金次郎、本の紹介を頼まれる+2019年4~5月ふりかえり

先日、嬉しいことに金次郎が散髪しているヘアサロンの美容師さんが別のお客さんに金次郎おすすめ本を紹介してくれたところ、その方がそれらの本を気に入ってくれたようで、新たな紹介の依頼があったそうなのです!ありがたいことに、金次郎を読書の師匠と呼んでくれているとのことで、 初めての弟子(会ったことないけどw)への本ソムリエ活動に気合が入りました。

ただ・・・、なんと!その一番弟子は未来への希望溢れる小学生の文学少女だそうで、既に人生引き算ステージに入っている中年の金次郎とは 読書の趣味がエリザベス女王とメーガンさんほどかけ離れていると懸念されることから、洗髪中に大いに悩んで、炭酸泉を浴びながら以下をチョイスしました。気に入ってくれるかどうかドキドキです。

【金次郎から文学少女Aへのおすすめ作品5選】

「線は、僕を描く」(砥上裕将著 講談社)

説明不要のいま売れている作品です。プロットも分かり易く、世代関係無く楽しめると思い選択。頼りない男子が好きならはまるかも?

「羊と鋼の森」(宮下奈都著 文芸春秋)

全体的に抑制されたトーンの中、心に触れるセリフが散りばめられた作品。自分を信じ受け入れて、ひたむきに進むことの素晴らしさを感じてもらえると嬉しい。

◆「サラバ!」(西加奈子著 小学館 上巻・下巻

空気を読むことは否定しないし、私も結構読んでおりますが(読めてない?)、イバラの道であっても信じる所を貫く美学を感じて欲しい作品。このコメント書きながら自分に刺さって痛い。

「君と会えたから・・・」(喜多川泰著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)

号泣必至の王道ストーリーですが、喜多川先生の作品は前向きに生きて行く上で必要となる大切なことを教えてくれるので選びました。

◆「風の影」(カルロス=ルイス・サフォン著 集英社 上巻・下巻

師匠の矜持を示すべく、少し毛色の違う作品も知っているよとやや強引に混ぜ込んだ挑戦の選択。スペインの雰囲気と作品の大きなスケールを感じて欲しいと願います。

さて、なかなか選びきれない振り返り。4~5月は「京都寺町三条のホームズ」(望月麻衣著 双葉社)にはまって読みふけっていましたが、これは敢えて選ばず以下としました。

「聖餐城」(皆川博子著 光文社)

この本は1618~1648年の三十年戦争の時代をドイツ人傭兵とユダヤ人商人の視点を軸に描いた長編歴史小説です。カトリック、プロテスタント両派に分かれて争った宗教戦争の苛烈さ、神聖ローマ皇帝と選帝侯たちの政治的駆け引き、戦争につきものの略奪の惨状、ユダヤ金脈の力とその拡大、実利を重視するフランスの狡猾さ、などテーマが多岐にわたり読み応え充分です。

あまり認識していなかったので、グスタフ・アドルフ に率いられたスウェーデンが当時の欧州ではかなりの強国だったというのは勉強になりました。この本面白かったのに著者を知らないなと思い調べてみたところ、 幻想ミステリーとして有名な「聖女の島」(講談社文庫)を書いた方でした。既読だったので非常に不覚です。

「満願」(米澤穂信著 新潮社)

普通のミステリーだと、犯人とか先の展開をある程度予測しながら読む余裕が有るのですが、ここに収められた6作品はいずれも読んでいる場面の切迫感や引力がとにかく強くて、結果ラストで不意打ちを食らう展開となり、インパクトの強い驚きを堪能できる内容になっています。

特に「関守」の静かで確実な怖さ、井桁商事という商社が主役の「万灯」の大胆なストーリー展開、は好きですね。非常におすすめです。ついでに「儚い羊たちの祝宴」(新潮社)も読んでみましたが、’バベルの塔’をモチーフに現実っぽくてまがまがしい空想世界でのどんでん返しにこだわった短編集でこちらもまずまず楽しめます。

書き溜めたメモが有るとはいえ、この勢いで本の紹介を続けるとブログがネタ切れするのではないかと少々心配です。記事を書くのに時間が取られて本が読めない、本を読めないと記事が書けない、の悪循環を断ち切るべく今クールから録画して観るTVドラマの数を泣く泣く減らしました。弟子に追い抜かれぬよう頑張ります!

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

「金次郎、本の紹介を頼まれる+2019年4~5月ふりかえり」への2件のフィードバック

  1. 金次郎さん、はじめまして。文学少女Aの母です。このたびはぶしつけなお願いにもかかわらず、ご紹介くださりありがとうございました。美容師さんからこのブログも紹介いただきまして、先日ママ友と読書の話になりブログを拝見して、びっくりした次第です。
    Aには双子の相方Bがおりますが、読書の仕方はまったく異なっています。Aは勢いで読み進め、一度でわからないと二度三度と読み返すタイプ、Bはじっくり時間をかけるタイプ。
    ご紹介いただいた本のうち、「線は、僕を描く」と「羊と鋼の森」は図書館予約をじっと待っています。いつになるのやら…
    Aは「そして、バトンは渡された」が一位、「風の影」は読みきったものの難しかった、と。
    Bは「風の影」は中断、「サラバ!」が一番面白かったと言っています。
    文学少女たちは春から中学生、学校は毎朝10分ほど読書タイムがあるそうで、今から何を持っていこうかと楽しみにしています。
    では、おてすきのときにまたなにか薦めていただけると幸いです。

    1. 恵子さん、コメントありがとうございます。
      「サラバ!」とか結構長いのにもう数冊読破されたとはすごいですね。小学生女子vsおじさんということで上手く紹介できるか不安でしたが、ちょっとでも面白いと思ってもらえたなら、嬉しい&ひと安心です^^
      双子で読み方も本の好みも違うというのは興味深いですが、「羊と~」にはちょうど双子の女の子が登場しますのでそのあたりもお楽しみに。
      中学生女子の好みは益々未知の世界となりますが、頑張って考えて、また美容師さんにおすすめをお伝えしておきますね!
      A&Bちゃんによろしくお伝えください。

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