金次郎、謎の用語イエベ・ブルベ・ブライトサマーに当惑

最近金次郎家に革命的という程ではないですが世界が小さくひっくり返る出来事が発生いたしました。それは何かと言いますと、ずっとイエベだと思っていた妻がブルベであったことがイメコンによる診断で判明したという事件です(笑)。何のこっちゃとお思いの方も多いでしょうし、かく言う金次郎もイエモン派かブルーハーツ派か的な論争がオリコン上で繰り広げられているイメージしか浮かばず、それなりに読書もして物知りを自負する身としては、理解のできない言葉の連なりに敗北感まみれの放心状態となりました(苦笑)。気を取り直して妻からよくよく話を聞いてみると、どうやらイエベ=イエローベース、ブルベ=ブルーベースというのは肌色の分類だそうで、イメコン=イメージコンサルタントとは肌色や骨格などから服のコーディネートやコスメなどについての総合的なコンサルティングをしてくれるサービスの呼称なのだとか。

その明らかに消費者から搾り取る気満々のサービスにいくら支払ったのかは怖くて聞けませんでしたが、とりあえず、まぁイエローと思っていたのがブルーになっただけでしょうと、軽い気持ちで聞き流して片付けられる類の話かと思いきや、その後金次郎は驚愕の事実を突きつけられることとなったのでした。どんな驚愕かをご説明する前に金次郎の混乱を少し共有いたしますと、妻の肌色は黄み肌ブルベという難しめの色なのだそうで(しかもより細かい16分類法ではブライトサマーにカテゴライズされるのだとか‥)、ブルベに合わせて服を選ぶと肌の透明感は増すものの逆に血色が悪くなってクマやシミが目立つこととなり、それならばとイエベに合わせたコーディネートにすると、クマやシミは目立ちにくくなる一方で今度はお肌がくすんで見えてしまうというどっちつかずの特徴が有り、うちの妻は悩みに悩んでイメコンの先生にアドバイスされたブルベ服+お化粧で隠す&盛る作戦を採用することに決めたのだそうです。金次郎の何のこっちゃ感及び当惑に共感いただけましたでしょうか(笑)。この話を聞いた瞬間は、飲み会でネタにするうんちくが増えたな程度の軽い受け止めだったのですが、間髪を入れず妻から全ての服を買い直す必要が発生すると同時に、全てのコスメを入れ替えなければならないと通告され、その莫大なコストを想像し呆然といたしました。更に試練はこれで終わらず、そこまで行くとどうやら髪色までも変えないと全体の調和がとれないとのことで、妻はどうしてもピンクめの茶色にしたいと言い張り、先日も新装なったE美容室でピンクにするにはどうしたら良いかについて複数名の美容師さんと激論を戦わせておりました。ピンクというのは髪に定着しにくい色みなのだそうで、どす黒くすら見える濃いピンク色を入れても1か月程度で色は抜け落ち、オレンジ的な感じに変化してしまうために、ピンクを維持するには毎月カラーリングを継続するしかないということで、髪への負担を和らげるトリートメントの料金と合わせると、目玉が飛び出るほどの出費となるようでぞっといたしました。また、ピンク色が髪から抜けて行く過程で髪を拭いたタオル、枕、布団などがどんどんピンクに染まってしまうという有難くない副作用も避けられないそうで、中年夫婦が暮らす金次郎家が林家ペー&パー子を彷彿とさせるピンクの館になってしまう状況を心の底から懸念しております(涙)。まぁ、ちょうど2年前の9月に股関節を痛めて、激しい痛みとしびれで歩くことも眠ることもできなかった状態から、一所懸命治療に通い、リハビリの運動を続けて頑張った結果、おしゃれに気を使えるほどに(ちょっと使い過ぎですがw)回復した妻の努力に敬意を表して、当面ある程度の出費には目をつぶろうと思っています。でも、先日イメコンの先生と一緒にお店を巡ってどういう服が似合うかについてのコンサルティングを受けたという話には(ショッピングクルーズと呼ぶそうです)、その金銭収奪構造の奥深さを垣間見た気分で少しびびりました。

さて本の紹介です。読もう読もうと思いつつ手を付けられていなかった超人気シリーズを一気に読了しました。「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん著 文藝春秋)、「まほろ駅前番外地」(同)、「まほろ駅前狂騒曲」(同)は、東京郊外のまほろ市(モデルは町田市)を舞台に、それぞれ心に傷を抱える高校の同級生二人によるユーモア溢れる笑い有り涙有りのドタバタコメディーです。まほろ駅前で便利屋を営む多田のところに、パッと見かなり奇天烈変人の行天が転がり込むところから物語は始まります。便利屋の仕事は基本手伝わず、多田の邪魔ばかりする行天のいい加減さというか自由奔放ぶりに最初は気持ちを持っていかれるのですが、彼が心に抱えている葛藤や内に秘めたその不器用な真っ直ぐさに触れるうちに、キャラの立体感と共に人間臭さがどんどん増し、それに連れて感情移入が加速するという、のめり込まずにはいられない小説だったと思います。勿論主人公の多田もいい味を出しており、こちらもスーパー不器用かつ全く素直でないとの設定で、コミュ力の低い30代バツイチ男同士の酒とタバコを介したやり取りは、いかにも無骨でそっけないのですが、大人の青春という感じもして懐かしさと羨ましさを感じる読後感でした。脇役たちのキャラも魅力的で、かなり怖い半グレの星が細かく健康に気を配る几帳面さもそのギャップが面白いですし、ローカルバスの運行状況に偏執的な怒りを感じているおじいさんの偏屈さも堂に入っていますし、路地裏の娼婦ルルとハイシーの屈託を感じさせない突き抜けた明るさには、金次郎の人生が辛いというわけではないのですが(笑)、救われた気分にさせてもらいました。3冊の内容である程度収まるところに収まっているので難しいのかもしれませんが、続編が出たら是非読みたいと思える印象的な作品でした。映像化もされているようなので機会が有れば観てみたいところです。

「君の地球が平らになりますように」(斜線堂有紀著 集英社)は当初のミステリー路線から最近急激に恋愛小説寄りにシフトしている著者による、読んでいて辛くなる5編の物語を収めた短編集です。とにかくハピエンが全くイメージできない恋愛ばかりが取り上げられているところが読んでいて苦しいのですが、例えば表題作の「君の地球が平らになりますように」は地味で冴えない女子大生が、好きだけど気持ちが届きそうにない人気者男子に思いを寄せる中で、その彼が〈陰謀論〉にはまり周囲から白眼視されるようになった機会を捉えて付き合い始めるという話です。苦しいですよね(笑)。相手の考え方や言動をおかしいと感じつつも、そのおかしさが自分の今の幸福の基盤になっているので否定できないという袋小路でアンビバレントな心情がなかなかリアルに描かれていていたたまれない気分にさせられます。「大団円の前に死ぬ」はホスクラにはまる風俗嬢が突然現れた大嫌いな実姉と担当のホストを巡って不毛極まる血みどろのシャンパン対決を繰り広げるという、底なしの不幸しかイメージできないお話で、生きていく上で自分の拠り所となる何かを持つことの切実な必要性を突きつけられました。また、全く知らなかったホスクラのリアルを垣間見ることができた点は大変勉強になりました(笑)。

「魔女の原罪」(五十嵐律人著 文藝春秋)は法律をモチーフにした作品の旗手たる著者による特殊設定ミステリーです。校則も無くとにかく法律遵守のみが絶対視される高校、魔女の影に怯える大人たち、何となく隠し事の有りそうな町とその住民たちが何とも不穏な雰囲気を醸し出しつつ物語は進んでいきます。最初は学校内の窃盗事件といじめ問題が中心でしたが、その問題がとりあえずの解決に向かう中で女性の変死体が見つかるという急展開となり、この辺からストーリーが意外な方向に進んでどんどん面白くなっていくのですが、ミステリーなのであまり内容に触れられないのが残念です。結果として非常に重い展開になってしまう本作ですが、設定の工夫が素晴らしいのでページをめくる手は止まらず、その重さを差し引いても総合的には高い満足度が得られる作品と評価できると思います。

金竜山を訪問したチーム金次郎のメンバーは何を食べても金竜山に勝てないという金竜山ロスに苦しむ毎日を過ごしております(涙)。次回訪問の3月はまだまだ遠い。

チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山に登る(前編)/チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山に登る(後編)

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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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