早いもので、2019年の終盤にこのブログを書き始めてから丸6年が経ちました。振り返ると、コロナ禍、妻の股関節痛、金次郎の50代突入、仕事での幾つかの研究とプロジェクトの成就、身内の不幸そして直近では妻の入院と本当に様々なことが起こりましたが、本業である(笑)読書を継続しながらほぼ週イチのペースで書き続けてこられたことは結構すごいことなのではないかと自画自賛しております。依然として弱小ブログではあるものの、PVもじわじわと増えてきており、周囲に読んでくださっている方も多く励みになっておりますので、まだまだ頑張って書いていこうと思います。応援どうぞよろしくお願いいたします。とは言え、やはり毎週はネタ探しが厳しくもあり(汗)、このあたりで恒例の企画を差し込んでひと休みしようと思ったのですが、意外とまとめ作業が大変で普通に書けば良かったと後悔しております(汗)。ともあれ、この6年間のPV上位30投稿を一挙公開です!全身全霊で臨んでいる本屋大賞予想対決シリーズがさほど上位に来ていない点にはやや思うところが有りますが(涙)、さすがは全部で300を超える投稿の上位10%に入るだけのことはあり、自分で読み返してみても興味深いものばかりです。色々有ったフジテレビ関連が第10位に食い込んできていたり、イスラエルが戦争をしているせいか「ユダヤ人の歴史」という本を紹介した投稿が僅か半年で1600PVを叩き出しているのには驚きました。投稿のタイトルは「寿司屋のかみさん」なんですけどね(笑)。ずっと断トツ1位であったカミュの「ペスト」関連が第6位に下がっているのにはコロナ禍時代の終わりを実感させられますし、相変わらず謎に強い「興亡の世界史」シリーズ関連は遂に前編・後編合わせて3600PV突破です!
【第21~30位はこちら~第30位:〈板垣死すとも自由は死せず〉の嘘!(2020年10月26日)/第29位:〈軟禁生活〉を軽やかにやり過ごす「モスクワの伯爵」に感銘を受ける(2020年4月30日)/第28位:期待通り面白かった染井為人先生の「正体」を紹介!(2020年12月8日)/第27位:金次郎、福岡県出身のブレイディ・ミカコ先輩を再認識+30年前の思い出を語る(2021年1月13日)/第26位:今年読んだ本の中で一番のおすすめ「遺伝子―親密なる人類史―」を紹介(2020年7月27日)/第25位:金次郎、本の紹介を頼まれる+2019年4~5月ふりかえり(2020年1月23日)/第24位:【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2022順位予想対決!(2022年4月3日)/第23位:金次郎、ブログの人気取りのためにトラウマ記憶をさらす(2022年1月14日)/第22位:金次郎、なぜ相撲がオリンピック種目になれなかったかに興味を持つ(2021年8月12日)/第21位:いつの間にか読書の秋が始まり、慌てて文学女子に本を紹介(2020年9月22日)】
【第11~20位はこちら~第20位:「アガサ・クリスティー自伝」は最高に面白くておすすめ!(2021年2月2日)/第19位:【アフター4読書一周年記念】人気記事ランキング発表!(1~5位)(2020年11月30日)/第18位:ダイヤモンドプリンセスは呪われているのか?(2020年2月21日)/第17位:「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング著)は「ハエ男の恐怖」とは違った!、そして「危機と人類」(ジャレド・ダイアモンド著)を読了(2020年5月22日)/第16位:文学女子とその母上に冬休みにじっくり読める本を紹介(2020年12月28日)/第15位:「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」を読み、たんぱく質について学び直す(2023年6月2日)/第14位:【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2021順位予想対決!(2021年4月6日)/第13位:金次郎、本の紹介を頼まれてないけどまた紹介+直木賞作「熱源」を読了!(2020年3月14日)/第12位:クリスマス前の洋菓子と言えばシュトーレンで決まり!(2023年12月2日)/第11位:やはりドラマを凌駕する面白さであった原作「不毛地帯」(山崎豊子著)を堪能(2022年10月21日)】
第10位:「二重らせん 欲望と喧噪のメディア」を読み、意外な日本のメディア王の存在を知る(2021年10月7日)
第9位:アメリカで500万部売れた「ザリガニの鳴くところ」を読む(2020年4月21日)
第8位:金次郎、中学生になった文学女子への本の紹介に挑戦(2020年6月30日)
第7位:金次郎と宿敵Mによる本屋大賞2020予想対決!(2020年4月1日)
第6位:コロナの時代にカミュの「ペスト」とデフォーの「ペストの記憶」を読む(2020年4月6日)
第5位:「興亡の世界史」シリーズ(全21巻)を遂に読了~前編(2020年4月12日)
第4位:「寿司屋のかみさん」シリーズの名登利寿司閉店に後悔先に立たずを実感(2025年5月18日)
第3位:金次郎、懲りずに文学少女に本を紹介+楡周平作品を読む(2020年4月26日)
第2位:大沢在昌作品の中で「新宿鮫」と双璧をなす代表作「狩人シリーズ」を紹介(2021年3月24日)
第1位:「興亡の世界史」シリーズ(全21巻)を遂に読了~後編(2020年4月14日)
さて本の紹介です。初読の著者でしたが、「叫びと祈り」(梓崎優著 東京創元社)を読んで、梓崎先生の才能に衝撃を受けました。旅人である主人公の斉木が、世界中で遭遇する謎をめぐる連作短編ミステリーで、旅先の雰囲気や世界観と提示される謎の佇まいとが非常に整合していて、有り得ない筈のリアリティを感じさせる筆力に驚愕いたしました。北アフリカの砂漠を舞台にした「砂漠を走る船の道」では、塩を輸送するラクダのキャラバン隊で連続殺人が起こるのですが、ラストは本当にあっと驚く展開で声を出してしまいました。スペインの風車の丘での人間消失を題材とした「白い巨人(ギガンテ・ブランコ)」で描かれる青春や友情はノスタルジックかつ美しいストーリーでありながら、きちんと驚かせてくれるミステリーの枠にとどまらない奥深さを感じる秀作でした。「凍れるルーシー」では、南ロシアの修道院での列聖審査に絡み、信仰における敬虔さと狂信の境界という深淵なテーマを鋭く突いた、ホラー味の有るミステリーが展開します。ラストはかなりどきっとするのでお楽しみに。南米アマゾンの辺境が舞台の「叫び」では、英国人医師と共に旅をする斉木が恐ろしい感染症の災禍に見舞われた村で遭遇するカルチャーショックが描かれ、価値観が揺さぶられる感覚を体感できる作品だと思います。文化の違いがミスリードの仕掛けになっていて、スケールの大きさを感じさせられました。「祈り」では、タイトル通りモルッカ諸島の祈りの洞窟(ゴア・ドア)が舞台となっていますが、この連作集の締めくくりとしての位置づけの作品です。最初は何が何だか分からないのですが、読んでいるうちに伏線がきれいに回収され、気持ちよく読了できる展開になっています。いずれの作品も海外の風景が鮮やかに浮かんでくる筆致が素晴らしく、梓崎先生自らが実際に旅人として世界をめぐったのだろうと想像できる一方、旅と執筆の両立はどの程度可能なのかと今後の刊行頻度に一抹の不安を感じさせもする内容でした。
「リバーサイド・チルドレン」(同)はある理由でカンボジアのストリートチルドレンになった日本人の少年が、苛酷な環境に身を置きつつも仲間と助け合いながら逞しく生きる姿を描く社会派な内容かと思いきや、次々と不可解な殺人事件が起きてミステリー仕立てになるという盛りだくさんな内容です。物語のモチーフとしてゴーレムが出てくるのですが、くしくも先日紹介した「シークレット・オブ・シークレッツ」でもプラハのゴーレムが描かれていて、そういえば同時期に読んだ複数の本が偶然同じテーマに触れていることは結構多いかも、と新たな発見をいたしました。前作でも登場した斉木っぽい旅人が突如現れて主人公の謎解きを手伝う展開は正直ややご都合主義感を禁じ得なかったものの、それを割り引いても、社会派、ミステリー、少年の成長物語のいずれを取ってもなかなかの仕上がりになっており、梓崎先生の才能の幅を感じさせられました。
この「リバーサイド・チルドレン」が2013年に刊行された後、実に12年ぶりの新作となる「狼少年ABC」(同)は、今度は〈青春〉をテーマにしたミステリー仕立ての中編4作が収められた傑作だと思います。どの作品にも心に直接触れてくるエモさが溢れていて、それが謎が明かされた際の衝撃に合わせてピークを迎える構成に非常に心を揺さぶられました。どの作品も素晴らしいのですが、特に表題作は喋る狼の謎と、大人のようで大人でない大学生の不安定さが絡み合いつつ話が進み、最後はすっきり解決しながら登場人物が成長して終わるというじっくり練られたプロットの厚みに圧倒されました。「スプリング・ハズ・カム」も青春ど真ん中の高校生のお話でありつつ、熱い一方で淡くて悲しい物語に仕上がっていてその奥行きは凄いの一言です。12年間推敲を重ねてきただけのことはあるクオリティで、金次郎としては今年下期の直木賞に推したい一冊でしたが残念ながら候補作入りならずでした。
ネットでタイムセールの30%オフ残り24分と急かされ焦ってブルゾンを購入したのですが、全く同じものを持っていたことに気付き愕然といたしました(涙)。会社で金次郎がブルゾンを着ているのを目にされた方は、「それはどっち?」と密かに憐れんでいただければと思います。
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