ダイヤモンドプリンセスは呪われているのか?

東京マラソン出走が叶わず悲嘆に暮れている方が、会社の先輩、部活の先輩、海外準エリートランナーの友人などなど周囲に結構おられ、コースも我が家の近くを通るということで、この事態をまずまず身近に感じております。

本件を確実にネガティブな方向に勧めたのが、いまや世界中で知らぬ者はいないほど有名になり、ローランドに言わせれば、ダイヤモンドプリンセスでの感染者数か、それ以外か、ぐらいのインパクトになってしまっている豪華クルーズ客船での感染爆発ですが、 あれは昔火災で燃えた呪われた船だ!と言っている同僚が数人いたため調べてみると、 確かに2002年のドック火災で大炎上したのはダイヤモンドプリンセス!

ただ、現在横浜沖に停泊しているダイヤモンドプリンセスは同火災事典ではサファイヤプリンセスとして建造されていたものを急遽代船として名前を変えてデリバリーされたもので、燃えてしまったダイヤモンドプリンセスと不幸にも感染者が多数出てしまったダイイヤモンドプリンセスは物理的には別の船ということでした。

しかし、船そのものは呪われてはいなかったものの、ダイヤモンドプリンセスという名前がとても縁起が悪いということは言えてしまうような気がします。

上に書いた海外準エリートランナーの友人はこのレースを一つの節目にするとの意気込みで、 本番に向けてかなりトレーニングを積んできており、なんとか納得行く結果を出させてあげたかったですし、夫婦で応援も頑張ろうと思っていたので非常に残念です。

あまり関係無いような気もしますが、彼が気を取り直して次のレースで快走してくれることを期待して、私が推めた本で彼が気に入ったものをを紹介します。

その本は「シークレット・レース」(タイラー・ハミルトン/ダニエル・コイル著 小学館)という自転車レースに関するノンフィクションで、 ツールドフランス7連覇のランス・アームストロングがドーピングに手を染めたとされる事件の内幕が暴露されています。

ルール違反だけどやらなければ勝てない、皆やっているから自分もやる、とコンプライアンス問題のエッセンスが詰まっており、 オーソリティ含めて業界のど真ん中が腐敗しているという構図はバーナード・マドフの自転車操業事件とも似ています。

そんな汚れてしまったスポーツの世界で苦悩し選択を迫られる選手の葛藤がリアルに描写されていて、暴露本とは分類したくない良書でおすすめです。 ちなみに海外準エリートランナーは「あの赤い玉が欲しい」といつも言っていますがw、勿論彼はドーピング無しでマラソンを走る真面目ランナーです。念のため。

さて、ちょっと薬っぽい話になりましたので、 先日読んだ「真面目にマリファナの話をしよう」(佐久間裕美子著 文藝春秋)についての感想です。

ドラマ〈相棒〉のたまきさん役でお馴染みの高木沙耶さんの事件で日本でも話題になった大麻ですが(あの事件は主に医療用大麻)、米国では現在合法化がすごい勢いで進んでおり、 連邦政府はまだ容認していませんが州政府レベルでは、 医療用は30州以上、嗜好品としても10州以上で〈合法〉となり 、どんどん酒・タバコ扱いになっているとのことで驚きます。

医療用としてHIV、ガン、緑内障、多発性硬化症等への効果、ゲートウェイドラッグとしての危険性、ヘロインやLSD等危険性の高いドラッグと同じスケジュール1分類の妥当性、合法薬であるにも関わらず高い中毒性で社会問題になっているオピオイドとの比較、 等多くの論点が解説されていて興味深いですが、大統領選挙で必ず争点になる政治性や人種差別の象徴的なドラッグである点も気になりました。マリファナはそもそもメキシコ系の移民に対する差別的な意味合いを含む言葉で、正しくはカンナビスと呼ぶべきだそうです。

しかし、合法化の機会を捉えて、すぐにグローワー(栽培)、ストーナー(加工)、ディスペンサリー(販売)、照明器具や土壌、肥料といった周辺産業と分業して効率化を図り、市場での競争を通じてどんどん産業規模が拡大して行く様子に米国経済の逞しさも感じます。

マリファナ栽培学校すら開校しているとのことですごいですね。 連邦政府が容認していないので、決済システムを使うことができず全ての取引が現金で行われていて、その金額が莫大である、というのはなかなか面白いです。

とにかく、抗HIV薬でも、マラリアの薬でも、中国政府は使わないでと言っている漢方薬でも、インドのアーユルヴェーダでも、何でもいいので早く特効薬を開発して頂いて、出張も面談もセミナーも会食も心置きなくできるようにして欲しいです。勤続25年満了の旅行を4月とかに予定していなくて本当に良かった。

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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