バレーボールに打ち込む高校生たちを描いた人気マンガ・アニメシリーズ、「ハイキュー!!」の映画化作品である「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」が現在大人気で、封切り後僅か20日足らずで興行収入は既に50億円を超えるという大ヒットを記録しています。元々テレビアニメシリーズも第4期まで全て観てきた「ハイキュー!!」ファンの金次郎ですので、当然時間を見つけて映画館に足を運びました。特典欲しさも有り早々に観賞済みであった妻も、感動をもう一度ということで一緒に行くこととしましたが、さすがは「ハイキュー!!」の中でも屈指の人気エピソードである〈烏野高校VS音駒高校〉のライバル対決を描く内容ということで妻は冒頭から、金次郎もかなり序盤から滝のように流れ出す涙が止まらぬ涙腺崩壊状態となり、終演後も暫く立ち上がれない有様でした(笑)。
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金次郎、「破天荒」(高杉良著)を読み破天荒なレジェンドについて回想する
金次郎は入社以来化学品業界でお世話になっておりますが、石油化学新聞記者から経済小説の大家となった高杉良先生の自伝的小説である「破天荒」(新潮社)を読み、日本の石油化学産業の勃興期の雰囲気を感じなんだか嬉しくなりました。本名の杉田亮平として実際に書かれた署名記事の引用などを通じて臨場感いっぱいに描かれる日本合成ゴムの工場建設から民営化までの流れは、現在の業界地図との対比という視点で読むと業界構造の大きな変化に改めて驚かされますし、エチレン不況カルテルのスクープ記事に関する様々な反応の生々しい描写からは当時の石化産業の苦境が伺えると同時に、これも現在との比較において官民の関係の変容に改めて思いを致す契機ともなりました。エチレン不況カルテルといえば、金次郎が入社した当時にもその残滓のようなものが存在していたな、と思い出して懐かしくなる一方で、自分も随分長くこの業界にいるものだ、となかなかに感慨深いものが有りました。また、これまで「炎の経営者」(文芸春秋)などの高杉作品を読んで感じていた小説的でないジャーナリスティックな文体のルーツを垣間見ることができた読書体験だったとも言えると思います。
一瞬ご自身のことを破天荒と言ってしまうセンスは若干どうなのだろうか、と感じる一方で、金次郎が社会人となった約30年前ですらこの業界には社内外問わず破天荒な方がたくさんいらっしゃったことを思い出し、いわんや高杉先生は更に一世代前の方ですので、このタイトルにも納得した次第です。噂で聞いたものも含めですが、若かりし頃の金次郎の記憶に鮮烈に残っている破天荒例を挙げますと、会社の給湯室でママレモン(最近あまり見ないキッチン洗剤)で颯爽と洗髪される方、朝まで飲んで出社後すぐにトイレの個室に入って寝たら便座にお尻がはまって抜けなくなった方、「あれがあれでそれがなにして」と指示代名詞的な言葉でほぼ会話を成立させる強者、その後大変なことになるとも知らずに酔っぱらって反社の方の家の立派な外壁に立ち小便をしてしまう豪傑、交通事故に遭われ顔面を負傷された際にさる有名俳優の写真を示し、「この顔に戻してほしい」とピンチをチャンスに変えようとされた胆力の持ち主など枚挙にいとまが有りません。そんな雲の上の先輩方の中でも、特に印象に残っている極めつけは、何と言っても飲み会の芸でガラスのコップを食べる技を披露される超人の方の話です。いや本当に、こういうレジェンドに思いを馳せると、常識や世間体に縛られている自分の人間の小ささがいたたまれなくなりますが、どうにか頑張って定年までにできる限り後輩たちの心に何らかの爪痕を遺さねば、と決意を新たにいたしました(笑)。
金次郎、いま売れている「法廷遊戯」(五十嵐律人著)を読んで翻弄される
先日友人が、火鍋の天香回味(テンシャンフェイウェイ)が閉店したらしい、と不吉なことを言ってきたので、慌てて食べログを見てみると、9月16日から全店舗で感染対策・営業時間短縮の上で営業再開する、というお知らせが出ており心から安心しました。通常は火鍋の締めで食べるラーメンをランチではメインとして出してくれるこのお店は、二日酔いの時や、ちょっとピリッとしない午前中にもってこいのランチスポットでしたので、コロナに負けずに頑張ってくれて本当に良かったです。早速9月中旬に応援も兼ねて訪問しようと思います。
さて、前回フィクションとノンフィクションについて書きましたが、ちょうど同じタイミングでその両方に長けた稀代のversatilistである松本清張先生の作品を解説した「「松本清張」で読む昭和史」(原武史著 NHK出版)を読みました。不朽の名作「点と線」や「砂の器」の時代背景の説明や著者の鉄道へのこだわりについての解説なども非常に興味深いのですが、何より以前このブログでも紹介した「昭和史発掘」の戦後史バージョンである「日本の黒い霧」(松本清張著 文芸春秋 上巻・下巻)に出会えたことが収穫でした。
60年安保で社会が騒然とするさ中に、日米関係の闇の部分が生まれる契機となった占領時代のGHQ暗躍に鋭く切り込んだこの勇敢なノンフィクションは、当時51歳と脂の乗った著者の真実追求への熱情を感じられる名作です。「下山国鉄総裁謀殺事件」ではGHQ参謀第二部(G2)の関与をG2/GS(民政局)間の主導権争いという背景と合わせ独自の視点で描いており、その核心に迫る推理には納得感有り頷かされます。