最近ようやく海外渡航VISAが取得できるようになり、海外赴任が決まっていた同僚が少しずつ移動を始めています。本屋大賞予想対決で戦った宿敵Mもドイツに赴任となり、オフィスで読書の話ができなくなるのは寂しいですが、往復の隔離検疫期間4週間を考えると、海外出張が現実的でない状況ですので、海外駐在員の働きが以前にも増して重要になっており、MにはぜひEUを股にかけて大活躍して欲しいと期待しています。忙しくて読書が疎かになれば、来年の予想対決で金次郎が〈金の栞〉をゲットできるチャンスが増すのでそれにも期待ですね(笑)。
(金次郎と宿敵Mによる本屋大賞2020予想対決、結果発表!)
ドイツと言えば、子供の頃に読んでなんとなく薄気味悪い印象を持った記憶の有るグリム童話の〈ハーメルンの笛吹き男〉の話について、その成立の背景を分析した「ハーメルンの笛吹き男:伝説とその世界」(阿部欽也著 筑摩書房)を読みました。
話のあらすじは、①鼠の害に悩む村に、珍しいいでたちの笛吹き男が現れ、礼金と引き換えに鼠の退治を請け負い、②笛を吹いて鼠を集め、池で鼠を溺れさせて退治したものの、③村人が礼金の支払いを渋って男が激怒して、④男が笛を吹くと村の子供たち130人が男について歩き始め、山のかなたに消えて行方知れずとなる、というものです。どうやら1284年6月26日に実際に起こった何らかの〈事件〉を下敷きにこの物語は生まれ、そこから700年以上にわたり少しずつ形を変えながら語り継がれているようなのですが、その〈事件〉とは何だったのか、この話が伝説となり長きにわたり伝えられるに至った社会的背景はどんなものか、物語の細部が微妙に変容を遂げた要因は何か、について解き明かすのが本書の目的となっています。