金次郎、中途覚醒症状に苦しみつつ読書は継続

これまでもちょこちょこ書いておりますが、5月に入ったぐらいから不眠というか中途覚醒というか、まともに夜寝て朝起きる、というリズムが乱れ、2~3時間眠ってはパッチリと眼が冴えるというやや辛い状態になる日が時々発生していました。

日光に当たっていないせい?、運動不足?、知らぬ間のストレス?、などと原因に思いを巡らせて、散歩をしたり、暑いのを我慢してカーテンを開け放ったり、呼吸法を試したり、眼が冴えても頑張って布団の中で羊ではつまらないので、学生時代の部活を思い出して、走り幅跳び1本、走り幅跳び2本‥と100本ぐらいまで数えてみたりと試行錯誤してみたものの、結局徒労に終わりました。走り幅跳びカウントはなんだかとても疲れた上に眠れないので最悪でした(苦笑)。

そうこうしているうちに、5月も終盤となり、この症状がもう1か月も続いており、このまま悪化したらどうなってしまうのだろう‥とやや不安になりましたが、なんとなく最近長めに眠れるようになってきた感じなので原因は結局不明ですが一安心です。ご心配をお掛けしました。ちょうど異動の時期と重なっているので、まさか緊張?、とも思いましたが、さすがにそれはないかな。でも、自分のことはよく分からないというのがたくさんの小説で語られている事実なので、そういう自分もいるのかも、と思ってストレスをいつの間にか溜め込んでいるような事態にならぬよう気を付けます。

さて、そんな不規則な生活の中、朝の2~4時ぐらいに読書をすることが多かったのですが(苦笑)、中途覚醒と戦いながら読んだ本をいくつか紹介します。

「コンビニチェーン進化史」(梅澤聡著 イースト・プレス)は、我々の暮らしに欠かすことのできない存在となった、ビッグ3に代表されるコンビニエンスストアの起こりから現在に至る産業史をコンパクトにまとめて解説している内容で、コンビニの歴史と金次郎の人生がほぼ重なることもあり、非常に興味深く読めた一冊でした。

“金次郎、中途覚醒症状に苦しみつつ読書は継続” の続きを読む

「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング著)は「ハエ男の恐怖」とは違った!、そして「危機と人類」(ジャレド・ダイアモンド著)を読了

緊急事態宣言がどんどん解除される方向となり、残るは東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県そして北海道となりました。どうでもいいですが、この地名の並びで考えると、東京や神奈川に対応するのは北海道でなく北海になるべきと思いますが、そうなっていない理由は元々「北海道」で一つの地名だからなんだそうです。ネットで調べると色々書かれていますが、どうせなら北海道県にしてもらった方が統一感有って良かったのにな、と思いました。

さて本題。こちらも色々な本で引用されることの多い作品で、かねてから読もうと思っていた「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング著 集英社)をコロナ不眠症で夜中にどうにも眼が冴えて眠れないので、その機会を捉えて読んでみました。

ストーリーのイメージは映画の「The fly」だったので、全く結び付かない珊瑚礁の無人島から始まる穏やかな物語にやや当惑気味でしたが、読み進めて行くうちに、こんな夜中に何というディープな作品に取り掛かってしまったのかと後悔するはめになりました。

同じ無人島サバイバルをモチーフとしていても、小学生の頃に読んだ「十五少年漂流記」(ジューヌ・ヴェルヌ著)のような少年漫画的なプロットのハピエン話では全くなく、恐ろしいことに誰もが心の内に飼っている〈内なる悪〉を残酷に描き出す内容で、コロナストレスで世界の皆さんが正気を失ってしまわぬことを願わずにはいられなくなりました。

“「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング著)は「ハエ男の恐怖」とは違った!、そして「危機と人類」(ジャレド・ダイアモンド著)を読了” の続きを読む

海外文学について外国人と語るのは難しい

外国人と読書の話をしていてとても困ることは、「どんな本読んだの?」と聞かれて、海外有名文学作品のタイトルが直ぐに英語で浮かばないことです。映画のタイトルもそうですが、結構意訳されていることが多く、直訳して伝わらないと、内容を英語で説明するはめになり、これにはかなり手こずらされます。

前回のブログで書いた(→引きこもりのGWに「風と共に去りぬ」を読了)「風と共に去りぬ」は「Gone with the wind」なので比較的知らなくても行けそうですが、間違って「Left with wind」みたいになるとなんとなく〈風の左翼〉みたいになって意味不明となってしまうリスク有ります。

ちょうど読了して近日中に感想を上げる予定の「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスレー著 講談社)はSFの超名作なのですが、「Wonderful new world」ではなく「Brave new world」ですし、チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」も「Great inheritance」ではなく「Great expectations」で、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」に至ってはもはや訳もできませんが「Wuthering heights」が正式タイトルです(苦笑)。

原題はロシア語ですがドストエフスキーの後期五大長編のうち「Crime and punishment」は分かりますが、「白痴」は「The idiot」、「悪霊」は「Demons」と微妙に会話中には直訳で正解に辿り着けなさそうなタイトルが続きます。

“海外文学について外国人と語るのは難しい” の続きを読む

引きこもりのGWに「風と共に去りぬ」を読了

唐突ですみません。先日大阪府が提示した休業要請解除の基準の中に「陽性率7%以下」が一週間継続、というのを見たのですが、この数字は何かの役に立つものなのかとちょっと疑問に思いました。

この数字が意味する、かかりつけ医などの診察の結果検査が必要と判断された人や、明らかに濃厚接触していて感染が疑われた人のうち、どのくらいの割合の陽性者がいたか、というのは、つまりは「コロったかも?(by自分)」、「あなたコロってるかもしれませんよ。(byかかりつけ医)」の見立てがたまたま正しかった割合を表しているだけで、この数字が下がるというのは1.単純にPCR検査基準を緩めた(=上記見立てをもっと適当にした)、2.コロナに似た症状のかぜ患者が増えた、ことが示されているに過ぎず、コロナウイルス感染の広がり具合とか深刻さとかを代表している数字とは思えません。

「陽性率」を指標とするなら、無差別抽出した人にPCR検査をして、そのうちどの程度がウイルス保持者か、の比率を追いかける方が実際的と思うのですが如何でしょうか?

さて、水曜日でGWの5連休は終わってしまったのですが、この「妻と共に籠りぬ」だったお休みはひたすら「風と共に去りぬ(Gone with the wind)」(マーガレット・ミッチェル著 新潮社 全5巻)を読みふけっておりました。ダジャレですみません(苦笑)。

アカデミー賞受賞作の映画も見たことがなく、合計2000ページ超という大長編であることにも尻込み気味だったのですが、とにかくこれまで読んだ多くの本の中にヒロインであるスカーレット・オハラの人となりや物語の内容がたびたび登場するので、この本を経験しておかないと今後の読書が深まらないという問題意識の下、今回覚悟を決めて挑戦してみたところ、このところ興味を持っていたアメリカ史の最重要イベントの一つに数えられる南北戦争時代の社会がしっかりと描かれており、スカーレットの過激な性格には面食らいましたが、文学作品としては勿論のこと、歴史小説としても想像以上に興味を惹かれる内容で時間的には結構かかったものの気分的にはあっという間に読了した感覚です。

“引きこもりのGWに「風と共に去りぬ」を読了” の続きを読む