金次郎、友人の突然の訃報に呆然と立ちすくむ

今週は会社の同期の突然の訃報に接し、オフィス全体が声を失い呆然としている感じで日々を過ごしております。朝のウォーキング中の心不全という説明を聞いても全く頭に入ってこず、明るく懐が深くて心優しい、金次郎などより圧倒的にいい奴の彼がこんなに早く天に召されるという理不尽な現実を受け止めきれず、冷静な思考をするのがなかなか難しい状況です。数か月前に一緒に焼き鳥を食べ、「この店おいしいからまた来たい」と言っていた彼とはつい先日仕事の打ち合わせをしたばかりだったのに。。。どんなしょうもない発言も、関西人ならではの鋭い突っ込みを入れ拾ってくれた細やかな配慮や、いつも逃げずに弱いものを守ろうとする男気、誰に対しても全く偉ぶらないフェアで謙虚な姿勢など美点を挙げればきりが無く、自然な成り行きとして彼は本当にたくさんの人から愛されていました。ややこしい金次郎のこともちゃんと気にしてくれていて、いつも面倒をよく見てくれましたね。本当にありがとう、そして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。気恥ずかしくてそういう彼のいい所を生前に直接言葉にして伝えられなかったことが今更ではありますが大変に心残りです。遅きに失した感は有りますが、少しでも彼の魂に届くよう、彼を知る仲間とそのような思い出を語って過ごす時間を作っていきたいと思います。

やや雑感パートが短めですが、今週はテンション上がらずで失礼いたします。さて、本の紹介に参ります。読書家を名乗るものとしてお恥ずかしい限りなのですが、あのベストセラーである「沈まぬ太陽」(山崎豊子著 新潮社 アフリカ編御巣鷹山編会長室編)を読んでいなかった不覚に日航機墜落から37年というニュースを見ている際にふと気づき、慌てて一気に読了いたしました。日本航空をモデルにした国民航空から、会社に盾突く危険人物かつ共産党員というレッテルを貼られてしまう主人公の恩地元は、共に戦った組合の同志との信義を貫き会社の要求を拒絶し続けた結果、パキスタンのカラチ、イランのテヘラン、ケニアのナイロビと執拗に西へ西へと左遷され続けます。現代の感覚では、バングラデシュ、イラク、モザンビークといった経済発展度合いの国々を10年以上転々とするようなイメージになるかと思いますが、当時の日本との往復のフライトの不便さなどを考え合わせるともっと過酷だったかもしれません。

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金次郎、「プレバト!!」の俳句コーナーを絶賛する

テレビでニュースやアニメ、ドラマはそこそこ観る金次郎家ですが、最近めっきりバラエティ番組は観なくなってしまいました。読書やブログに割く時間が増えたこともありますが、とにかくクイズとカラオケ関連の似たような番組の多さに辟易してしまったというのが正直なところです。そんな中、録画してでも夫婦で欠かさず楽しみに観ているのが、以前このブログでも少しだけ書いた木曜夜7時TBSの「プレバト!!」内の俳句コーナーです。芸能人や有名人が番組独自の称号である永世名人を目指して昇級審査の結果に一喜一憂したり、季節毎に行われるタイトル戦で勝利すべく全身全霊で句作に臨む様子には、ネタ番組やトーク番組での視聴者にどう映るかという印象を意識しての演出的な振る舞いとは違い、純粋な俳句へのパッションを感じさせるところに結構心を打たれます。また、そういう著名人の意外な真摯さもさることながら、それを時にはバサバサと切り捨てる夏井いつき先生の明快かつ辛口な解説・添削の妙が本当に素晴らしい。30歳まで愛媛県で中学校の国語の先生をされていたという夏井先生ですが、一つ一つの助詞に至るまでの繊細かつ徹底した言葉選び、詠み手が描きたい情動を過不足なく表現しつつ読み手の多様なイマジネーションを喚起するという難題への飽くなき挑戦、俳句の詩的側面を捉えた韻律の美しさへの配慮など、十七音の可能性を見せつけられる伝道者ぶりに毎度圧倒されっ放しです。金次郎も仕事で同僚の文章に加筆、修正することが有りますが、偉そうに直している自分の未熟さに恥ずかしくなってしまい業務に支障をきたしそうです(涙)。まぁ業務上の文章で表現に拘り過ぎるとすぐに〈文豪〉とか〈格調高い表現〉とか言われてちょっとけなされ気味になるので会社では程々がよろしいのかもしれません。しかし、十七音+季語という制約条件が求める極限まで研ぎ澄まされた日本語表現の可能性への挑戦は、俳句という芸術の宿命であり、これを、〈有季定型〉、〈季語を主役に〉という基本に忠実に追及している夏井先生の俳句哲学が俳壇で左右両翼のどの辺に位置するものなのか、最近の動向と合わせ俳句王である宿敵Mに聞いてみたいと思います。そう言えばMはもうすぐ帰国されますね。

ちなみに、同コーナーは略略10年続いておりますが、永世名人は梅沢富美男(通称おっちゃん)、東国原英夫、フルポン・村上の僅か3名しかいらっしゃいません。おっちゃんの自意識過剰とキレぶり、東さんの創造への挑戦、村上さんの普通に喋るだけでウザくなれる才能には夫婦でいつも喝采を送っております。それに続く名人有段者はFUJIWARA・藤本、千原ジュニア、キスマイ・横尾(名人十段)、キスマイ・千賀(同八段)、中田喜子、立川志らく(同六段)、皆藤愛子(同三段)、ミッツ・マングローブ(同二段)、三遊亭円楽、岩永徹也、森口瑤子(同初段)と出演665名中永世名人と合わせたったの14名と狭き門ぶりがうかがえます。金次郎は千原ジュニアの作品が好きですが、同時に彼の才能に嫉妬してしまうので複雑です。そして、本業がそこそこしっかりされている他の有段者と比べ、その実力から俳句へのかなりの注力がうかがえる一方、王道アイドルというわけでも高MC力を見せつけるわけでもないキスマイの二人がこれからどうなっていくのか、心の片隅でいつも少し心配しつつ応援しております(笑)。

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金次郎、意外とドラマチックだった故郷の町に思いを馳せる

金次郎の生まれ育った町は福岡市内の何の変哲もない住宅地でしたが、振り返ってみると、そんな小さな町にも様々なスキャンダルというか事件というか、真偽の定かでない噂話は尽きなかったのかなと思ったりもします。当然といえば当然ですが、子供の頃はそういうことに全く興味が無く、街を飛び交う玉石混交(というか殆ど石)の情報へのアンテナが低すぎて、心に引っかかることもたいして有りませんでしたが、今にして思うと結構ヤバいことがたくさん起こっていたような気がします。先ずその中でも最たるものが、お隣に住んでいた方が刑務所から出てこられたばかりという噂というか事実です。勿論罪を償われているわけですからそれ自体はどうと言うことはないのですが、子供時代とはいえ高校生まではそこに住んでいたわけで、あまりにも無関心過ぎて、生来の軽はずみな性格のために知らぬ間に地雷を踏んでいたことが有ったのではないかと今更ながら反省しました。また、近所に住んでいてたまにその辺の空き地で遊んでもらったり、町内ソフトボールの監督をしてもらっていたおじさんが、家出少女を家に連れ込んで住まわせた挙句に子供をこしらえてしまっていたり、同級生の家に暴漢が侵入したり、かつて警察官だったものの盗みをはたらいてクビになったという噂で後ろ指を指されているおじさんがいたり、時々野球のボールを打ち込んでいたお屋敷が極道の方の住まいだったり、と書きながら思い出して意外にもドラマチックな刺激に溢れた町だったんだなと故郷を再発見した思いです。

母親が色々言っていたのを聞き流していましたが、小学校時代に同じ学年の別クラスの担任をされていた、いつも校内を裸足で歩き回っていたようなワイルドなイメージの先生が、同じく同学年別クラスの担任だった女性の先生にふられて深刻に心を病まれたというような悲しい噂を耳にした覚えも有ります。当時は野性的な見た目の記憶と聞かされた情報のギャップが埋められず思考停止してしまっていましたが、今なら彼のあの振る舞いはもしかしたら内面の繊細さを乗り越えるための演出だったのだろうか、優しそうという印象しか残っていないあの女性の先生は一体どういう人物だったのだろうか、などと想像を巡らせられるぐらいには歳を重ねてしまっていて、いたたまれない気分になりました。

母が町内会的な活動に熱心だったから意外と情報量が多いだけなのかもしれませんが、ちょっと思い出すだけでも限られた範囲の狭い町内で、しかも子供の金次郎の耳に入ったものだけで、こんなに多くの噂が有ったという事実に驚愕しますし、そんな噂話情報の伝播力の恐ろしさにも旋律いたします。中学生時分にはちょっと悪ぶっていた金次郎もどんな陰口をきかれていたかと思うと更に怖さ倍増です(苦笑)。また、母が亡くなってしまっていて確かめられませんが、生前に母がそんな町内会の謎の勢力・派閥争いに巻き込まれていたという未確認情報も有り、意外と金次郎の故郷は人間の感情の本質に迫るエピソードが集積するお土地柄なのかもしれず、コロナが落ち着き帰省した際には、このブログ、あるいは退職後に気が向いたら執筆するかもしれない小説のネタとして、そういう話が風化してしまわぬうちに柳田國男先生ばりにフィールドワークをしなければと決意いたしました。

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金次郎、はじめましての高校同級生と銀座でおでんを食べる

先日、高校時代の友人M君と、そのM君の知り合いで、金次郎が高校時代に一度も話したことの無かった同じく高校同学年のKさんと3人で飲むというなかなか珍しい会が有りました。高校は一応共学だったのですが、金次郎は3年間男子クラスという運命のいたずらにより、今回はじめましてと挨拶を交わしたKさんは勿論、在学中ほぼ女子と会話をしない青春時代を送るという悲しい高校生活でございました。その悲しみ故か当時の記憶がかなり薄く、M君からは成績のことにしか興味が無かった薄情者とのレッテルを貼られ未だにイジられておりますが(苦笑)、当日はそんな記憶の空白を埋めるべく同級生や先生たちの様々な情報を教えていただき、自分が如何にマイナーな存在であったかを再認識して悲しくなりつつも、大変有意義な会となりました。中でも、英語のK先生がそんなにモテモテだったとは大変意外で驚きましたし、最近ご結婚されたお相手が金次郎の印象にも残っている同級生の女子と聞かされ二度びっくりいたしました。

銀座の雑居ビルの地下に有る謎のおでん屋ゆうゆうじてきというお店のカウンターで日本酒をちびちび飲みながらお互いの近況などを取り留めなく話していたのですが、金次郎同様M君もやっているオンライン英会話レッスンについて話していたところ、同じくカウンターで近くに座っていた常連っぽいお客さんが自分も英語が上手くなりたい、とかなりの勢いで会話に参加してこられました。なんとその方は10年以上外資系の半導体関連の会社にお勤めのようなのですが、その間ずっと英語での社内会議の内容が殆ど分からない状態を継続しているという鋼メンタルの持ち主で、いったいどうやって乗り切っているのかと尋ねたところ、タイミングを見計らってアイシー、アンダストゥッドを適当に繰り出してお茶を濁してやり過ごしているそうで、中途半端に勉強している我々からすると寧ろリスペクトしたくなるような強者ぶりに驚愕しました。それで10数年やってこられたのなら今更勉強せずとももう大丈夫なのでは?と聞いたところ、いや最近さすがに厳しくなってきてストレスだ、とのことで、その辺の微妙な線引きの基準が全く理解できなかったものの、金次郎のやっているDMM英会話はとてもフレキシブルだしレッスンマテリアルも充実しているのでいいですよ、とお薦めしておきました。そんなマテリアルの中にちょっと面白いものが有ったので紹介します。ネットでよく使うwwwを英語のスラングではLOL(laugh out loud)と表現する話は以前このブログでも書きましたが、他の言語バージョンも最近解説されていました。フランス語ではMDRとなるようで、これは笑い死にしたという意味のmort de rireの省略形、ポルトガル語では、笑う・笑い声を意味するrisosの略でRSを使うようです。ペルシャ語圏のイランでは、私は笑っている、という意味のman khandeh mikonam」の省略のMKM、スウェーデン語では激しく笑うを意味するasgarvの省略形であるASGを使うとのこと。また、笑い声を表すhahahaはスペイン語ではじぇじぇじぇ風のjajajaとなり、なんとタイ語ではその発音から555と書くとのことで、当然ですがwww以外のどれを見ても全く面白い気がしないのに外国人はそれらの省略形を見てニヤっとするのかと想像するとちょっと笑えるなと思いました。

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金次郎、「幸村を討て」で真田家ものに初挑戦

6月に入り出社する回数が増え、会食の機会もそれなりに増えてきました。同僚は海外出張をどんどん再開していますし、逆に海外から日本に出張に来られる方も急激に増えているように思います。そんな中、最近何だか分からないが苦しくて仕方が無いというような、原因不明のストレスを感じどうしたものかと思っておりましたが、ある時ふとその理由に気づきました。このブログを書き始めたのが2019年の12月で、最初の頃は書き溜めていたネタや読書感想を活用してちょっと短めの投稿をしていたのですが、次第に感想のストックが尽きる一方で、誌面を埋めようと書き始めた読書と関係の無い思い出や過去の面白体験、折に触れての雑感などを適当に並べたよもやま話のボリュームがどんどん増えるという迷走が始まりました(苦笑)。ところが、色々と感想を聞いてみると、なんとそのよもやま部分しか読まないという謎の読者が結構多いことが判明し、それら読者への忖度から意外と書くのに時間を要するよもやま部分を捻りだすのに四苦八苦するという本末転倒の状態に陥り迷走の度を強めておりました。それなりの読書もしながらこのブログの定期的な発信が続けてこられたのは、ひとえにコロナ禍での在宅勤務と会食件数の激減で身支度+通勤時間と夜の時間を読書とブログにフルに活用できていたためだったわけですが、それに気付かず通常モードに戻りつつある中でもこれまでの読書&ブログ更新ペースを維持しようとした結果、どうにも時間が捻出できず、自分の生活がなんだか回っていないぞという焦りがストレスに繋がっていたと漸く自覚したという次第です。とりあえず読書量を減らすと時間に余裕は出るのですが、そうするとブログに書ける読書感想のネタも減るのでそれは避けたい、かと言って毎週読んで下さっている有難い読者の方のことを考えると頻度も落としたくない、と出口の見えない袋小路にはまり込んだ気分で地味に悩んでおります。思いつく解決策としては、①奇跡的に英語が上達して英会話レッスンの頻度を減らせる、②妻の股関節が更によくなってやや遠方の治療院に付き添う回数が減る、③睡眠時間を削る、④夜の会食を通じ刺激的なネタが大量に入ってきて悩むことなくよもやま話を短時間で仕上げられる、⑤ここで紹介したくなるような面白い本を注意深く厳選して読む、などが有りますが、体に悪いのでなるべく③は避け①②④が起こるよう天恵を待とうと思います。(笑)

ところで海外からの訪問者ということで、久々にシンガポール在住の友人と会い、以前ちょっとここで紹介した銀座の鮨わたなべにて旧交を温めました。さすがは寿司の神様の最後の弟子、〆アジに始まりアナゴで締める伝統的な仕事は勿論申し分無い上に、子持ち昆布のウニソースがけという創作スペシャリテが絶品で、還暦を過ぎても弛まぬチャレンジを続けられている親方の姿勢に感銘を受けました。もっと色々書きたいのですが、あまり書き過ぎると寿司ブログとなってしまうのでこの辺でやめておきます。我々が食事をしている間にうちの妻と彼の奥様はオンライン飲み会をして盛り上がっており、粋に寿司を食べてさっと帰宅したところ、帰ってくるのが早すぎると非難ごうごうでした。近いうちに心置きなく四人で集まりたいところです。

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金次郎、リアル「ハトの撃退法」を研究する

半年ほど前でしたか、うちのマンションでハトの害が発生していると住人の方から聞き、慌ててベランダとエアコン室外機置場の2か所を確認したのですが、その際は特段ハトの痕跡は有りませんでした。ハトは人の出入りが少なく、薄汚れて散らかっているところを安全と認識してお気に入りの場所とするようで、以前このブログで紹介したように、特にベランダは金次郎が趣味で頻繁に掃除しており、ハトに付け込まれる隙は無く、申し訳無きも他の住人の方は掃除をサボっていたところをハトに狙われた自業自得であろう、とかなりの上から目線で余裕をかましておりました。数か月前に確認した際もベランダは全く問題無く、室外機置場も若干の木の枝とごく少量の糞が確認されるのみで別段問題は無いように見え、妻の股関節痛のことも有り具体的な対策は取らず放置しておりました。

これを読まれている皆さん、絶対に木の枝と糞を見つけたら放置せず、即座に対策を取られることを心の底からお薦めいたします。もうお気づきとは思いますが、金次郎家は無知だったが故に少し油断した僅かの期間でかなりヤバい状況に陥ってしまっております(涙)。そもそも第一に、ハトは空飛ぶネズミと呼ばれるほど不潔かつ寄生虫、細菌、ウイルスの温床で、鳥アレルギーからサルモネラ中毒、オウム病やクリプトコックス症などの危険な病気を羽毛や糞を通じて媒介することが知られており(金次郎は知りませんでしたが)、糞のせいで美観を損ねたり悪臭の被害が出ることもさることながら健康への影響が懸念される侮れぬ存在で、平和の象徴などと崇めたててばかりではいられないその恐るべき真の姿を認識する必要が有ります。そして厄介なことにハトは他の鳥と比較して強い帰巣本能を有しており、自分の巣だと見定めたお気に入りの場所には執着してしつこく戻ろうとする習性が有り、とにかくこの習性が発動する前にお気に入りの場所を嫌いな場所に変える対策を取ることが非常に重要となるようです。お気に入り度レベルとしては①休憩ハト、②待機ハト、③ねぐらハト、④営巣ハトという順番となり、この順番に滞在時間と糞の量が増えるのですが、④まで進行してしまうとハトの並々ならぬ執着心により、ハトが嫌いなニオイを発する市販の忌避剤では全く役に立たず、かなりのケースではマンションの外壁を傷つけることになる防鳥ネットを張り巡らすしか対策が無いという人類の敗北状態となりますので本当に本当に早めの対応が重要です。金次郎家は現在ハトが常駐しているわけではなく糞の量もそれ程多くはないものの、ハトが集めてきた20本程度の木の枝を片付けても直ぐに元の状態に戻してしまうという比較的強い執着心を示されており、やや希望的に評価して②と③の間ぐらいの状況と思われ、慌てて購入した忌避剤(固形タイプ)を置きまくり、1時間おきに姿を見せ、ここは人間がいつもうろうろする危険な場所であることをハトにアピールしている悲しい状況です。前日に撤去した木の枝が翌朝には完全復活し、その巣らしきものの上でほくほくしてくつろいでいるハトを目の当たりにした妻は呆然としながら「ショック・・・。」とつぶやいておりました。ネットを見ると、ハトと闘っている同志の皆さんはかなりの確率で前日の作業が無になる衝撃を経験されているようで、この闘いの厳しさを痛感する次第です。とにかく数か月前は①の状態だったと思いますので、あそこできちんと対策をしていれば、という後悔先に立たずの日々を過ごしております(涙)。

また、こちらも反省ですが、ハトは自分の糞が存在していることでその場所が安全と判断しているらしいので、とにかく糞は僅かであっても見つけ次第徹底的に取り除く対策が有効だそうです。その際、感染対策をしっかりやっておかないと上述の感染症に罹患するリスクが有るため、マスク、ゴーグル、ゴム手袋等の準備を怠らぬようくれぐれもお気をつけ下さい。うちはまだ④となって卵が孵化したような形跡は無く、現在定期的に訪問してくるヤツが死んでしまえば一件落着なのだろうと思いハトの寿命を調べたところ、なんと10年生きると知り愕然といたしました。ちなみに卵を産み付けられてしまうと、それを勝手に処分すると鳥獣保護法違反に問われるリスクが有りますのでご注意下さい。なぜ危険な感染症をまき散らすハトがそんなにも保護されているのかやや理解に苦しみますね。なんとなく、以前紹介した「鳩の撃退法」(佐藤正午著)には実際のハト対策には1ミリも触れられていなかったな、と今更思い返しております。

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金次郎、ホームレス女子大生のサバイバル力に感服する

英会話のレッスンでネイティブスピーカーの講師を予約しようとすると、アメリカ人、イギリス人、南アフリカ人、カナダ人、アイルランド人、オーストラリア人等の中から良さそうな人を見繕って選択することになります。それぞれのお国柄になかなか特徴が有って面白いので紹介しますね。アメリカ人の場合に特徴的なのはイギリス人と比較してアメリカ国内にいながらオンラインで英会話の講師をしている人が多いことでしょうか。海外に行ったことは無いのかと聞くと、ややムキになってアメリカ国内でたくさん移動していると主張してくる人が多いのが印象的です。結構な確率で50州のうち10州とか14州とかに居住経験有りときちんと数えて覚えているのが日本人の感覚と違って面白いと思います。一方、最大都市ニューヨークに行ったことが無いという人もそれなりにいて、確かに日本の地方都市から東京に遊びに行くよりは距離的にも文化的にもハードル高そうな気がします。また、メキシコ、パナマ、コスタリカ等の中米の国にキリスト教関連のボランティア活動をするために住んでいる人もかなり多いですね。英語が難しくなるのと揉め事が嫌なので(笑)あまり突っ込んでキリスト教のどの辺の宗派なのかは聞かないようにしていますが、カルトとはいかないまでもややマイナーな宗派に属している人が多いような雰囲気がそこはかとなく漂っている気がします。

イギリス人の場合は大きく3グループに分かれるのですが、先ずはそれ程多くない国内組で極端に若いかお年寄りという二極分化の傾向が見られます。次のグループがスペイン(あるいはポルトガル)移住組です。このグループの人が口を揃えて言うのは、とにかくイギリスの気候には耐えられない、それに比べてここスペインの気候は最高だ!という主張で避寒に重きを置いているようです。相当田舎と思われるスペインの真ん中へんで太陽光発電、自分の農園+家畜飼育で意識高くプラスチックも使わずに自給自足生活をしている人がかなりの数いて驚きます。気候自慢とエコ自慢はお約束ですが、お子さんの教育にはやや苦労されている雰囲気でオンライン授業への依存度が高いようです。最後のグループは、以前このブログでも少し触れましたがさすらいの西洋人としてアジアに流れ着いている人々になります。このグループは、フィリピン、タイ、カンボジア、インドネシア(とりわけバリ)に住んでいる人が多く、基本的に都市部ではなくかなり田舎の農村部に住まれているパターンが散見されます。奥さんが現地の方の中高年男性という安定の型と、スキューバーダイビングのインストラクターをやっていたがコロナで仕事が無くなったという青年層(こちらは男女問わず)が多いですが、中には手広く事業をやっているという方もぼちぼちおられます。変わり種としては、自称多くの多国籍企業からアドバイスを求められていると自慢する人、世界を支配している秘密結社の陰謀から逃れるために敢て山奥に住んでいると真面目に語る人など突っ込みどころ満載の人も結構いて興味は尽きません。さすらっていることからもお分かりの通り基本的に非エリートの低所得層の人が多く、概して現在の保守党政権とりわけボリス・ジョンソン首相の批判をさせると金次郎が英会話の練習をする暇も無いぐらいしゃべりまくられるケースが有るので極力政治の話題には触れないようにしています(笑)。

南アフリカの方は殆どが自国から仕事をされている場合が多く、ヨハネスブルグよりも観光とワインが有名な港町ケープタウン在住の方が多い印象です。英語がネイティブっぽくないのと、電力供給が不安定でネットが時々切れるのであまり選ばないようにはしております。ほぼ全ての人が南ア政府は腐敗していてどうしようも無い、という諦念スタンスなので本当にそうなのだろうな、と思いつつ、ちょっと頼りないけど日本の政治はまだマシなのかなと感じたりもする今日この頃です。

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金次郎、御徒町の名店で同僚とお寿司を堪能

このところ出社や飲み会の機会が徐々に増えてきており、ようやくブログのネタ不足から脱却できると期待していたのですが、なかなかここで紹介できるような刺激的なエピソードは簡単には生まれず(いつも刺激的かどうか微妙ですがw)、今回はネタはネタでも先日会社の同僚と食べに行ったお寿司について書こうと思います。金次郎がシンガポール駐在時代に行きつけであった寿司店は、20年前の当時は未だそれほどメジャーではなかった日本直輸入ネタを出してくれるところで、海外にいるとは思えぬクオリティを堪能でき祖国を感じられる憩いの場でした。日本に本帰国する際にそこの大将から「あの店の大将は寿司(とゴルフw)のことしか考えていない」と太鼓判で紹介していただいたのが今回訪問した御徒町近くの鮨 一心です。このお店は江戸前寿司発祥の名店として有名な柳橋美家古寿司の四代目であり寿司の神様と呼ばれた加藤博章さんの最後の弟子にあたる渡辺佳文さんが初代店主を務めたお店です。その後渡辺さんは銀座で鮨 わたなべを開店されましたが、二代目の大将に代替わりした一心も江戸前寿司の伝統を受け継ぐ名店として繁盛しています。一心のカウンターには上記の寿司の神様の写真が飾られ寿司の出来栄えを見守っておられますが、ちなみにこの神様は大ヒットしたNHKドラマ「イキのいい奴」で小林薫さんが演じた主人公のモデルとなった方としても有名です。更に言うと、この「イキのいい奴」のベースとなっているのが「神田鶴八鮨ばなし」(師岡幸夫著 新潮社)という本なのですが、この本は〈寿司の神様〉の下で修業しその後神保町に神田鶴八を開いた著者による、親方とのエピソードやお寿司についての様々な知識、ひいては戦後間も無い頃の柳橋花柳界の雰囲気までを一流の職人の視点で振り返りつつ描いたエッセイで、寿司好きにはたまらない内容に加え人生訓としても読めるおすすめの作品となっております。ご興味有る方はぜひ続編の「神田鶴八 ちょっと小粋な鮨ばなし」(同 草思社)と合わせてお読み下さい。

前置きが非常に長くなりましたが、当日はいつも通り元気良く気遣いの行き届いた応対で迎えていただき、旨すぎる生ビールで乾杯した後、〆サバ・茹でダコ・イシダイ・カツオ・何かの貝(遺憾ながら種類を忘れました)をお刺身で出してもらい、そこから愛媛の冷酒を飲みつつアジのなめろうや平貝の磯辺焼きを堪能いたしました。どれも美味しかったのですが、特にイシダイの食感と脂の乗りが最高だったのと磯辺焼きの程よい弾力と海苔のパリパリ感も相変わらずの旨さでした。そしていよいよ主役のにぎり寿司ですが、一貫ずつ丁寧に供されるお寿司は赤酢ベースのシャリとネタのバランスが絶妙で勿体なくて飲み込みたくないものばかり。以下が美味しくいただいた寿司一覧となります。①コチ昆布〆②〆アジ③漬けマグロ④中トロ⑤ホタテ⑥イクラ⑦卵⑧ボタンエビ+頭焼き⑨アナゴ。どれか一つ挙げろといわれると悩みますが、追加注文した⑧ボタンエビの柔らかくて密度の高い食感と濃厚な味わいは素晴らしかったと思います。珍しい②〆アジも大葉の風味がぴったりの取り合わせでしたし、③漬けマグロから④中トロへの流れも月並みですが同じ魚とは思えぬ食感と味わいの変化を楽しむことができました。こんなに書いてしまうと校閲担当の妻に自分ばかり美味しいものを食べてずるいと文句を言われること必定ですので(笑)、きちんと名物ばらちらし寿司もお土産に購入し絶品ぶりを二人で楽しみパーフェクトな一日となりました。でも、また直ぐにでもお寿司食べたいです。

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沖縄返還から50年、金次郎生誕からも50年

日本語には音読みと訓読みが有るのは知っていましたが、音読みの中にも呉音、漢音、唐音などの種類が有ると最近知りましたので紹介します。これらは、同じ漢字でも中国から伝わった時代によって発音が違ったことに起因した差異のようで、「明」という漢字の読みのうち「みょう」は呉音、「めい」は漢音、「みん」は唐音となるようです。伝わった元となる中国語の発音が時代と共に変化したことが日本語の漢字の音読みが複数存在する背景ということですね。そして、日本語の熟語の読み方のならいとして基本的には全て呉音なら呉音で、漢音なら漢音で統一する、というルールが有るそうで、「男女」は「なんにょ」(呉音・呉音)、あるいは「だんじょ」(漢音・漢音)とは読んでも、「だんにょ」や「なんじょ」とは気持ち悪くて読めそうにないということからもご理解いただけると思います。ここで紹介したいのは、この法則に当てはまっていない奇妙な日本語が有る、という話なのですが、その言葉とはなんと我が国の首都を表す「東京=とうきょう」!「東」の読みが漢音の「とう」しか無いため本来「東京」は「とうけい」(漢音・漢音)と読まれるべきで、確かに「京王=けいおう」や「京浜=けいひん」では「けい」と読まれています。これは、江戸を新たに東の京都という意味の東京に改名するにあたり、あまりにも庶民の間に「京の都=きょうのみやこ」という読みが定着してしまっていたために、「とうけい」ではなく「とうきょう」と読まざるを得なくなり、当時日本語にうるさい知識階級の方々は発音がどうにも気持ち悪くてご不満だったとのことでなかなか面白いエピソードだと思います。言われてみると東京はかなり新しい地名であり、その知名度の低さゆえに東京駅の呼称はぎりぎりまで中央駅が優勢だったそうです。当然のことながら金次郎がこんなことを知っている程博学なわけではなく、「東京の謎(ミステリー) この街をつくった先駆者たち」(門井慶喜著 文藝春秋)からの受け売りです(笑)。他にも我々の良く知る東京の色々な場所について、あまり考えたことの無い切り口で解説されていて大変面白い本なので是非読まれることをおすすめします。

日本語うんちくつながりでもう一つ。気付くと2019年の5月に元号が令和に変わってからはや3年が経過しましたが、この元号にも日本語の持つリズムの法則が有るという話です。過去250以上存在する元号は漢字二文字の組み合わせですが、うち7割が「平成」、「大正」、「慶応」のような①2拍+2拍のパターンで、2割強が「昭和」、「明治」のような②2拍+1拍の組み合わせ、「和銅」や「治承」のような③1拍+2拍の元号はわずか7%程度しか無いとのことです。しかも9割強を占める①と②の場合の語感は上記の例でも分かる通り「強弱強弱」あるいは「強弱強」といった日本語としてなんとなく心地よいリズムに従っているとの法則も見いだせるようです。日本語のリズムとして発音し易いというのは赤ちゃん言葉に「まんま」、「ねんね」、「ばぁば」、「じぃじ」のような「強弱強」のパターンが多いことからも分かりますが、赤ちゃんが「強強弱」の「ばばぁ」、「じじぃ」としゃべったらちょっと怖いですね(笑)。これらを踏まえると、初めて万葉集から選ばれた画期的な元号と取り沙汰された「令和=れいわ」でしたが、見事に②のパターンで「強弱強」となっており、しかも近代に入り「文久」から「平成」まではずっと①と②が交互に繰り返されてきており次が②の順番であったことから、言葉の響きとしては過去のルールを完全に踏襲した保守的な選択であったことが分かり面白いです。そしてこれも「日本語の大疑問」(国立国語研究所著 幻冬舎)からの完璧な受け売りです(苦笑)。この本では、「わかりみ」や「やばみ」、「うれしみ」などの若者ことばを真面目に研究したりしていてこちらも興味深い内容となっております。

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金次郎、未体験指圧の激痛にあわや落涙

最近は歳のせいか首、肩のこりがひどく、それが頭痛につながることもしばしばで、何か良い対処法は無いものかと常々考えておりました。そんな折にたまたま付き添っていましたので妻の股関節痛でお世話になっている整体の先生に相談したところ快く治療を引き受けて下さいました。初回の施術は割と一般的な骨盤の歪み調整などで身体のバランスを整える感じで終始し、それはそれで全身がリラックスできて良かったのですが、首や肩の頑固なこりは改善せず、やはり歳には勝てぬのかとなかば諦めかけておりました。ところがそこで先生から、一度治療をした感触と身体の反応から金次郎の治療ポイントがクリアになり、非常に痛いが効果が見込める治療を試すのが良かろうとの提案をいただきました。金次郎は学生時代に運動をやっていたこともあり、様々なマッサージや鍼灸の治療を受けた経験はそれなりに多く、施術時の痛みや心地よさの感覚はある程度持っております。なかでも亀戸の先生の骨がバラバラになりそうなこれでもかという激痛の指圧や、シンガポールの通称〈指圧の魔術師〉ソー先生による気体の収縮を利用して背中の肉をカップに吸い取るカッピング治療の痛みはかなりのものでした。さらにソー先生の上級テクであるそのカップを背中の上で縦横無尽に動かす拷問的な手技を経験している金次郎ですので、何とか耐えられるだろうと痛みに激弱な性格上きっちりビビリはしたものの、心を決めて治療を受けることといたしました。

一体どんな治療が始まるのかと全身を硬直させて待つこと数分、先生は指に滅菌サックを装着し、これから口の中のマッサージをします、と軽やかに宣言されました。その後に起きる状況が全くイメージできず呆然としながら言われるがままに口を開けると、先生が頬骨、ほっぺた、下歯茎の部分を口の内側から外側に向けて思い切り押し始めるではないですか。横で見ていた妻が、ほっぺたから先生の指の形が分かる、という程ぐいぐい押されたことに伴う痛みは全く未体験のこれまでとは種類の違うもので、少しでも気を緩めると涙がこぼれ落ちてしまいそうで、何とか恥ずかしいことにならぬよう必死でこらえねばならない恐るべき体験でした。これでもまだマックスの三分の一ですよと施術後に言われて先が思いやられましたが、気づけばなんと首、肩から頭皮まで相当リラックスしたゆるゆるの状態になっており、かなりこり症状が改善する驚きの効果で、確かに体の内側と外側の両方から治療ポイントにアプローチできるのは口の中だけであり、これはもう少し耐えてみようと前向きな気分になりました。またどこかで経過をご報告させていただきます。

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金次郎、お世話になった方からの依頼で父から15歳の息子に贈る本を選出

どうにかこうにかweeklyでのupを維持しております本ブログですが、次回はスケジュールの関係でちょっと間が空き4月3日(日)あるいは4日(月)の投稿となり、そこで金次郎と宿敵Mの本屋大賞2022順位予想を大発表いたします。その後6日(水)の大賞発表を受け、8日(金)か9日(土)に予想対決結果をご紹介する予定にしております。どうぞお楽しみに!

さて、今回は敬愛する先輩であり、シンガポール時代より家族ぐるみで仲良くさせていただいているAさんからこの春より高校生になるご長男に贈るべき本を見繕って欲しいとのご依頼があったので、こちらで紹介させていただこうと思います。いざ考え始めるとこれは大変な難問で、お父さんの思いも息子さんの趣味もある程度踏まえていないと不適切なチョイスになりそうで、悩みに悩み、この数年で読んだ2000冊超のリストを頭からひっくり返すこととなりました。結局、自分の好きな本が中心になってしまい本ソムリエとしての才能の無さを露呈する結果となってしまいましたが、以下が絞りに絞った10冊となります。Aさん、ちょっと偏ってしまいすみません。

【Aさんのご子息への紹介本10選(順不同)】

◆「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド著 草思社 ):人類の進化の歴史とその背景を地球的視野で語るこの本は、高校生にはちょっと難しいようにも思いますが、金次郎としては本格的に歴史や地理の勉強をする前に読んでおきたかった一冊です。メモを見ながら内容の詳細を思い出し選びましたが、冒頭のニューギニア人であるヤリさんと著者とのやり取りは非常に印象に残っています。これを選んでしまったので、泣く泣く「サピエンス全史」は候補から落としました。

「徳川家康」(山岡荘八著 講談社):金次郎は父の本棚に鎮座していたこの全26巻を眺めながら成長しましたが、実際に読んだのは成人してからで、もっと前に読み、内容について父と語り合うべきだったと後悔しまくった、様々な人生の機微を疑似体験できる歴史大河小説です。人生の節目で何度も読み返す人が多い、新たな発見の宝庫である本作の存在を心に留めていただければどこかできっと何かの役に立つと思います。

「動物農場」(ジョージ・オーウェル著 早川書房):言わずもがなの名著ながら全体主義、スターリン主義批判ということでやや歴史的モメンタムを失っていたものの、新たな全体主義の足音が幻聴ではなく聞こえ始めたこの時代に改めて若者の記憶の端にでも残しておきたい内容と思い選出いたしました。先ずは、何だこの意味不明な動物の話は、と怪訝に思ってもらい、その後歴史を学んで、これってまさかあの話では、とリンクして驚いて欲しいというのが金次郎のささやかな企みです。

「バッタを倒しにアフリカへ」(前野ウルド浩太郎著 光文社):アンリ・ファーブルに心酔するバッタ博士の著者が西アフリカのモーリタニアで苦労しながらバッタ研究を続ける体験記です。面白く読み進める中で、仮説を導く発想、検証に向けた色々な工夫、やりたい事への共感を集めて仲間を増やす方法論、現場に赴くことの大切さなど、人生において重要なことが学べる良書だと思います。

◆「十五の夏」(佐藤優著 幻冬舎 ):最近このブログでも紹介しましたが、まさに15歳のこの時期にウクライナ危機を経験している今こそ読むべき旅行記と思い選びました。佐藤先生の常人離れした人生は全く参考にはなりませんが、旅行もままならぬ昨今、日本にいては感じ取ることのできない危機感を体感して欲しいと思います。旅行記かぶりということで涙を呑んで「深夜特急」は外しました。

「地下鉄道」(コラソン・ホワイトヘッド著 早川書房):オバマ元米国大統領も推奨したこの本は、悲惨な南部黒人差別の実態を描き出すばかりでなく、リベラルの仮面を被った人間の偽善をも暴き出すちょっとシリアスな内容です。ただ、そういう時代に命懸けで黒人たちの逃亡を支援した結社〈地下鉄道〉に関わった人々の思いに何かを感じて欲しいと思い選びました。

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仕事での研究が一段落し、「自由研究に向かない殺人」を読む

少し前にノミネート作品を紹介しましたが、今年の本屋大賞発表は4月6日(水)ということで、通算4度目となる金次郎と宿敵Mによる本屋大賞順位予想対決も徐々にテンションが上がって参りました。スケジュールの関係で今回の順位予想発表は直前の4月3日前後になると思いますが現在二連敗中の金次郎が勝てるよう応援宜しくお願いいたします。まさかこのブログを読んでいただいている方の中にM推しはいないと信じたいですが(笑)、ドイツくんだりからこの中年のお遊びに真面目に付き合ってくれている彼にもぜひ声援を送っていただければと思います。とは言え、去年負けた際に購入しておくべきだった景品の〈金の栞〉をまだ買っておらず、その間に金価格は上がるわ円安になるわで金次郎の懐はかなりまずいことになっており、今年は負けられません(苦笑)。ちなみにMはある競技で日本一になった経験が有るという触れ込みでスーパールーキーとして金次郎の会社に鳴り物入りで入社してきましたが、飲み会でその技を披露してもらったところ、???という雰囲気となり、しばしの静寂が訪れたことを記憶しております。こんな謎めいた彼についてもご本人の了解をもらいつつ、可能な範囲で紹介していきたいと思います(ネタ切れのためw)。

去年の終わりに少し書きましたが、妻がしばらく股関節の痛みと全身のしびれ症状に苦しんでおり、夫婦で辛い状況に耐えておりました。その際に、読者の皆さんをはじめたくさんの方から励ましやアドバイスを頂戴し、夫婦共々感謝しながら頑張ってきましたが、おかげさまで症状は最悪期を脱し、少しずつ活動の幅も広がって、美容院や歯医者といったちょっとしたチャレンジの予定もこなせるようになってきました。まだまだ回復途上ではありますが、二人で健康の有難みを噛み締めつつ油断せずに治療を続けようと思います。改めましてお気遣いいただいた皆さん、本当にありがとうございました。その妻の症状について書いたブログにドラマ「真犯人フラグ」が面白い、と紹介したのですが、先週末に最終回を迎え、二転三転するストーリー展開、意外な犯人と動機への納得感、伏線回収の満足度と何れを取ってもなかなかの秀作だったと思います。放映中に西島さん主演の映画「ドライブマイカー」が話題になり改めて彼の演技の幅広さに感心しながらじっくり観られて楽しめました。

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ブログのネタが尽きてきて、いよいよ取っておきのリーサルウェポンを投入

今週は、金次郎の甥っ子が志望大学に合格するという嬉しいニュースが有りました。おめでとう、K太郎!

いよいよブログのネタに窮してしまい、本当にネタに困ったらこの箱を開けなさい的な最終手段を投入することとなってしまいました。金次郎は2002年から2006年までシンガポールに駐在しておりましたが、この期間は仕事も充実していましたし、多くの得難い知己を得る機会にも恵まれ、ついでに新婚生活がスタートした時期でもあり、正に三十にして立つを地で行く人生のターニングポイントでありました。そんな楽しかったシンガポール生活に彩りを添えてくれたのが社用車の運転手であるPさんでした。マレー系が多い運転手の中で唯一の中華系であった彼は、故宅八郎さんくりそつの容姿もあいまって際立つ存在感を醸し出しており、しかもその見た目に違わぬ数多くの武勇伝を創造し続けるレジェンドでした。

まず第一に、運転手にあるまじきことですが、彼の運転はすこぶる荒く、慣れていないお客さんなどを乗せると結構な確率で車酔いが発症してしまいます。今にして思うと彼は少し視野狭窄だったのではないかという気がするのですが、運転しながら上下左右に体を大きく動かすクセが有り、これが不安定な運転に拍車をかけるという悪循環で、よく彼の運転する車を使っていて慣れていた金次郎でもマレーシア往復など長距離行の場合は何度も吐きそうになりました。また、シーブリーズの偽物のような謎の液体を常に顔や首に塗りたくっており、最初は清潔感の演出かとも思いましたが、どうやら年がら年中の眠気覚ましだったようで、彼の運転中はいつ事故るかとなかなかの緊張感だったことを思い出します。更に、赤道直下に位置するシンガポールですので、車の窓は締め切り冷房をガンガン効かせているわけですが、彼はそんな密室で素知らぬ顔でおならを連発することを文字通り屁とも思わぬ強靭な精神の持ち主で、頻繁に金次郎や同乗したお客さんを悶絶させる毒ガス専門のテロリストでもありました。

彼の奇行は車中にとどまりません。命知らずな彼は何故だか40代でローラーブレードにハマってしまい、シンガポールによく有る低層階が駐車場になっているビル内で仕事の空き時間にローラーブレードを装着し、各階を繋いでいる車が通るスペースをグルグル回りながら9階から地上まで猛スピードで駆け降りるという危険行為を繰り返し、ビル側から苦情を受けた総務部から激しく叱責される事態となり、彼のアグレッシブインラインスケーター時代は数日で幕を閉じました。今でもガリガリに痩せて鋭い目つきの宅八郎似の男がヘルメット、ヒジとヒザのプロテクターを装着して飛ぶように駐車場を駆け降りる姿を思い出すと、あれは夢だったのではないかという気分にすらなります。

小さな事故を頻繁に起こしたり、休日に社用車を勝手に乗り回したり、挙句に社用車で白タクをしているのが会社にバレたりととにかく破天荒なPさんでしたが、何くれと無く金次郎夫婦の世話は焼いてくれましたし、ちょっと奇怪なものも含め美味しいローカルフードをたくさん紹介してくれましたし、懐に余裕は無い筈なのに本帰国の際は記念品まで用意してくれて、総合的にはいい人だったなと今では良い思い出です。その後彼がたどった数奇な人生については、また別の機会に書こうと思います。

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金次郎、引き続き出版社の歴史に興味深々

東京では雪が積もる積もる詐欺に騙されまくった先週でしたが、大雪といえば、金次郎の父方の里は福岡県西部のそれなりの山の中で、正月に挨拶に行くとかなり積雪していて、金次郎の父親が雪道でハンドル操作を誤りスリップ&脱輪して大変なことになったのを思い出しました。しかし、山の中ということで子供時代はアクティビティーには事欠かず、家族で遊びに行くのが当時は本当に楽しみだった記憶が有ります。春はフキ、ワラビ、ゼンマイなどの山菜を取ったり、モウソウダケ、ハチク、マダケと順を追って出てくるそれぞれ味わいの違うタケノコを掘ったり、秋になると柿をもいだり栗を拾ったりと、とにかく山の幸が盛りだくさんでした。タケノコの掘り方が下手だと勿体ないと厳格な祖父に小言を言われるという恐怖は有ったものの、足の裏の感覚で出たばかりのモウソウダケを見つけ、周囲を鍬で掘ってタケノコの向きを見定め、反っている内側の根本に鍬を入れて掘るあの感覚が懐かしい。(ちなみにハチクとマダケは鍬ではなく鉈で切り取ります。)そこから包丁で切れ目を入れて外側の皮をむき、内側の薄皮を削り取って米のとぎ汁で湯がいてアクを取るのですが、掘りたてを食べるまでのあの一連のプロセスにはいつも非常にわくわくしておりました。

また、秋が旬の自然薯は、遠くから見て杉の木に絡んで黄色くなった葉っぱを見つけ、その根元を目指して山中に分け入り、ツルを探して歩き回り、見つけたところから真下に向けて1メートル程穴を掘ってようやく手に入るという大変な収穫作業なのですが、自然薯一本を折らずに掘りだせれば一人前という子供心をくすぐる父親の言葉に踊らされ、いたいけな金次郎少年はいつも一生懸命に掘っておりました。家に持ち帰って摺り下ろし、とろろにして食べるのですが、天然もののせいかかなり粘りが強い上に土臭く、しかも食べた後確実に口の周りが痒くなるので別にどうしても食べたいという代物ではなかったものの、大人の階段を上りたい盛りの少年にとっては毎年愉しみなイベントでした。その他にも冬の餅つきや、隣のゴルフ場から飛んでくるきれいなOBボールを拾い集めるなど思い出がたくさんある本家ですが、最近全くうかがえておらず気になっております。ちなみに、この一族は名前に権(ごん)の字を代々受け継いでおり(権助、権太郎など)、世が世なら金次郎も権次郎となるところでしたが父の代でこの字は使われなくなり本当に良かったです(笑)。一周回ってイケてる感じになるのかもしれませんが。

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金次郎、「破天荒」(高杉良著)を読み破天荒なレジェンドについて回想する

金次郎は入社以来化学品業界でお世話になっておりますが、石油化学新聞記者から経済小説の大家となった高杉良先生の自伝的小説である「破天荒」(新潮社)を読み、日本の石油化学産業の勃興期の雰囲気を感じなんだか嬉しくなりました。本名の杉田亮平として実際に書かれた署名記事の引用などを通じて臨場感いっぱいに描かれる日本合成ゴムの工場建設から民営化までの流れは、現在の業界地図との対比という視点で読むと業界構造の大きな変化に改めて驚かされますし、エチレン不況カルテルのスクープ記事に関する様々な反応の生々しい描写からは当時の石化産業の苦境が伺えると同時に、これも現在との比較において官民の関係の変容に改めて思いを致す契機ともなりました。エチレン不況カルテルといえば、金次郎が入社した当時にもその残滓のようなものが存在していたな、と思い出して懐かしくなる一方で、自分も随分長くこの業界にいるものだ、となかなかに感慨深いものが有りました。また、これまで「炎の経営者」(文芸春秋)などの高杉作品を読んで感じていた小説的でないジャーナリスティックな文体のルーツを垣間見ることができた読書体験だったとも言えると思います。

一瞬ご自身のことを破天荒と言ってしまうセンスは若干どうなのだろうか、と感じる一方で、金次郎が社会人となった約30年前ですらこの業界には社内外問わず破天荒な方がたくさんいらっしゃったことを思い出し、いわんや高杉先生は更に一世代前の方ですので、このタイトルにも納得した次第です。噂で聞いたものも含めですが、若かりし頃の金次郎の記憶に鮮烈に残っている破天荒例を挙げますと、会社の給湯室でママレモン(最近あまり見ないキッチン洗剤)で颯爽と洗髪される方、朝まで飲んで出社後すぐにトイレの個室に入って寝たら便座にお尻がはまって抜けなくなった方、「あれがあれでそれがなにして」と指示代名詞的な言葉でほぼ会話を成立させる強者、その後大変なことになるとも知らずに酔っぱらって反社の方の家の立派な外壁に立ち小便をしてしまう豪傑、交通事故に遭われ顔面を負傷された際にさる有名俳優の写真を示し、「この顔に戻してほしい」とピンチをチャンスに変えようとされた胆力の持ち主など枚挙にいとまが有りません。そんな雲の上の先輩方の中でも、特に印象に残っている極めつけは、何と言っても飲み会の芸でガラスのコップを食べる技を披露される超人の方の話です。いや本当に、こういうレジェンドに思いを馳せると、常識や世間体に縛られている自分の人間の小ささがいたたまれなくなりますが、どうにか頑張って定年までにできる限り後輩たちの心に何らかの爪痕を遺さねば、と決意を新たにいたしました(笑)。

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金次郎、万人受けは有り得ない「法医昆虫学捜査官」シリーズにはまる

金次郎の中学校の同級生で同じ陸上部に所属していた友人のS君(あだ名はブーヤン)が中学卒業と同時にお相撲さんになりました。そんな進路が有るのかと当時とても驚いたのを覚えていますが、そういうことが大好きだった母と共に新聞の地元力士の星取表を見たり、時にはテレビ観戦で声援を送ったりと、他人にあまり興味が無かった自分としては珍しく気にして応援したりしておりました。しかし、残念ながら彼は関取にはなれず20代前半で惜しくも引退されたのですが、入門以来ずっと場所の度に番付表を、そして年末には大相撲カレンダーをかれこれ30年以上律義に送り続けてくれていました。いつも宛名も手書きで丁寧に書いてくれていて、相撲界の背負っている伝統もさることながら彼の真面目な人となりを想い、その間一度も会いに行っていない自分の不義理を反省しきりでした。すると最近になって、彼の所属していた部屋の師匠である尾車親方(元大関琴風)が65歳の定年を迎えられるにあたり、番付表とカレンダーの送付は初場所で最後となる旨のこれまた丁寧な手書きの封書をいただき、遂に何もお返しすることができなかった後悔と合わせ、卒業間近の3月に我が中学校まではるばる彼を迎えにきた尾車親方の大きさと迫力が鮮やかに思い出され、万感胸に迫るものが有りました。人生の残り時間が潤沢というわけでもない年になってきましたので、こういう後悔をしないようにどんどん思い立って果たすべき義理を全うしたり、伝えきれていない感謝の思いを伝えたりしなければな、と感じた出来事でございました。S君、いやブーヤン、長い間どうもありがとうございました。

最近売れている本に「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」(福井県立図書館 講談社)というものが有りまして、福井県立図書館の司書さんが実際にレファレンスで遭遇した笑えるタイトルの覚え違いを一冊にまとめた内容となっています。有り得ないようなものも含まれてはいますが、確かにそれは間違えるかも、と思える納得感の高いものも多くなかなか楽しめました。例えば、ドラマにもなった「下町ロケット」を「下町のロボット」と間違えていたり、朝井先生の出世作である「霧島、部活やめるってよ」を「おい霧島、お前部活やめるのか」と空気の読めない先輩ふうのタイトルで探してみたりと本当に人間の記憶というのは不確かなものだなと思いました(笑)。中でも印象に残ったのは、コンマリ先生の大ベストセラーである「人生がときめく片づけの魔法」を、特に具体的には何も生み出さなそうな無意味タイトルの「人生が片づくときめきの魔法」と間違っていた例と、敗戦後の日本人を描いた名著であるジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」を「大木を抱きしめて」と環境保護活動家を意味するtree huggers的な感じに間違っていた例ですかね。ボリュームも少な目で一瞬で読めるのでご興味の有る方はぜひ。

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金次郎、ブログの人気取りのためにトラウマ記憶をさらす

先日のランキングでは金次郎の過去の思い出シリーズが意外にも人気を集め上位に食い込みました。今年で50歳、結婚20周年と節目の年でもありますので、自分史作りのつもりで古い記憶を掬い上げてみる一年にしようと思いますのでお付き合いいただけますと嬉しいです。

と言ってはみたものの、読者の皆さんに楽しんでいただけそうな面白い場面がなかなか思い浮かばず、それなりに充実していた筈の自分の人生はもしかして結構つまらないものだったのかと悲しい気持ちになったりもしております(涙)。

更に真っ先に頭に浮かんでくる思い出が、幼少期に車がどこまで近づいてから道路を横断できるかに挑戦してトラックにはねられた、たまたま手が離せない時に家に遊びに来た友人を用事を済ませてから追いかけたら近所の倉庫がその友人の火遊びで丸焼けになっていた、大学時代に住んでいた学生ハイツで彼女と電話するために部屋に立てこもった友人を邪魔しようとスパイダーマンのようにベランダも無い8Fの彼の部屋に隣室の窓から壁伝いに侵入した、などなど冷静に振り返るとぞっとするような話ばかりで、自分のダメ人間ぶりに嫌気がさすと同時に、まかりなりにも普通に仕事をしている今の自分はだいぶ更正したなと変に感心したりもしております(笑)。

そんなダメ人間ながらも色々なことを比較的そつ無くこなしてきた金次郎ではありますが、本当に全くどうしようもなく結果が出せなかったのが小学生の時に習っていた剣道でした。2年生から両親の勤めていた銀行の同僚だった方が師範をされている道場に通い始めたのですが、全く鳴かず飛ばずで剣道カーストの底辺の地位を5年間守り続けました(笑)。そんな不遇時代についてあれこれ思い出しているうちに、期せずして辛いことづくめの思い出の中でも極めつけのトラウマ記憶の蓋を無駄に開けてしまい後悔先に立たずの状態ですが、せっかくの自分史なので目を背けずに精神力の許す限りその内容について書いてみようと思います。

トラウマ①:剣道には昇級審査というのがあり、大きな体育館で打ち合いをしているところを審査され合否が決まる仕組みになっているのですが、5年生だった金次郎少年は3級審査当日に不合格を言い渡され、結構落胆しながら審査会場を後にしました。ところが、数日が経過して道場に行ってみると、先生から点数の計算違いが有り合格でしたと免状を渡され、とりあえずほっとして帰宅しました。それから何事も無く1年が過ぎ、6年生で2級の昇級審査に臨んだ金次郎少年は見事その場で合格となり、それなりに喜びつつ両親に結果を報告しました。その時の父のコメントがなんと「初めて自分の力で合格したな。」!それは言っちゃだめでしょという母の表情から全てを悟った金次郎少年は1年前に計算違いを告げられた際の道場のちょっと不穏だった雰囲気を思い出し、汚れた大人の世界の洗礼を受けた衝撃で暫く涙に暮れました。

トラウマ②:その道場には師範の先生のお父上である大先生というおじいさんがおられ、とにかく怖いし声がつぶれていて何を言っているか全く分からないということで道場に通う小学生からは非常に怖れられる存在でした。その大先生に目を付けられて稽古をつけてもらうはめになると、唸り声を上げながらボコボコに打たれるというホラー状態になるためメリットが見いだせず金次郎少年はなんとかそれをかわすべく細心の注意を払っておりました。そんなことだから強くなれないわけですが(苦笑)。ところがある日のこと、注意不足により大先生につかまってしまい残念ながらエセ3級VS剣豪8段の対決となってしまったのですが、途中からこちらの攻撃が面白いようにヒットするようになり伝説の剣豪は防戦一方に。僕ちょっと強くなった?という自信と日ごろの鬱憤から非力ながらも全力で大先生に打ち込みまくったのですが、なんと、その数分後に大先生は倒れられ救急車で運ばれる事態となりました。勿論金次郎少年のしょぼい打ち込みのせいではなく何らかの発作を起こされていたようなのですが、その後回復されたとはいえ、思い出すと心が鈍く痛んでどんよりした気分になる記憶です。

何の示唆も教訓も無いエピソードで恐縮でしたが、それなりに頑張っても結果が出せない人がいるという事実を自分で経験していたにも関わらずすっかり忘れてしまっており、今後は後輩の指導の際はもっと優しくせねばと今更ながら反省いたしました。でもやっぱりトラウマになる恐れが有るので正当な評価は歪めてはいけませんね(苦笑)。

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【アフター4読書二周年】今年の人気記事ランキング発表!

先日会社の若者から、前半のよもやま話の引き出しが多くて驚きます、とお褒めの言葉をいただきました。読めばそれなりに書ける本の紹介と違って、よもやま話は自分の中に有るもののうちからネタを絞り出して書かねばならず、この作業は自分の薄っぺらさと向き合うことを余儀なくされるので、内容の緩さにそぐわぬ必死の形相になりながら毎回どうにかこうにか紙面を埋めており(涙)、これまでも多くの方に面白いと言っていただきましたが、やっぱり何度褒められても嬉しいですね。

そうこうしながら、このブログを始めてからはや丸2年が過ぎました。たまたまですが、コロナ禍で飲み会が激減したタイミングと完全に期間が被っていたことがどうにかここまで続けられた大きな要因だと思います。今後少しずつ生活が通常モードに戻っていくと想定される中、読書&ブログの時間をどう捻出するか2022年はチャレンジの年になりそうです。いい区切りなので、振り返りも兼ね前回のランキング発表からの約1年間(2020年12月~2021年12月)に読んでいただいた回数が多かった記事のランキングをまとめてみました。(カッコ内は前回の順位です。)

第10位(-) 瀬尾先生の新作長編「夜明けのすべて」とやはり犬は泣ける伊吹先生の「犬がいた季節」を読む(2020年12月22日):この記事はまだ一回の充電で走行できる距離が100km程度だった10年前のEVドライブ珍道中の完結編で、結構たくさんの方に面白かったと褒められて嬉しかった記憶が有ります。読書と無関係な部分の分量が多すぎるのが少しだけ気になりますね(笑)。

第9位(-) 金次郎、福岡県出身のブレイディー・ミカコ先輩を再認識+30年前の思い出を語る(2021年1月13日):30年前の若気の至りのエピソードは非常にしょうもない話なのですがやっぱり懐かしくて自分でもたまに読み返してニヤニヤしています。後半の新自由主義がもたらしたイギリス社会の歪についての真面目な感想とのギャップがゴーストライターがいるのではと疑われかねない激しさで笑えます。

第8位(-) いよいよ本屋大賞2021ノミネート作品発表!(2021年1月26日):やはり人気の高い本屋大賞関連投稿です。読み返してみると、本当に自分がこれを書いたのかと一瞬自信が無くなるぐらいなかなか簡潔に候補作を紹介していてちょっと自画自賛してしまいました(笑)。

第7位(-) 期待通り面白かった染井為人先生の「正体」を紹介!(2020年12月8日):10位にも入ったEV珍道中の第一回(全3回)ですが、存外金次郎の昔の面白い思い出は人気が高いことが分かります。引き続き記憶を絞りに絞って思い出シリーズを充実させてビューを稼ぐことを検討してみたいと思います。人生50年の区切りとして自分史的な感じにしてもいいかもしれません。かすんでしまっていますが、「正体」も面白い本ですのでぜひご一読下さい。

第6位(-) 文学女子とその母上に冬休みにじっくり読める本を紹介(2020年12月28日):引き続き人気のこの本紹介企画ですが、最近お薦め本リストが枯渇気味という難題に直面しております(笑)。文学女子ABさんも来年は受験生ですので面白い本を紹介し過ぎるのもどうなのかと悩みつつ今後のこの企画の在り方について考える今日この頃です。

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金次郎、長らく積読であった話題作、「人新世の『資本論』」を遂に読了

いよいよ冬が本格化してきた感じですが、気温の低下もさることながら空気の乾燥がひどくなっていることにも非常に気が重い今日この頃です。なぜかと言いますと、ただでさえルーチンでやらねばならないことが多い日常生活に乾燥対応のケアが加わるためで本当に面倒臭い。ということで、読者の皆さんにとって、心の底からどうでもいいことだとは分かりつつも、あまりにも書くことが無いために、金次郎の身体のケアについて書かせていただきたいと思います。すみません。

先ず起きてから最初にやるのは当然洗顔です。その後化粧水、乳液、クリームとフルに塗り込むのですが、気分によって妻の化粧品の中から安価なものとそれなりに高価なものを選んで使わせていただきます。出社する際には今や当然の日常ではなくなった出勤への気持ちを高めるために更に高品質なものを妻の目を盗んでこっそり使う場合も有るのですが、ちなみにそれはノエビア化粧品の最高級ラインの商品でお値段はとても恐ろしくて口に出せません(苦笑)。これまたどうでもいい話ですが、匂いフェチな金次郎はその日の気分でメゾン・フランシス・クルジャンのアクアユニベルサリスかジェントルフルイディティゴールドのいずれかのフレグランスを選びます。前者は爽やか、後者は甘いバニラの香りでかなり気分が上がります。ただ、会社でそれをいい匂いと言ってくれたのが、同じく中年のおじさん同僚(通称ミッツ・マングローブさん)ただ一人というのが気にはなりますが。。。

そして、朝のルーチンの最難関は点眼薬3本の時間配分で、目薬を差した後は1分ほど目を閉じてじっとしていないといけないし、それぞれの点眼の間も少なくとも5分は空けねばならないことから、朝の時間の無い時にちょっとでもミスるとそれなりにリカバリーに時間を要するので本当に面倒です。夜は夜で、洗顔からクリームまでのプロセスは同様ですし、時々妻から毛穴が汚いとクレンジングやパックをさせられるケースも有りこれはかなり手間と時間を要します。更に頭皮のマッサージにヘアオイルの塗り込みと続いた上に、なんと夜は点眼薬が4本となり更に煩わしさが増し増しとなります(涙)。これに加えて冬になると乾燥のために二の腕の発疹とかかとのガサガサが発生するため、これまたノエビアのクリーム1(薬用SDローション)とクリーム2(薬用SDクリーム)を塗り込む必要が生じ、特に足はクリーム後素足でベタベタ歩けないので、クリーム1・2と靴下を持って家の中をうろうろせねばならず、自分は何をやっているのだろうという気分になります(苦笑)。ただ、このクリームは一体どんな謎成分が配合されているのだろうと疑念が湧くほどに効果てきめんで、ガビガビになったかかとや足の裏、親指の側面などが塗り始めてから数日で赤ちゃんのお肌のような状態に戻り、かなり達成感が有るのは事実です。仕事ではいつもルートコーズ(根本原因)を見極めて対処しなさいと指導している立場としては、本来は床暖房をやめて足の裏を乾燥させ過ぎない、ちゃんとした加湿器を購入して室内の湿度を適切に保つ、などの対応をすべきなんだろうと思いつつ行動に移せていない言行不一致のダメ人間です(涙)。

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金次郎、たそがれ研修を受け定年後について考える

先日会社で研修を受け、一日半みっちりグループワークなどを通じて色々と考える良い機会となりました。どんな研修かと言いますと、あなたこのまま何も考えずに定年を迎えたらヤバいことになりますよ、という内容で、会社員生活の終わりがぼんやりと見え始める50歳前後で受けるため〈たそがれ研修〉と社内では呼ばれております(笑)。定年後あなたはだいたい17年生きる、あなたが死んでから奥さんは更に10年以上生きる、よっていくら必要になるが年金だけだとこういう感じになってゆとりの有る生活を送るにはこれだけ足りない、というようなシビアな話を突き付けられます。少し前に話題となった退職時に2000万円貯金が必要か否かという問題と基本的には同じような話なのですが、そもそも金次郎家が毎月どれくらい支出しているのかよく分かっていない体たらくにてスタートラインにすら立てていない不安感は否めません。

そして、ちょうど先日電話した際に父親も言っていたのですが、うまい具合にビンゴ的にきれいに金を使いきって死ぬのは不可能なために、常に預金が減っていくことへの恐怖と向き合わねばならず、それを避けるためにはやっぱりぎりぎりまで収入を得続けた方が良い、という当然の帰結となり、悠々自適の読書&ブログで余生を過ごそうと思っていた金次郎にはやや暗雲の切ない内容となりました。60歳過ぎでの再就職のハードルが高いというほぼ脅迫(笑)の説明を受け、将来を見据えた学び直しや準備を計画的に少しずつでも意識して実際に動き始めるべきタイミングと実感いたしました。ただ、働き続けるにしても、今の会社で40年前後がむしゃらに勤務した後の選択ということもあり、少しくらいは自分のやりたいことに寄せたいなと思い、研修でもさんざん問われましたので、改めて自分がハッピーだと感じるのはどういう瞬間かと自らを振り返ってみることとしました。こっ恥ずかしい自分探し作業でしたが、あれこれ考えているうちにこれまでの人生を通じて公私問わず仕事でも遊びでもオリジナリティのある金次郎らしい発信をして、それに対し面白かったやためになったなどのポジティブなフィードバックをもらった際にとても嬉しい気分になることを再確認することができ、そういうことならと、難易度は非常に高いと理解しつつも、現段階の夢として、このブログあるいはそれに類する発信を皆さんに楽しく読んでいただき、そこで僅かばかりでも稼げればいいな、とパイプドリームを掲げてみることにしました。研修では更に一歩進んで、その実現に向けた具体的なアクションも設定せねばならないということで、①ブログのみならず今後発信プラットフォームとなり得るsocial mediaについて行ってこれを活用できるようデジタルリテラシーを上げる、②このブログの文章をより分かり易く、読み易くてかつ面白いものにすべく心掛ける、③できるだけたくさんのことを経験すべく妻と色々なところに出かける、④もっと幅広く、かつ深い読書を意識する、そして⑤定年までの限られた時間にできるだけ密度の濃い経験を積めるよう、全力かつより広い視野で仕事を頑張る、という当たり前のステップを設定しました。先ずはとにかく妻の治療が最優先ですが、暫く時間が経過しても①~⑤ができていないぞ、とお気づきの際は是非叱咤激励いただけますようお願いいたします(笑)。

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