半年に一度のお楽しみ、肉の聖地金竜山訪問

厳しい残暑や突然のゲリラ豪雨でのずぶ濡れ、はたまたタイトスケジュールでの出張などストレスや疲労を感じるイベントには事欠かぬ昨今ですが、そんな疲れを吹き飛ばす半年に一度のお楽しみの日が遂にやって参りました。そう、生きる伝説の寿司職人M男さんとそのパートナーであるこだわりのイタリアンシェフK子さんに、金次郎夫妻と宿敵Mそして肉の亡者肉食獣Tというメンバーで焼肉の聖地金竜山を訪問する企画もはや3度目となりました。このレアな機会をしゃぶりつくすべく、無理矢理お誕生日席も活用する7人体制としたことで、新婚ホヤホヤ宿敵MのパートナーSも登場し、大変賑やかで楽しい会となりました。

さすがに3回目ともなると、名店の雰囲気に呑まれてパニック状態になることはなく、ある程度全体の流れを把握した上で、次々と供される最高級肉の味わいをより堪能できるようになり楽しみが一段と増した気がします。そのためか、3回目だから慣れるあるいは飽きるということは全く無く、毎回初回であるかのようにフレッシュに感動するのは勿論のこと、どんどん肉が美味しくなっているようにすら感じます。○○のひとつ覚えのようにいつも通りの感想となり恐縮ではありますが、とにかく最初に出るM男スペシャルオーダーの特製タン塩がこの世の物とは思えぬ旨さで相変わらずのアンビリーバブルぶりでした。タンでは考えられないとろける食感、1ミリも雑味の無い清々しい脂の風味、それでいてしっかりとコクの有る肉の味わいがどれを取っても素晴らしく、いつもより枚数が少し多めに出てきて本当に生きていて良かったと思いました。いつもながら肉食獣Tは序盤から滂沱の涙、宿敵Mは機械的に肉を口に運ぶだけの肉食いからくり人形と化し、初参戦のSはあまりの衝撃に呆然自失でただ「おいしい」とつぶやいておられました。その後のレバーやハラミ、珍しく供されたミノなども勿論極上の旨さだったのですが、我々の見てくれとしては先述の状態が単純に繰り返されるだけとなりますので描写は割愛させていただきます(笑)。今回もM男さんが日本中の寿司職人との交流を通じて常に高みを目指してこられた経験談や、一つ一つの技術を極めることは入り口に過ぎず、料理の深淵は全体をイメージしデザインする能力であるとのK子さんの熱いお話など、仕事にも大変役立つ有難い会話も楽しめて素晴らしいひと時となりました。M男さんが握るあの絶品押し寿司はそのような探求の果てに生み出されたものなのかと、浅薄に美味しいところだけをいただいてしまっていることに罪悪感すら覚えました。今回は宿敵Mがかつて鎬を削った舞台である俳句甲子園@松山からの帰路に飛行機が2時間遅れて肝を冷やしたようですが、前回のような遅参も無く、7人で騒いではしまったもののお行儀よくお肉を堪能したことにより、また半年後に再訪できることとなりました。この肉を楽しみにしばらく頑張れそうです。その週末は、部署異動の送別品として金次郎がリクエストしたまさかの消え物の高級マスクメロン(笑)を爆食いしたこともあり、非常に贅沢な食道楽を満喫することができました。千疋屋総本店の保証書付き静岡産メロンはこちらも雑味が全くのゼロで、メロン特有の糖化・発酵を通じて生成されるエチレンやアセトアルデヒドに起因するイガイガ感も皆無という人生初のスペシャル体験となりました。部署の皆さん、どうも有難うございました。メロンの皮と桐箱はできる限り保管させていただきます(笑)。

(過去の金竜山シリーズはこちら:チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山を再訪/チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山に登る 前編/後編

さて本の紹介です。「ハマスの実像」(川上泰徳著 集英社)は昨年10月にイスラエルを電撃的に攻撃し、その後のガザ紛争を引き起こしたハマスについて、ジャーナリスト出身の著者が自身の中東駐在体験なども参考に詳述する内容となっています。米国を中心とする西側諸国はハマスをテロ組織であるとしてその存在を容認しておりませんが、ハマス側の視点から描かれた本書を読むとガザ紛争がより立体的に理解できるようになり、同時にその問題の根深さにも気づかされます。そもそもアッバス議長が率いるファタハがヨルダン川西岸地域を、ハマスがガザ地区をそれぞれ統治している分割統治状態になっていることすら知りませんでしたが、この2組織は元はムスリム同胞団で同根であることにも驚きました。ハマスは社会慈善組織、政治組織、軍事組織(カッサーム旅団)に分かれており、それぞれある程度独立した活動を行っているというのも初耳でした。政治組織はエジプトとの間に合計500キロも掘られているとされる地下トンネルに潜伏している国内部門と、カタールから指示を出す国外部門とに分かれているようです。近接銃撃、自爆テロ、ロケット攻撃とその対イスラエル抵抗作戦を変遷させてきたハマスは、ガザ住民を守ることなく寧ろ彼らを楯にしながらイスラエルを攻撃し続けるテロ集団と非難されてきました。ところが、①常にイスラエル側からの攻撃に対する反撃しか行っていないとのハマス主張や、②イスラエルからの苛酷な支配に疲弊したガザ地区の住民は現在の生活に意義を見出せず、命を賭した殉教の価値が相対的に高まってしまっているなどの状況を知るに、メディアで報道されていることも含め何が正しいのかよく分からなくなってきます。更に、ハマスはムスリム同胞団系でスンニ派であるのに対し、それを支援するのがシーア派系のヒズボラやその背後にいるイランであり、本当に混乱しますが真面目にもっと勉強せねばと反省いたしました。

「アッシリア 人類最古の帝国」(山田重郎著 筑摩書房)はメソポタミア北部の都市国家アッシュルとして興り、その後次々と周辺地域を支配下に治めつつ領域国家として拡大し、最終的にはバビロニアやシリアに加え地中海沿岸地域も含めた広大な西アジアを支配する古代帝国として繁栄を極めたアッシリアについてトップ研究者がその通史を記した貴重な新書です。古くはサルゴン王のアッカド帝国に起源を有するアッシリアですが、その名を1500年ぶりに復活させたサルゴン2世以降の所謂サルゴン朝でその全盛期を迎えました。鉄製の武器を用いた強力な軍隊と、征服した民族を強制移住させて労働力化する仕組みに支配地域との朝貢制度を組み合わせた統治システムはよく整備されており、人類最古の本格的な帝国としてそのシステムがその後各国で幾度となく模倣されることになったというのも納得です。領域拡大に伴い、公用語であったアッカド語に加えどちらかと言うと商業言語として使われていたアラム語も公用語化したという史実は正に世界帝国をイメージさせられるエピソードだと思いました。

「グリフィスの傷」(千早茜著 集英社)には、身体に刻まれた傷跡をモチーフとした心に沁み入る10作の短編が収められています。どの短編も素晴らしいのですが、特に表面には表れない他人の心の傷にどこまでも鈍感な人間の残酷さと、分かり易い痛みに対しては簡単に共感するその浅薄さを描いた「竜舌蘭」と、全身刺青の本職の方を登場させて人間の見た目と自己認識の関係を描き出した「あおたん」が特に好きでした。長編「しろがねの葉」で直木賞を取った直後の短編集ということで千早先生の充実ぶりが溢れる秀作でおすすめです。

このところうちのマンションがまたもやハトに襲撃され、我が家の小ベランダもハト糞汚染されてしまいました。そんな中、何の気無しに乗ったマンションのエレベーター内で人糞を踏むという災難に見舞われ、汚物の存在を察知できなかったコロナ後遺症の嗅覚不全を呪うと共に何が起こったのか全く分からずパニックになりました。マンションの噂によると、どこかの部屋に遊びに来た子供の粗相のようだったのですが、どういうシチュエーションでそんなことになるのか教えて欲しいです(笑)。これだけウンが付いたにも関わらずサマージャンボが当たらず夫婦共々激しく落胆しています(涙)。

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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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