あけましておめでとうございます!2021年こそは質の高い読書を目指します

金次郎家評では、さだまさし、玉置浩二、superflyのパフォーマンスが素晴らしく、想定外に良かったのがミスチルとYOASOBI、という感じの無観客をものともしなかった紅白歌合戦でしたが、氷川さんの美川憲一化が既定路線入りしたこととYOSHIKIさんのメイクが違った意味で印象に残りました。

総合司会のウッチャンが老けたね、と妻と話していた際に、そう言えば30年前金次郎が上京してきた頃住んでいた学生ハイツの目の前の部屋に、ウッチャンナンチャンが上京したばかりの学生の部屋訪問という番組の企画でやって来たことをふと思い出しました。テレビに出たその部屋の友人が、あのコンビかなり仲が悪い、と言っていたのが懐かしい(笑)。その学生ハイツは、1~2Fがパチンコ、3Fがカラオケ、9~11Fがサウナというビルの4~8Fという素晴らしい環境で、そこでは不思議な仲間たちとのバカ過ぎるハイティーン生活が繰り広げられたのですが、楽しかった思い出を忘れてしまわないようこのブログでもぼちぼち書いていこうと思います。

年男だった2020年は感覚的にはあっという間に過ぎ去りましたが、家にいることが多かったからか読書は随分とはかどり、この1年で374冊読むことができました。結果としては一日一冊を達成でき人生最多の読書量となったのですが、やはり量を追いかけ過ぎたきらいが有り、去年のお正月のブログで掲げた一冊一冊をじっくり読み込むとの目標が今一つ達成できなかったと反省してます。

リストを眺めてみると、本屋大賞の予想をいつの間にか意識していたのか、小説の新刊に偏った本の選択になっており、50代目前となる今年は哲学や科学関連、歴史的名著などを厚めにじっくり読んで、どうにか人間の幅を広げて年相応になれるよう頑張ろうと思います。

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文学女子とその母上に冬休みにじっくり読める本を紹介

金次郎はカラオケ好き&時には歳を忘れてロックバンドのライブに行く程度の音楽趣味で全く高尚な感じではないのですが、10年以上前にふと手に取った〈澤野工房〉という聞き慣れないレーベルのジャズアルバムが気に入って何枚か買い集めたり、そのアーティストの渋谷でのコンサートに夫婦で行ったりしていました。そこで見た主催者の澤野さんは、ごく短いスピーチの間にもそのジャズへの情熱とお人柄が滲み出る、大変魅力的な方だなと強く印象に残っていました。ここのところ読書三昧で音楽もあまり聴けておらず、コンサートにも足を運べていなかったのですが、「澤野工房物語 下駄屋が始めたジャズレーベル 大阪・新世界から世界へ」(澤野由明著 DU BOOKS)という澤野さんの活動を綴った本を見つけて読んでみて、100年以上続く下駄屋の四代目である澤野さんが、ジャズ好きが高じて〈聴きたいものが売っていなければ自分で作る〉の精神で自らのレーベルを立ち上げるまでのいきさつや、アルバム全体を一つの作品として髪の毛から足の裏まで全身で音楽を聴いて味わって欲しい、というジャズへの熱い思いに触れ、純粋に感動したこともあり、客席からとはいえ同じ空気を共有した親近感も手伝って、またCDを買って聴きたいなという気分になりました。

広告無し、ストリーミング無し、ベスト盤無し、とお金儲けセオリーとは真逆のやり方を貫いて、徹底的に品質に拘る澤野さんの信念が世界中のアーティストや顧客に確りと評価される様子は、現代の多様化を極める消費者マーケティングで生き残る一つの型を体現していると思います。残存者利益で下駄屋が盛り返してきている、というのも面白い。

さて、まだお会いしたことは有りませんが、このブログを支えてくれている弟子の文学女子ABさんに読書の秋以来の本の紹介です。先日、学校の先生から綿矢りさ作品を読みましょうとの課題が出たとのコメントを頂きましたので、簡単に「蹴りたい背中」(河出書房新社)、「手のひらの京」(新潮社)、「ひらいて」(新潮社)、「憤死」(河出書房新社)をコメント欄で紹介しましたが、今回は更に選りすぐりの5作品を捻りだしました。既に美容室図書館経由で読まれたと思うのでリストに入れていませんが、「和菓子のアン」(坂木司著 光文社)もきっと好みの方向ではないかと思います。

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期待通り面白かった染井為人先生の「正体」を紹介!

最近やたらと環境意識が高まっており、2030年代にはガソリン車も販売されなくなるなど時代は大きく変わっているなと感じます。これからはハイブリッド車や電気自動車(EV)の時代になるのだと思いますが、先日ふと思い出した10年前にEVに乗った時のことを書きたいと思います。大きな会議に参加するために福岡に出張した際に、日程的に土曜日の昼間が空いてしまい、一つ下の後輩にレンタカーを運転させ長崎まで行ってカステラを買おうとの話になりました。カッコいい車を借りるよう後輩にお願いしていたところ、後輩が借りてきたのはまだ出たばかりの日産リーフ。当時は珍しい100%バッテリーで動くEVで、確かに運転席もパソコンみたいというか、近未来的でカッコよく、でかしたと後輩を褒めていざ出発。やや曇り空なのは今イチでしたが、走行中の音は静かだし、始動からの加速はすごいし、ナビシステムも当時としてはかなり画期的な感じで、最初のうちは非常にノリノリだったのをよく覚えています。長崎ではちゃんぽんにしましょう、いや皿うどんだろう、などと軽口を飛ばしつつ高速も軽快に飛ばしていた頃の我々には、その後この旅に恐ろしい展開が待ち受けていることなど知る由も有りませんでした。。。続きは次回(笑)。

「正体」(染井為人著 光文社)は、注目作家である染井先生の最新刊で、逃走を続ける脱走少年死刑囚と、そうとは知らずに彼と関わる人々の交流を通じ、人間の持つ多面性や他人を信じることの難しさを問いかけるサスペンス小説です。読者は最後の最後まで日本中を震撼させた殺人鬼とされる主人公の〈正体〉を見極めるべく登場人物たちと共に悩むことになります。状況や相手によって態度をあっけなく変える人間の弱さや醜さもさることながら、いつどんなはずみでネガティブなレッテルを貼られるかわからない危険だらけの現代社会で、信頼されるに足る人間として生きて行くことの大切さについて考えさせられる作品でもあります。様々な属性、評判やレッテルに惑わされることなく、相手の〈正体〉を感じ取れる眼力を身に着けたいところですが、かなりハードルは高いと言わざるを得ませんね(苦笑)。過去三作同様(紹介はこちら)充分面白く読めたのでおすすめ作品であることは間違い無いものの、もう一つのテーマである死生観については、やや踏み込みが甘かった印象にて、次回作での更なる飛躍に期待です。

 

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気が早いですが、金次郎は2024年のアメリカ大統領選挙に注目!

ようやく落ち着いてきたアメリカ大統領選挙ですが、アメリカではトランプ大統領をどうしても再選させたくない人々を〈ネバートランパーズ〉と呼ぶようで、英語って面白いとちょっと思いました。日本でも大阪の梅田がバイデンと読めるとか、宇部市のバス停の上梅田がジョーバイデンと読めるとか、福井県小浜市ばりの微妙なフィーバーが少し笑えます。やや気の早い話ですが、金次郎は次の2024年の選挙に注目しておりまして、さすがに81歳になるバイデンさんはちょっと更に4年は難しいと思うので、にわかにブームとなっているカマラ・ハリス副大統領が民主党候補として選挙を戦う可能性も大いに有ると思っています。共和党はと言うと、勿論たくさん候補はいると思いますが、有力候補の一人が前国連大使のニッキー・ヘイリーさん。こちらもインド系の女性ということで、もしカマラvsニッキーという戦いになれば、アメリカの多様性と新しい時代の象徴の選挙になりそうで、今回の白人のおじいさん同士のシルバーな選挙戦とは違った形で盛り上がれるのではないかと今から楽しみにしているところです。ちなみに民主党にはアレキサンドリア・オカシオ=コルテス(通称AOC)さんという、スーパー左翼の女性候補(現在31歳)も一部の人にかなり人気が有り、こちらが出てきてもやっぱり面白い。早く4年後にならないかな、と思ったりする今日この頃です。

さて読書ですが、読もうかなどうしようかな、と何度も迷って遂に読んだのが「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」(大崎善生著 KADOKAWA)です。闇サイトで出会った3人の男が、全く見ず知らずの女性を金目当てで連れ去り殺害した悲惨な事件を被害者の人生に焦点を当てて描いたずっしり重いノンフィクションです。事件の起こった2007年当時も報道を観て気にはなっていましたが、この本を読み、悩みながらもひたむきに生きようとしていた被害者の方の無念、母一人子一人のささやかな幸せを失った親御さんの塗炭の苦しみの一端を知って、犯人を許せない気持ちは勿論ですが、なんとなくニュースを消費していただけで、事件の後に30万人以上の署名を集めて、一人殺しても死刑にはならない、との所謂〈永山基準〉の壁に立ち向かわれたご遺族の活動も知らなかった自分が非常に情けなくなりました。お母さんにマイホームをプレゼントする夢のためにこつこつ貯めた貯金を守ろうと、犯人の脅しに屈せず暗証番号を絶対に明かさなかった被害者の方の途方も無い勇気にただただ首を垂れるばかりです。彼女の食べ歩きブログが署名活動に使われていた関係でまだ閲覧できるのですが、日常を奪われた無念が胸に迫ってくるようで殆ど読めませんでした。

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「二人のカリスマ」(江上剛著)を読み、セブン&アイを改めて学ぶ

 

昨日、美味しいお寿司を食べてほろ酔い上機嫌で帰宅した際に、よい子はうがい、と思い洗面所のコップに水を汲みうがいをしようとしたところ、若干というか大いなる違和感を感じました。酔いも手伝い気にせずうがいを強行したところ、信じられない量の泡が口から溢れるホラーな状況に。慌てて口中をゆすいだのですが、どうやら妻が買ってきたものを除菌消毒した洗面所の掃除の際にうがいコップを洗おうとキッチン洗剤を注入したのを忘れて放置してしまっていたようです。歯が洗いたての皿のようにピカピカになったかな、と思ってチェックしましたが普通でした(笑)。コロナ対策で色々と除菌に気を使ってくれている妻に感謝するシャボン玉おやじでした。

さて読書の話。「二人のカリスマ」(江上剛著 日経BP社 スーパーマーケット編コンビニエンスストア編)は伊藤雅敏、鈴木敏文両大立者の立志伝ですが、イトーヨーカ堂とセブン・イレブン・ジャパンの歴史を知るのに非常に有用な内容でした。不勉強で今ひとつよく分かっていなかったこの二社の関係がクリアに理解できますし、ダイエーや西友との違いも、この部分はフィクションだと思いますが、三者三様の経営者の因縁も絡めて描かれているので理解し易いです。〈成長より生存〉を掲げる守りの伊藤さんと、常にイノベーティブな攻めの鈴木さんが好対照ですが、同時代、同じ会社にこれほどの凄い人材が揃って、尚且つ共に活躍したという奇跡が本当に羨ましいです。また、会社が大きくなってもお店の周囲の掃除を欠かさず、いつまでも恩のある千住商店街への義理を忘れない伊藤兄弟の母上が素晴らしい。妻が近くの赤札堂によく通っていますが、羊華堂(千寿)は赤札堂(上野)、キンカ堂(池袋)と共に東京三堂と呼ばれていたことは知りませんでした。

江上先生の作品を初めて読み、かなり面白かったので、「百年先が見えた男」(PHP文芸文庫)も読んでみましたが、こちらは高杉先生の「炎の経営者」的な内容で、やや感情移入度が低かったものの、大原総一郎クラレ元社長の崇高な精神に触れ、仕事に取り組む姿勢について考え直すきっかけになる一冊でした。驕らず謙虚に、世の中のためになる難しい仕事に挑戦し続けること、が大切と言われ、胸に手を当てて唸っております(苦笑)。クラレや大原一族についてもだいぶ詳しく描かれており参考になりますね。

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いつの間にか読書の秋が始まり、慌てて文学女子に本を紹介

金次郎がまだ若かりし頃、政界ではYKK(山崎拓・小泉純一郎・加藤紘一)が新世代のリーダーとしてもてはやされておりました。それがいつの間にかNが増えてNYKKになったので、Nこと中村喜四郎代議士とはどんな人なのか、と興味を持ったことを覚えています。その後彼は若くして建設大臣となり、建設族のプリンスとして将来の総理候補と目されるまでになったのですが、突然のゼネコン汚職スキャンダルで逮捕、起訴され、最終的には有罪が確定して服役の憂き目を見るというアップダウンの激しい半生だったと記憶していました。

金次郎はその後政治に興味を失ってフォローしていなかったのですが、最近中村喜四郎の名前をちょくちょく見るなと思い調べるとなんと未だ連続当選中で、無所属で国会議員を続けられていると知り驚きました。そこで、昨年刊行された「無敗の男 中村喜四郎 全告白」(常井健一著 文芸春秋)を読んでみたのですが、中村代議士の政治に拘り続ける執念がとにかく凄くて圧倒されました。格差是正を掲げて70歳を過ぎても打倒自民党を目指して野党共闘を働きかける意気軒高ぶりや、自らバイクで地元を走り回る〈選挙の鬼〉の姿は故田中角栄を彷彿とさせ印象的です。人のいないところを選んで辻説法するとか、組織的な選挙活動はしないなど、選挙に関する逆張りの理論もなかなか面白いと思いました。

また、ロッキード事件前後の田中派の状況や、当時の小沢一郎との確執など政局についての裏話も盛り込まれており、最近の話では特に恩讐を越えた小沢一郎への働きかけの場面はなかなか迫力が有って引き込まれますし、逮捕取り調べ時の140日間完全黙秘で名前すら名乗らなかったエピソードや、刑務所暮らしでどう自分を保っていたかの話などは本当に凄みを感じます。最近めっきり少なくなった〈政治屋〉に思いを馳せ、令和の時代の政治について改めて考えるきっかけとなる本でした。

さて、ちょっと前まで暑かったのに、最近めっきり過ごしやすくなり、もう秋じゃないか、と慌てて恒例のお薦め本企画です。文学女子ABさんは中学生となり部活でお忙しいようですし、金次郎がE美容師に紹介した本をEさんに先んじて美容室図書館からレンタルされているとのことなので(笑)、今回はそれらを外して六作品選んでみました。楽しんで頂けると嬉しいです。

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金次郎、いま売れている「法廷遊戯」(五十嵐律人著)を読んで翻弄される

先日友人が、火鍋の天香回味(テンシャンフェイウェイ)が閉店したらしい、と不吉なことを言ってきたので、慌てて食べログを見てみると、9月16日から全店舗で感染対策・営業時間短縮の上で営業再開する、というお知らせが出ており心から安心しました。通常は火鍋の締めで食べるラーメンをランチではメインとして出してくれるこのお店は、二日酔いの時や、ちょっとピリッとしない午前中にもってこいのランチスポットでしたので、コロナに負けずに頑張ってくれて本当に良かったです。早速9月中旬に応援も兼ねて訪問しようと思います。

さて、前回フィクションとノンフィクションについて書きましたが、ちょうど同じタイミングでその両方に長けた稀代のversatilistである松本清張先生の作品を解説した「「松本清張」で読む昭和史」(原武史著 NHK出版)を読みました。不朽の名作「点と線」や「砂の器」の時代背景の説明や著者の鉄道へのこだわりについての解説なども非常に興味深いのですが、何より以前このブログでも紹介した「昭和史発掘」の戦後史バージョンである「日本の黒い霧」(松本清張著 文芸春秋 上巻下巻)に出会えたことが収穫でした。

60年安保で社会が騒然とするさ中に、日米関係の闇の部分が生まれる契機となった占領時代のGHQ暗躍に鋭く切り込んだこの勇敢なノンフィクションは、当時51歳と脂の乗った著者の真実追求への熱情を感じられる名作です。「下山国鉄総裁謀殺事件」ではGHQ参謀第二部(G2)の関与をG2/GS(民政局)間の主導権争いという背景と合わせ独自の視点で描いており、その核心に迫る推理には納得感有り頷かされます。

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金次郎、エルレの配信ライブで大感動!

8月は猛暑日が過去最多と言われてもほぼ外に出ないので実感無しで、PCとトイレを行き来するだけの単調で低刺激の毎日が淡々と過ぎる今日この頃、飲み会も無し、美味しいものも気軽には食べに行けずでややストレス溜まり気味でしたが、先日なかなかにスカッとする出来事が有りました。それは・・・、8月28日に無料配信されたELLEGARDENのアコースティックライブ!シンガポールから帰国した後もNHK視聴癖を引きずり見ていたサラリーマンNEOで流れた「Space Sonic」のカッコ良さに衝撃を受け、そこからしばらく聴いていましたが2008年に活動休止となった後、カラオケで歌えぬ難易度も災いし(笑)、すっかりエルレの存在を忘れてしまっておりました。本当にごめんなさい。

2018年の活動再開もなんとなく知ってはいたのですが、読書に明け暮れる中フォローすることもなく、当日もエルレ好きの妻が観るというので、どんな曲が有ったかなと朧気な記憶を辿りつつ観始めたのですが、そこからあっという間の1時間半強、トイレにも行かずトークとライブに集中した大感動のひとときでした。上記の通りファンとも呼べないレベルであった金次郎でさえこの盛り上がりだったので、エルレ推しの方々にとっては狂喜乱舞の至福時間だったと思います。20万人以上がこのライブを視聴したスーパーバンドであるにも関わらず、とにかくライブ演奏を楽しむおじさん達の姿がとんでもなく自然体でそこがまたカッコいい。活動休止中にメンバーそれぞれが腕を上げてきた、というのも印象的でしたし(確かにパフォーマンスも凄かった!)、金次郎と同学年のヴォーカル細美さんが「50歳からもうひと暴れするために、それまでに心と身体を太くしておく」的なコメントをされたのですが、心の底からトイレPCシャトルしている場合じゃないと思いました(笑)。48歳金次郎も負けずにもうひと頑張りしようと思います!夫婦でティッシュを握りうるうるしながら鑑賞し終え、「カッコ良かった」しか言葉が出ずバカみたいな感じになりましたが、本当に最高のライブで、そのおかげもありグッスリ睡眠できました。コロナも有るし、チケット競争は激しいと思いますが、ツアー再開の暁には必ず夫婦で参戦しようと心に誓った夜でした。

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今年読んだ本の中で一番のおすすめ「遺伝子―親密なる人類史―」を紹介

先週発表された直木賞作の「少年と犬」(馳星周著 文芸春秋)を早速読んだのですが、選考委員の宮部みゆき先生も「動物ものはずるいよー」と仰っていた通り、ノアールの巨匠馳先生の作品としては若干微妙な内容だったかなと思います。犬の多聞を軸にした連作短編なのですが、それぞれに描かれる〈死〉に必然性が無く、それは大震災の犠牲者の方々が直面したであろう理不尽な〈死〉が意識されているのだろうとは思うものの、どうもつながりが見えにくい。。。犬と大震災を描く、というところから発想された物語で、上手く落とせなかったという感じですかね。「三つ編み」に続いて新井賞を取ったレティシア・コロンバニ先生の「彼女たちの部屋」(早川書房)が未読なのでこちらを楽しみにすることにします。

「遺伝子―親密なる人類史―」(シッダールタ・ムカジ著 早川書房 上巻下巻)はグレゴール・メンデルとチャールズ・ダーウィンに始まる遺伝学の歴史、現在遺伝子について解明されていることと遺伝子関連技術を使ってできるようになったこと、そしてこの技術の将来の可能性と課題について書かれた最高に面白い科学ノンフィクション作品です。これまで何冊か本を読んで断片的に頭に入れてきた遺伝子の構造や機能、それが作用する仕組みについて、統合的に理解するための軸を通してくれる内容で今年読んだ本の中で最も役に立つ一冊でした。ビル・ゲイツ絶賛というのも頷けます。と偉そうに言いつつ、よく理解できない部分も有り二度読んだのですが(苦笑)。

 

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金次郎、中学生になった文学女子への本の紹介に挑戦

先週は三日出社だったのですが、毎日会社に行って時々飲み会して、時には客先訪問をしたり出張に行ったりしていた日々が幻だったのではないか、と思うほどかなり疲労してへとへとになりました(笑)。今後徐々に慣れて行くのか、それとも加齢により元には戻れないのか、慎重に様子を見なければと真剣に思った一週間でした。

土曜日にE美容師を訪問し髪の毛をさっぱりと切り、ダイエット中というE美容師にはやや酷だったかなと後で思った「難事件カフェ」(似鳥鶏著 光文社)、「難事件カフェ2 焙煎推理」(同)を紹介しておきました。どうして酷かと言いますと、このミステリーには至る所に超美味しそうなスイーツの数々がそれにぴったりと合う珈琲や紅茶と共に登場し物語に彩を添えており、空腹に耐えながら読むのは不可能な内容になっているためです。もやし食べて頑張っているEさん、ごめん。

さて、このブログでお馴染みの文学少女への本紹介シリーズは、ありがたくも多くのviewを頂いておりますが、今回も晴れて入学式を済ませ中学生となった文学少女改め文学女子A&Bさんに僭越ながらいくつか本をお薦めいたします。東野圭吾、村上春樹といった著名作家の作品を読み漁られているということで、あまり制約無しに会社で隣に座っている同僚に紹介する感じでやってみますので忌憚のない感想を頂ければと思います。お恥ずかしながら、うちの同僚よりA&Bさんの方が読書はたくさんされていますね(苦笑)。。。

(これまでの紹介記事はこちら)

金次郎、懲りずに文学少女に本を紹介+楡周平作品を読む

金次郎、本の紹介を頼まれてないけどまた紹介+直木賞作「熱源」を読了!

金次郎、本の紹介を頼まれる+2019年4~5月振り返り

【金次郎から文学女子ABさんへのおすすめ作品9選】

「カディスの赤い星」(逢坂剛著 講談社):初版は昭和60年ぐらいだと思うのでちょっと古い本にはなりますが、とにかくページをめくる手が止まらなくなるストーリー展開の吸引力、スペインにも飛ぶ大きなスケール、最後に驚かされるミステリーとしての完成度、とどれを取っても傑作と言って良いクオリティです。金次郎が、面白いミステリーを紹介して下さい、と頼まれた際に必ず候補になる作品で楽しめること間違い無しです。

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アメリカで500万部売れた「ザリガニの鳴くところ」を読む

コロナで家にこもる毎日が続いており、さぞやオンライン英会話のニーズが増えて懐が潤っているだろうと思い、授業中に先生に聞いてみたところ、「私もそう思っていたんだけど、生徒以上に先生が増えてるみたいで授業の予約が減っている。」と言われてしまい、なるほど&悲しい気持ちになりました。

同じくコロナも影響して昨晩WTI原油価格がマイナス圏に突入し、世界のマーケットを騒然とさせたアメリカですが、駐在経験の有る会社の先輩が、アメリカでは日本にいると想像もできないようなことがたびたび起こる、と言っていたことを改めて思い出しました。恐るべしアメリカ、ということで、取って付けたような感じとなりましたが、本日はアメリカが舞台の小説をご紹介です。

先ずは、会社の同僚に薦められて読んだ「ザリガニの鳴くところ」(ディーリア・オーエンズ著 早川書房)です。

〈ザリガニの鳴くところ〉というのは人が足を踏み入れない原生的な湿地のことをそう呼ぶとのことで、 まさに、1952年から1969年のノースカロライナ州のそんな場所を舞台に、わずか6歳の〈湿地の少女〉カイアが、偏見や差別、そして孤独と必死に折り合いを付けるサバイバルの中で、〈孤高のヒロイン〉へと成長する生き様を描いた、全米500万部のベストセラー小説です。

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「興亡の世界史」シリーズ(全21巻)を遂に読了~後編

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディ・ミカコ著 新潮社)は今とても売れている、と言うか売れ続けているノンフィクション作品ですが、とにかく本書の主役である中学生の息子くんが最高なのです。

アイデンティティの定まらない、東洋系で時には差別の対象にもなりかねないいたいけな中学生が、日本とは比較にならない多種多様な人種や階層、価値観のるつぼであるイギリス社会で、勿論本人なりには悩んでいるのだとは思うものの、我々大人が分別くさく難しい顔で理屈をこねながら、我が身やその言動を縛ると嘆いてみせるしがらみの数々を、 いとも簡単に、屈託無く、素知らぬ様子で軽やかに飛び越えて見せる姿に、 本当に胸のすく思いがする、そして我々が暗いと思い込んでいる世界の未来に希望を持たせてくれる本です。

自分の子供の頃を振り返ると、現代イギリスほどでは無いものの、当時の小中学校には確かに色々なバックグラウンドの子供たちが通っており、勿論そんな背景は気にせず日々の生活を送っていたわけですが、そういう違いに少年金次郎がただの無知だったのに対し、この息子くんはかなり分かっている、分かっているのにひょいと前に進んでいるところが本当にすごいと思います。

著者ミカコさんは金次郎と同じ福岡出身で年代も近いので、なんとなくギャップへの戸惑いというか驚きに共感するところ大ですが、 そのポジティブな驚きが成長する息子くんの姿への〈母ちゃん〉のなんとも言えない眼差しを通じて描かれている本作は、さすが売れているだけのことはある面白さでおすすめです。

そして、前回に引き続き、「興亡の世界史」シリーズ読破記念として、以下11~20巻の感想です。 (00~10巻の感想はこちらです→「興亡の世界史」シリーズ(全21巻)を遂に読了~前編

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コロナの時代にカミュの「ペスト」とデフォーの「ペストの記憶」を読む

毎日コロナ一色ですが、昔の人は疫病の蔓延にどう対処したのかなと思い、最近売れていると噂の1947年に出版された「ペスト」(アルベール・カミュ著 新潮社)と、1720年出版の「ペストの記憶」(ダニエル・デフォー著 研究社)を読んでみることにしました。

「ペスト」は、仏領アルジェリアのゴラン市を舞台に、 突然ふりかかったペストの災厄の凄まじさと、 その猛威に立ち向かう人々の姿を描いた実存主義小説ですが、 極度な楽観主義、現実を直視しない姿勢、形式主義のお役所が後手後手に回る様子など、 前半に記されている内容はまさに我々がここ数週間で経験した事象であり、 時代も病気も違うので物語中盤から後半にかけて描写される、為す術の無い感染の蔓延が実際に起こるとは思いたくないものの、 何とも不安にさせられます。

アルコール消毒と言いつつ酒を飲んだり、 誰彼構わず抱き着いて病気をうつそうとしたり、 自分だけは大丈夫だから感染しないと思い込んでいる人がいたり、 とこの辺の感じは現在とあまり変わらないですね。

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「石油の帝国」とグレタさんとアンチ・グレタさん

せっかく調べてまで覚えたのに(→こちら)、米民主党予備選からピート・ブッティジェッジ氏が撤退とニュースで見て、知性を感じる語り口がやや気になりかけていたところだったので、非常に残念な気分になりました。しかし、あまりにも弱かったですね。まだ38歳とお若いので今後に期待しましょう。

気を取り直して読み方の微妙な海外の方をもう一人。環境活動家として非常に注目を集めているグレタ・トゥンベリさんは有名ですが、 最近アンチグレタを標榜して急激に知名度を上げているオルタナ右翼ドイツ人女子がいるとの情報を聞き調べてみると、その名はNaomi Seibtさん(19)。

ファーストネームのナオミは問題無いとして、ファミリーネームはちょっと読みづらいですね。この方ドイツ人とのことでドイツ語的に正しく読むと〈ザイブト〉になるようで、ナオミ・ザイブトさんということになります。当面消えないことを願ってこちらを覚えることにしました。

このナオミ・ザイブトさんは自称climate realistだそうで、温室効果ガス排出による地球温暖化というロジックを〈馬鹿げた話〉と一刀両断し、再生エネ駆動ヨットで大西洋を東奔西走するグレタさんと完全に対立ポジションを取っています。気になったのでこれも調べてみて分かった、Naomiという名前のヘブライ語の意味であるpleasantnessとかsweetnessとかからイメージされる可愛らしさとは無縁の感じですね。

これまたいつものこじつけで恐縮ですが、漸く読了した「石油の帝国 エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー」(スティーブ・コール著 ダイヤモンド社)は エクソン・ヴァルディーズ号の石油流出事故に始まり、レイモンドCEOによるモービル買収(810億ドル)、後を引き継いだティラーソンCEOによるXTO買収(410億ドル)の顛末や、ナイジェリア、チャド、インドネシア、赤道ギニア等政情不安定地域での生産活動に伴う時には反政府勢力、あるいは反政府勢力より厄介な政府との交渉を含む様々な問題、 ロシアやベネズエラ、サウジアラビアといった巨大埋蔵量を抱える独裁国家 との苛烈な交渉から、 徐々に重要性を増してきた気候変動問題への対応まで、非常に多様なテーマについてのこれまで秘されて明るみに出なかった事実を惜しげもなくさらけ出す大変素晴らしいノンフィクション作品です。

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謎のタイトルが気になる「HHhH」(ローラン・ビネ著 東京創元社)

本日、広告大手D社でコロナ感染者が確認され本社は全員テレワークとの対応が発表されていましたが、 金次郎の会社も仮にテレワークとなった場合、 家で読書をせずに職務専念義務を全うできるか、なかなか悩ましい問題なのでそんな事態にならぬことを心から祈っております。

推薦図書紹介本にあった「HHhH プラハ・1942年」(ローラン・ビネ著 東京創元社) は観ての通り意味不明なタイトルがあまりにも不親切で、 読者に手に取ってもらおうという媚が全く無い潔さに先ずは面食らいます。

このタイトルは、Diy(do it yourself:自分でやる)やNimby(not in my back yard:我が家の裏では遠慮します)のような略語で、 HHhH(Himmlers Hirn heißt Heydrich:ヒムラーの頭脳はハイドリッヒと呼ばれる)という意味になるそうですが、GGDD(言語道断)、MKS(負ける気がしない)といったDAI語を聞いた時のあのイラっとする感じが少しだけ蘇りますw

さて本書はフランス文学かつナチスものという高いハードルだったので、最初からかなり守りに入って読み始めたのですが、極めて入念な調査に支えられた強固なストーリーの枠組み、時空を自由に行き来する表現の自在性、シャープな章立てによるテンポの良さ、ルポでもノンフィクションでも小説でもない新感覚の読み応え、に引き込まれ、それなりに長い本ですが一気に読了してしまいました。

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ダイヤモンドプリンセスは呪われているのか?

東京マラソン出走が叶わず悲嘆に暮れている方が、会社の先輩、部活の先輩、海外準エリートランナーの友人などなど周囲に結構おられ、コースも我が家の近くを通るということで、この事態をまずまず身近に感じております。

本件を確実にネガティブな方向に勧めたのが、いまや世界中で知らぬ者はいないほど有名になり、ローランドに言わせれば、ダイヤモンドプリンセスでの感染者数か、それ以外か、ぐらいのインパクトになってしまっている豪華クルーズ客船での感染爆発ですが、 あれは昔火災で燃えた呪われた船だ!と言っている同僚が数人いたため調べてみると、 確かに2002年のドック火災で大炎上したのはダイヤモンドプリンセス!

ただ、現在横浜沖に停泊しているダイヤモンドプリンセスは同火災事典ではサファイヤプリンセスとして建造されていたものを急遽代船として名前を変えてデリバリーされたもので、燃えてしまったダイヤモンドプリンセスと不幸にも感染者が多数出てしまったダイイヤモンドプリンセスは物理的には別の船ということでした。

しかし、船そのものは呪われてはいなかったものの、ダイヤモンドプリンセスという名前がとても縁起が悪いということは言えてしまうような気がします。

上に書いた海外準エリートランナーの友人はこのレースを一つの節目にするとの意気込みで、 本番に向けてかなりトレーニングを積んできており、なんとか納得行く結果を出させてあげたかったですし、夫婦で応援も頑張ろうと思っていたので非常に残念です。

あまり関係無いような気もしますが、彼が気を取り直して次のレースで快走してくれることを期待して、私が推めた本で彼が気に入ったものをを紹介します。

その本は「シークレット・レース」(タイラー・ハミルトン/ダニエル・コイル著 小学館)という自転車レースに関するノンフィクションで、 ツールドフランス7連覇のランス・アームストロングがドーピングに手を染めたとされる事件の内幕が暴露されています。

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シェエラザードとシンガポール

先週久々に大学のゼミの友人と会って食事をしたのですが、 学生時代の記憶はカラオケとボーリングと飲み会とテキスト丸写しのプレゼン、 足元の興味は80歳まで続く借金返済と税金対策とサラリーマンシップということで、 高尚な経済学とか国際金融とかの話題は一切出ず、 ゼミの先生には本当に申し訳ない不真面目さだったという認識を共有して肩を叩き合う、大充実のひとときでした。

そんな楽しい会話の中、銀行員の友人が、ちょっと体調の悪いマーライオンぐらいの勢いで唾を飛ばしながら浅田次郎先生を推奨していたので、とりあえず「シェエラザード」(講談社 上巻 / 下巻)を読んでみました。

太平洋戦争最終盤に連合軍捕虜向けの物資輸送を委託され、攻撃を受けない安導権を付与されていた、世界有数の美しさと航行性能を誇る徴用豪華客船の阿波丸が疑惑の〈誤爆〉により撃沈された実際の悲劇をモチーフに、月並みですが戦争によって〈普通の人びと〉の人生がなす術無く翻弄されてしまったことへの悲しみ、〈運命〉を引き受けて生きて行くことの重み、等が描かれる内容です。

命の危険に晒されながら、一縷の希望を繋ぐために物語を紡ぎ続けた千一夜物語の王妃シェヘラザードと、絶望的な戦況においても明日へ続くポジティブな希望を求め続けた当時の人々の思いが重なります。文中に出てくるので、リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」も聴いてみると更に雰囲気盛り上がりますね。

金次郎がかつて駐在していたシンガポールが重要な舞台となっていて、クラークキー、ブキティマ、そしてラッフルズホテル等の懐かしい風景が思い出され望郷の念をかきたてられました。

望郷心が高まったところで、これまで読んだものの中でシンガポールが登場する小説を思いつくまま紹介します。

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25年前の恥ずかしい書類を発見!+2019年6~7月振り返り

オフィス引っ越しを前に、会社の机の中を片付けていたところ、どういうわけか25年前の就活時に会社に提出した書類(今で言うエントリーシート)のコピーが発掘されました。 恐る恐る完全に忘れてしまっているその中身を見ると、予想通り非常にマズい内容のオンパレード。こんな内容でよく内定もらえたものだと当時の人事担当の方の度量に感謝でした。

ちなみに不適切ポイントとしては、①写真が斜めに貼ってある、②学生時代の活動で印象に残っている点を記載する欄に、やたら感傷的に部活の大会の打ち上げでやったビールかけの思い出が綴られている、③「まぁ、・・・」等の不適当な口語表現が散見される、といったかなり不真面目なもの(汗)。

「日焼けした肌にビールがしみる痛みの思い出は、何かを思い切りやり切って得られた達成感の原体験として、私のモチベーションの源泉となっています。」なんのこっちゃ!ご迷惑をお掛けした会社の先輩方、金次郎に偉そうにされた後輩の皆さん、本当にすみません。

さて、金次郎の恥ずかしい話はこの辺にして、最近読んだ怖い本の感想と昨年6~7月の振り返りを。

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田中角栄と戦後政治を学び直す

先週は後半に出張が入り、時間が取れなかったためブログの更新が滞ってしまったのですが、とにかく空港でも機内でも異様なマスク着用率で、一瞬のスキならぬセキも許されないような雰囲気の中、 どうにか無事に帰国いたしました。今のところ全くの健康体ですが、まだ潜伏期間が10日以上残っているのでしばらく気持ち悪い日々が続きます。ちなみに渡航地は中国ではありませんのでご安心ください。

さて、最近故田中角栄元首相の名前がふとした会話でよく出てきたり、 難問山積の政治状況で角栄的リーダーシップが待望される、といった論調を耳にしたりと、再評価とは言わないまでも、その人となりや政治信条に改めて光が当たっているように感じます。

ところが、小さい頃の記憶を遡ってみると、 一番古い政治に関する記憶は 現役であった大平首相(当時)の死であり、 自分は三角大福時代を全く経験していないことを今さらながら認識し、 政治オンチもそろそろ卒業したいと思っていたこともあり、とりあえず何冊か本を読んで勉強してみることにしました。とんだ深みにはまるとも知らず。。。

先ず読んでみたのが、「異形の将軍:田中角栄の生涯」(津本陽著 幻冬舎 上巻 / 下巻)です。 この本は伝記的な内容で、高等小学校卒という学歴とは全く関係無い明晰な頭脳、裸一貫から成りあがる金儲けのセンス、ずば抜けた行動力と政治的決断力、情にもろく人間関係で非情になれない性格など、人間田中角栄を知る上ではとても参考になり、導入としてはなかなか良いチョイスだったと思います。コンピューター付きブルドーザーという仇名、選挙での票読みの正確さ、娘真紀子の溺愛ぶりなどが印象に残りました。

ただ、この本を読んだだけでは戦後政治の全体像が今ひとつ掴めず、大作で読み通すのに時間がかかるとやや躊躇はしたものの意を決して「小説吉田学校」(戸川猪佐武著 角川文庫 全八部)を読むことにしました。

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2019年振り返り(2~3月)

読書の話をしていると、どうやって次に読む本を選んでいるか、と尋ねられることが結構多いです。これといって定まったやり方があるわけではなく、いつも少し返答に窮するのですが、強いて言うなら①その時興味を持っている分野について、キーワード検索してみてヒットした本を適当に読む、②面白かった本の最後に書いてある参考文献を読む、③推薦書まとめ本を読んで参考にする、④王様のブランチbookコーナーを見る、⑤いま売れている本を読む、⑥会社の同僚や友人との会話の中で短期間に複数回話題に上ったテーマについて何冊か集中して読む、という感じでしょうか。また、なんとなくでも傾向を把握するために、テーマや作家毎に複数冊まとめて読むことが多いです。

あとは、「ローマ人の物語」(塩野七生著 新潮社、全15巻)、「興亡の世界史」(講談社、全21巻)、「徳川家康」(山岡荘八著 講談社、全26巻)等のように長く楽しめる面白いシリーズものを狙って読んでみるのも効率的です。上記⑥とも関係しますが、最近田中角栄元総理について会話する機会が多く、ちょっと関連書籍を読んでいて、今はまっているのが「小説吉田学校」(戸川猪佐武著 学陽書房、全8巻)です。感想またどこかで書きますね。

さて、そんな感じで去年の2~3月に選んで読んだ本の中で印象に残っているものをいくつか紹介します。

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