金次郎、47都道府県のうちの未踏県を検証

このところニュースで成年式に臨まれる悠仁親王をよく目にしましたが、その後伊勢神宮に参拝されたというのを知り、はたと金次郎は伊勢神宮にお参りしたことが無いのに気付きました。そもそも伊勢神宮の有る三重県自体に立ち寄ったことが無いことに思い至り、海外より国内旅行が気になる年頃に差し掛かった中年金次郎は、未だ訪れたことの無い都道府県を洗い出してみることにしました。北からいくと、青森県、秋田県、岩手県、山形県といきなり東北が非常に弱いことが明らかとなり、いったいこの53年で自分は何をやっていたんだという気分になりました(汗)。

ただ、そこから先は、このブログにも書いた定例の旅行で福島県と石川県をカバーしたのが大きく、新潟県には出張で、富山県には高校時代のスキー修学旅行で一度だけ訪れていて日本海側の次の未踏県は福井県でした。運動神経には自信が有ったのに、初めてのスキーはさんざんな出来で、地元民と思われるスキーヤーが華麗に滑降する姿に敗北感と憎悪の念を感じたことを思い出しました。関東各県はだいたいゴルフでカバー、長野県は大学時代の合宿でクリアできており、残っているのは東海だと先述の三重県のみ、近畿は滋賀県と奈良県でした。四国では、幼い頃に家族で渦潮を観た徳島県は早々にクリア済み、先日の出張で香川県と愛媛県を一気に制覇した結果、最も遠い高知県がインコンプリートとなっておりました。幼い頃は特に怖がりであった金次郎は渦潮に呑み込まれるのではないかとビビって母親に必死でしがみついていた記憶が有ります。福岡出身で岡山に在住経験が有ったこと、一時気功の大先生に診てもらうために鳥取県と島根県の県境辺りをうろうろしていたことが奏功し、関東の人にはやや馴染みが薄い中国・四国・九州をほぼクリアできていたことはラッキーでしたが、それでもまだ9県も残っているのかと驚愕いたしました。一気に全部は行けませんので、優先順位を付けて日本地図を塗りつぶしていきたいと思います。先ずは近畿以西のコンプリートに向け高知県に行きたいのですが、先日読んだ吉田茂元首相の評伝である「赫奕たる反骨吉田茂」(工藤美代子著 日本経済新聞出版社)の影響も大きいです。吉田茂が大久保利通の次男を岳父とし、皇族や麻生財閥とも繋がる絢爛たる閥族の中心にいる一方で、彼自身は吉田家に養子に入っており、実父の竹内綱という人物が土佐藩の重鎮で土佐自由党に所属した自由民権運動の闘士であったと知りました。土佐人の血を引く吉田茂が戦後に自由党総裁としてこの国を率いたことに、親子二代の因縁めいた自由への強い執着を見た思いで、同じく自由の闘士であった坂本龍馬や板垣退助といった人々を輩出した空気に触れてみたいと感じました。現在の混迷する政局のせいかもしれません。ヘビーに残っている東北の未踏県については、最も泣ける小説の一つである「壬生義士伝」(浅田次郎著 文藝春秋 )の舞台である旧南部藩の岩手県も捨てがたいですが、やはりGWに下北半島の美味しい山菜をいただきましたし、奥入瀬の温泉にも興味津々ですので先ずは青森県から攻めようと思います。山菜を採ってくださった人間国宝級寿司職人であるM男さんの故郷は青森県の野辺地ですが、そこに抜群に美味しいフレンチ料理店が有ると教えていただいたのでそちらにも足を延ばしてみたいところです。

つい先日にこのブログで江戸川乱歩賞特集をやったところでしたが、最新の第71回受賞作の「殺し屋の営業術」(野宮有著 講談社)が王様のブランチBOOKコーナーで紹介されていたので早速読んでみました。ハイレベルの最終候補作の中でも断トツの評価を得て受賞となった本作は、知識、会話術、表情、仕草、発声などあらゆる営業術を磨き上げ、違法すれすれの強引な手法も躊躇することなく駆使して抜群の営業成績を叩き出し続けるスーパー営業マンの鳥井一樹が、訪問先で偶然殺人の場面に出くわすところから物語は始まります。血も涙も無い殺し屋に口封じで消されそうになった鳥井が、ぎりぎりの局面でこれまでに培った営業術をフル活用して窮地を凌ぎ、そこから殺人を請け負う殺し屋業の営業を引き受けて大逆転を図る展開なのですが、一流の営業テクニックが命のやり取りの現場でも有効に機能する様子が新鮮でした。また、多くのピンチを乗り切る中で、生きる意味を見出せなかった鳥井の内面が徐々に変化していく様を描いて、はらはらする展開と納得感の高いロジックに優れた物語にもう一段の深みを与えているところが高い評価に繋がっていると思います。さすがは乱歩賞作、ページをめくる手が止まらないこと請け合いのおすすめ作品でした。

「黒い瞳のブロンド」(ベンジャミン・ブラック著 早川書房)はレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズの公認続編ということで、このシリーズが大好きな金次郎としては必読の書として大事に読ませていただきました。チンピラジゴロで死んだ筈のニコ・ピーターソンの所在調査を、美貌の大金持ちであるクレア・キャヴェンディッシュから依頼されたマーロウは、この依頼の不自然さを直感的に見抜きつつもクレアの魅力に抗することができず、ずるずると危険な謎の深みにはまっていきます。そんなにケンカは強くもなく、社会的な力も持たないしがない私立探偵であるマーロウが、そんな探偵業への矜持を貫き筋だけは通してタフガイであろうとする姿がそれなりにオリジナルに忠実に描かれている一方で、過去作とのクロスオーバーを意識し過ぎるあまりプロットが不自然かつご都合主義的な仕上がりになってしまったのはやや残念でした。結論としては、本作をマニアのためのうんちく集として読むべく、「長い別れ」(東京創元社)や「大いなる眠り」(早川書房)などのシリーズ名作を再読してから臨むべきであったと反省いたしました。

我々夫婦が愛してやまない洋菓子店といえば新百合ヶ丘のリリエンベルグですが、大変残念なことに1988年のオープン以来お店を切り盛りしてこられた横溝春雄シェフが6月にご逝去されたそうです。心よりご冥福をお祈りすると共に、これまで美味しいお菓子で楽しませていただいたことに深く感謝いたします。ご子息が2代目シェフとして味を受け継がれるとのことですので、人間ドックに向けたダイエットが終わり、恒例のシュトーレンの季節が始まる11月にうかがいたいと思います!

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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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