読書家金次郎、文豪にあやかる初夏の伊豆行(後編)

今回で伊豆旅行記は完結です。前回は川辺の〈寝湯〉を満喫したところまで書きました。その後あっという間に眠くなり楽しかった旅の初日が安らかに終了し、気付けば翌朝爽やかな日の光を浴びて心地よい目覚めを体験しておりました。妻と共に畳敷の居間から早朝の森の景色を眺めながら気づいたのですが、ベッドの置いてある空間が2段ほど下げてある効果でベッドの圧迫感が全く気にならず、視界を遮る物が室内に無いので景色を存分に楽しめる構造になっていてよく考えられているなと改めて感心いたしました。

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海外文学について外国人と語るのは難しい

外国人と読書の話をしていてとても困ることは、「どんな本読んだの?」と聞かれて、海外有名文学作品のタイトルが直ぐに英語で浮かばないことです。映画のタイトルもそうですが、結構意訳されていることが多く、直訳して伝わらないと、内容を英語で説明するはめになり、これにはかなり手こずらされます。

前回のブログで書いた(→引きこもりのGWに「風と共に去りぬ」を読了)「風と共に去りぬ」は「Gone with the wind」なので比較的知らなくても行けそうですが、間違って「Left with wind」みたいになるとなんとなく〈風の左翼〉みたいになって意味不明となってしまうリスク有ります。

ちょうど読了して近日中に感想を上げる予定の「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスレー著 講談社)はSFの超名作なのですが、「Wonderful new world」ではなく「Brave new world」ですし、チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」も「Great inheritance」ではなく「Great expectations」で、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」に至ってはもはや訳もできませんが「Wuthering heights」が正式タイトルです(苦笑)。

原題はロシア語ですがドストエフスキーの後期五大長編のうち「Crime and punishment」は分かりますが、「白痴」は「The idiot」、「悪霊」は「Demons」と微妙に会話中には直訳で正解に辿り着けなさそうなタイトルが続きます。

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