遂に「ライオンのおやつ」(小川糸著 ポプラ社)を読みました!

加齢のせいなのである程度は仕方が無いものの、 やはり、覚えられない、思い出せない、もどかしい思いをすることが最近増えていてちょっと残念な気分になります。

この2週間ぐらいの間にも、 三越のパン屋さん→ジョアン、 大好きなチョコレート→サティーとステットラー、 アニメ「七つの大罪」の人形のキャラ→ゴーセル、 など思い出せずに妻に聞いてしまうケース多数で老いを感じます。

あと、このところニュースでよく目にする単語でどうしても覚えられないのが、ブデチゲ?ブスジャッジ?ブチシャジ?、そう、米大統領選挙の民主党予備選に立候補しているあの秀才の名前は、濁点と小さい文字が多すぎて本当に覚えられません。 すぐに消えてしまうかもしれないよその国の候補者の名前を覚えるより、使える英単語とかフレームワークの一つでも覚えた方がいいかな、と思いつつどうしても気になって調べてしまいました。

彼のフルネームは、Peter Buttigieg、マルタからの移民の血筋ということですがどうしたらそういう字の並びになるのかという分かりづらさ。ローマ字的に読むとブッティジェジだと思うのですが、新聞などではブティジェッジと記載されていますね。まだスペルを調べていない人に差をつけるべく、明日から最初のッを意識してブッティジェジとイケてる発音したいと思います。

今週末は、楽しみにしていた新井賞作品の「ライオンのおやつ」(小川糸著 ポプラ社)をついに読みました。

舞台は瀬戸内の小島のホスピス、主人公は余命いくばくも無い若い女性、と最初から悲しくなってしまうことが決まっているお話で、 どちらかと言うとハッピーエンド好きの金次郎には苦手っぽい内容だったので、 心の準備をしながら恐る恐る読み進めることに。

ところが、最期を迎える患者さんの気持ちが少しずつほどけて、 百獣の王ライオンのような、不安も恐れも無い境地で運命を受け入れて行く様子を、小川先生得意の美味しい料理とおやつの描写を交えて紡ぐ物語の中で、 割と自然に〈魂〉の形態の変化としての〈死〉というコンセプト を受け入れられて思ったほどのダメージ受けず、寧ろ清々しい読後感でした。

デビュー作「食堂かたつむり」(ポプラ社)のテーマである 過去を振り返らず未来を生きる、大地のエネルギーや生命のつながりとしての食事、というメッセージは不変でしたが、この路線の作品としては、まだデビュー作最強説を覆すには至っていないか、という印象です。

「ツバキ文具店」(幻冬舎)も読みましたが、ここにも捻じれた親子関係が前2作同様描かれていて著者のコンプレックス的なものを感じます。 でも、美しい文章と、筆記具・インク・切手・便箋・封蝋と細部まで心のこもった気遣いで 綴られる手紙がたくさん読めて、心の通う喜びとその大切さを感じられる作品で好きでした。

本作はNHKでもドラマ化されているようなのですが、とにかくこのキャラのジャンルでは唯一無二の多部未華子のキャストがイメージ通りでアーカイブ見ようと思いました。

エッセイを読むと新井賞を選んでいる本屋の新井さんでも、読んだ本の細かな内容は忘れてしまうそうなので、 凡人の金次郎が 面白くて感動した読書体験でもやっぱり忘れてしまう残念さは受け入れて、 このブログにきちんと感想を書くことで後で思い出して味わえるようにしなければ、と改めて思いました。

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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