中マッサージの効果なのか、先生に首や肩のこりをほぐしていただいたお蔭なのか、眼圧低下に効果有りというカシスのサプリメントを飲み始めたためか、色々やり過ぎてどれが効いたのかよく分からなくなってしまっていますが(笑)、西洋医学の理屈では説明できない眼圧の低下という嬉しい改善も有り、このところ地味に気にかかっていたので人生とはやっぱり禍福は糾える縄の如しという通り、良いことと悪いことは上手い具合にバランスしているのだなと喜びつつ実感しております。しかし、定期検査で金次郎の左目眼圧が10ポイント以上下がって正常値に戻っていると知った大学病院の先生が、目薬が効かないならもうどうしようもないですねー的なやや投げやりな前回検査時の態度から一変し、何食わぬ顔でしれっと「今日は眼圧調子いいですね。やっぱり目薬が効いたのかな。」という変わり身の早さを見せたことに心のなかでツッコミを入れつつ、西洋医学と東洋医学のそれぞれの長所を知り両者を賢く活用するための知識が重要だなと改めて痛感いたしました。
さて本の紹介です。「時は殺人者」(ミシェル・リュッシ著 集英社 上・下)は地中海に浮かぶフランス領のコルシカ島を舞台にしたベストセラー作家が描く良質なミステリーでもあり、風光明媚なコルシカの自然の風景が美しく描かれる旅心をくすぐられる小説でもあります。物語は27年前と現在が交互に描かれる構成になっていて、不幸な事故で両親と兄を失った主人公クロチルドが27年前に亡くなったはずの母親から手紙を受け取るというミステリアスな謎の提示から始まり、いきなり冒頭から引き付けられる展開となります。27年前の描写は当時15歳の尖った女子であったクロチルドの日記を中心に進みますが、その瑞々しい感性や好奇心旺盛で行動的なイメージと、現在の彼女の抑制的な佇まいに大きなギャップを感じ、家族を失った後の苦節とその中での彼女の成長が巧みに表現されているなと感慨深く読みました。また、世代を越えた母娘関係の難しさがなかなか普遍的なテーマで面白いですし、ややマフィアっぽい祖父に象徴されているかなり古風と言わざるを得ない排外的なコルシカ人気質もなんとなく昭和以前の日本に通じるところが有って、やはり島というのはそういうものかと納得しながら読んでおりました。驚きも有りミスリードも充分に効果を発揮しており、伏線回収もラストシーンも納得感が有ってお薦めですし、読んでいて老いることをポジティブに捉えられる気分になる点が中年としてはかなりポイント高いと思います。
気に入ったので同じ著者による「黒い睡蓮」(集英社)も読んでみました。これはクロード・モネが愛したことで有名な小さな町ジヴェルニーを舞台に三人の女性が語る三つの殺人の謎を描いたかなりトリッキーなミステリー小説となっています。読んでいる途中は物語の筋が追いづらくなかなかにモヤモヤするのですが、そこを耐えて終盤に辿り着ければ、読んでいるうちに想像させられる結末のイメージを激しく裏切られるラストの展開への驚きに高い満足感が得られること請け合いの作品です。読み終えて初めて至る所に埋め込まれたミスリードの数々に気付いてやられたと思う一方で、もう少し突っ込んで考えれば真相に近づけたのにという惜敗の残念さを感じる読後感も有りなかなかに複雑で味わい深い内容となっております。こちらも偶然集英社刊ですが原田マハ先生の「ジヴェルニーの食卓」を読み返したくなりました。
「センセイの鞄」(川上弘美著 新潮社)はベストセラーとなり小泉今日子さん主演で映画にもなった川上先生の代表作の一つです。30代のツキコさんこと大町月子と彼女が高校時代に古文を教わった松本先生との超絶歳の差恋愛小説である本作は、絶対に起こらなさそうな物語がかなり有り得そうな感じに描かれるフィクションらしいフィクションだなと感じつつ読み進めました。居酒屋のカウンターでたまたま一緒になったり、街中で偶然出くわしたりしないと直接会話をしない二人の恋愛が、別々に過ごす日常の中で相手の不在をそこはかとなく感じることを通じ遅々として育まれていくプロセスが丁寧に掬い取るように描かれていて、切ないお話ではあるのですが、読みながらなんとなく心が穏やかになっていくのが心地よい作品です。松本先生は小さな鞄に丸めて仕舞えるほどに人生をすっかり片付けてしまっている人物ですが、金次郎の20年後はもっと散らかりまくっているのだろうなと想像し我ながらちょっと笑えました。
先日一緒に食事した同僚が自分の体重は104キロだと言っていた話をある会議でice break的に披露したところ、参加者の中に私は103キロですと主張する人が現れ、別のところでその話をしたら、いえいえ私は108キロですと自慢する人が登場し、そういえば110キロが107キロに減りました、と1か月ほど前に謎のマウントを他の同僚からされたことを思い出し、いったいうちの会社のメタボリックはどうなっているのだろうと不安になった今週でした。
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