金次郎、「峠」(司馬遼太郎著)を読んで新潟に出陣

先週機会が有り人生で初めて新潟県を訪問いたしました。浅学で恥ずかしいのですが、新潟については田中角栄元首相、上杉謙信、米どころ、ぐらいしか知識が無く、そもそも上越新幹線で東京駅からわずか2時間で新潟駅までたどり着ける距離感に驚かされるところから始まる素人丸出しの旅となりました。新潟に行くならと、会社の先輩に薦めていただいた司馬遼太郎大先生の「峠」(新潮社 )を事前に読んでいたおかげで、辛うじてこの新幹線が進んでいるあたりを主人公河井継之助が歩いていたのかなとイメージすることぐらいはできましたが、それ以上何かを考えて掘り下げる取っ掛かりも無く、間抜けのように東京駅のホームで買った駅弁を食べ、ぼーっとしながら越後湯沢、燕三条、長岡といった途中の駅の風景を眺めつつ、長岡から新潟は意外と遠いなというようなことを道中考えておりました。

そういえば、「峠」も幕末の長岡藩で下級武士から筆頭家老へと異例の出世を遂げ、戊辰戦争最大の激戦とも言われる北越戦争において新政府軍との闘いを指揮した異才河井継之助の人生を描いた物語で、越後の話ではあるものの微妙に新潟ではないな、と準備の不備にやや悲しくなったりもしました(苦笑)。勿論そんな金次郎の落胆とこの名作の価値は無関係で、発想や思想の幅は同時代人随一と呼べるほど開明的であったにも関わらず、信奉する陽明学の影響からか、重要な局面で継之助が見せる自らの長岡藩士という立場に拘る頑迷固陋ぶりはそれと非常に対照的で、坂本龍馬のようにシンプル&ストレートでないこの人物の複雑な多面性が伺え、それを苦心して描いている司馬先生のイメージも浮かんできて非常に面白く読めました。継之助がかなり偏屈で面倒臭い天才であったことは間違いなく、周囲の人はさぞや苦労しただろうと同情しますし、お墓が作られては壊されるというのを何度も繰り返しているエピソードが彼に対する賛否両論の激しさをよく表していて、そんな個性的なキャラの人に会ってみたかったような絶対に関わりたくないような少し不思議な気分にさせられる読後感でもありました。

若干話がそれましたが、いや読書ブログなのでそれてないのですが(笑)、旅の話に戻りますと、新潟と長岡は新幹線で20分ぐらい離れているちょっと違う場所だぞと最後に気づいた金次郎の絶望は結果的に杞憂となり、奇跡的にクライアントが長岡出身の方で、この本を読んでいたことが奏功したのか(先輩、ありがとうございます)、仕事の話はスムーズに進み、その後の飲み会も盛り上がった楽しいものとなりました。新潟は冬は寒く年中風が強く吹く土地柄で、女性が気もお酒も強くしっかりされていることから、〈新潟の杉と男は育たない〉、というのが新潟の特徴を端的に示す有名な表現だというようなお話をうかがいながら地元の特産品や美味しい日本酒をたらふく食べて飲んだのですが、中でも名物の油揚げは美味でしたし、北雪酒造の純米大吟醸YK35というお酒は芳醇かつフルーティーで、たくさん日本酒を飲んだ一週間にあっても最高の逸品だったと思います。そして、何の変哲も無くさらりと供される締めの白飯の旨いことといったらなく、普通の牛丼チェーン店でも米が不味いとすぐ潰れるという米どころ新潟の底力を垣間見た気分でした。唯一の心残りは、名物茶豆の季節に少しだけ早かった点で、何とか近いうちにまた機会を作って再訪したいところです。

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金次郎、新語shrinkflationについて考える

今年に入ってからずっと色々な商品で値上げがトレンドになっていて、妻がいつも買い物をしながら高い、高いと嘆いております。小麦粉価格上昇の影響からか、先日デリバリーをお願いしたCoCo壱番屋のカレーも5%程度値上がりしていて驚いたのですが、これまでかなりボリュームが有っておトク感十分で気に入っていたサラダの量が激減しているのに二度びっくりでした。トッピングもあまりに値上がったせいか大好きな旨過ぎるソーセージに加えて、価格を抑えたハーフソーセージといったメニューが登場するなど、お店側も対応に大変苦労されているなと感じました。これまたいつも注文するトッピングのナスは価格据え置きで一安心です。似たような感じで、スナック菓子などを中心に価格は据え置きで内容量を減らし実質的な値上げを行う動きも最近急速に増えていますが、これを英語では縮小するを意味するshrinkと価格上昇を意味するinflationを足してshrinkflationと呼ぶようです。Shrinkflationがいいか、inflationがいいか微妙なところではありますが、これまで何十年もデフレデフレと言われて育ってきた身としては、給料も上がらない中で値上げに気持ちがついていかないのでしばらくはshrinkflationの流行を希望したいと思います。中年としてはその方が食べ過ぎも防止できて一石二鳥と自分を納得させることにします。

さすがに本は内容を減らしてしまうと致命的ですので(笑)、とりあえず値上げの方向に向かうのでしょうが、単行本のコスト構造を見てみると、著者が印税として10%、書店が20%、取次が10%で残りの60%相当を出版社が受け取るというのが一般的なようです。とはいえ、出版社はこの60%の中から高給取りと言われる人件費は勿論、印刷・製本にかかる費用(含むデザイン・装丁)、取材費用、プロモーション費用を支払わねばならないなど、関係者のどなたもコストアップを吸収する余裕は無さそうで値上げ止む無しかとも思います。一方、そもそも我々の給料が上がらないことからも分かる通り、残念ながら人件費は上がりにくい傾向が有り、やむを得ず上がるのはそれ以外の取次の物流関連費用、出版社の物理的な製本に関わる費用(紙代など)ぐらいと想定され、全体の25%が2割上がって5%程度の値上げで済むのでは、と勝手に期待しております。ただ、こうして書きながら思いましたが、前向きな動きではないものの、やはりshrinkflationの流れとなると、新刊でも単行本でなく文庫本で出そう、ハードカバーでなくコストの安いソフトカバーで、というような縮こまった雰囲気が出版業全体に蔓延してしまいそうで、それはちょっと寂しいので、読書好きとしてはただでさえ不振な出版業界の未来のために値上がった本を買い支えてお金を回していく必要が有るぞと、歯を食いしばってそれ以外の場面では節約することを心に誓いました。

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金次郎夫婦、結婚20周年を目前に仲良く股関節痛に苦しむ(苦笑)

このところ妻の股関節痛についてブログで何度か書いており、最近はだいぶ症状が改善してきて一安心とご報告しておりました。ところが、うつった訳ではないと思うのですが、股関節股関節と連呼している間になんだか自分の股関節も痛いぞと感じ始め、椅子生活であまりチャンスの無かったあぐらに挑戦してみたところ、なんと左右共に足が45度程度しか開かず(涙)、非常に困った状態であることが判明しました。普通に生活していればストレッチする際に少し痛いかな、という程度の症状で問題無いのですが、面倒なのは増加しつつある会食がお座敷で行われる場合です。最近ではお座敷といっても掘りごたつのお店がほとんどでフラットな畳というところは少ないのですが、時々古いお店でそういうところがあり、さすがに50歳のおじさんがずっと体育座り(体操座り・三角座り)やお姉さん風の横座りの姿勢をし続けているのは異様かつちょっとキモいので、一緒に食事をしている方におことわりして足を投げ出させてもらうようにしております。当然接待の場では無理ですし、後ろに壁が無いとずっとその姿勢でいるのも厳しく、また小さいテーブルに大人数で座る場合も足を投げ出す場所が無く難しいなど制約が多くなってしまうため、以前にもまして率先して幹事を引き受けフラット座敷絶対阻止の姿勢で臨んでおります。これまた50歳のおじさんが若者に任せず積極果敢にお店のアレンジをするのはやや不思議ちゃんな感じになってしまうのですが、背に腹は代えられずやむを得ないところです。最近は妻と共に治療院で施術してもらっているのですが、歳のせいか治るのになかなか時間がかかりそうなのに加え、同時に左の五十肩も発症し、劇的な老化を感じ悲しい気持ちになっている今日この頃です。

ただ、妻の股関節が改善しストレスレベルが低下したためか、はたまたブログ中でも紹介したこれまでに経験したことの無い激痛を伴う口の中マッサージの効果なのか、先生に首や肩のこりをほぐしていただいたお蔭なのか、眼圧低下に効果有りというカシスのサプリメントを飲み始めたためか、色々やり過ぎてどれが効いたのかよく分からなくなってしまっていますが(笑)、西洋医学の理屈では説明できない眼圧の低下という嬉しい改善も有り、このところ地味に気にかかっていたので人生とはやっぱり禍福は糾える縄の如しという通り、良いことと悪いことは上手い具合にバランスしているのだなと喜びつつ実感しております。しかし、定期検査で金次郎の左目眼圧が10ポイント以上下がって正常値に戻っていると知った大学病院の先生が、目薬が効かないならもうどうしようもないですねー的なやや投げやりな前回検査時の態度から一変し、何食わぬ顔でしれっと「今日は眼圧調子いいですね。やっぱり目薬が効いたのかな。」という変わり身の早さを見せたことに心のなかでツッコミを入れつつ、西洋医学と東洋医学のそれぞれの長所を知り両者を賢く活用するための知識が重要だなと改めて痛感いたしました。

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金次郎、「幸村を討て」で真田家ものに初挑戦

6月に入り出社する回数が増え、会食の機会もそれなりに増えてきました。同僚は海外出張をどんどん再開していますし、逆に海外から日本に出張に来られる方も急激に増えているように思います。そんな中、最近何だか分からないが苦しくて仕方が無いというような、原因不明のストレスを感じどうしたものかと思っておりましたが、ある時ふとその理由に気づきました。このブログを書き始めたのが2019年の12月で、最初の頃は書き溜めていたネタや読書感想を活用してちょっと短めの投稿をしていたのですが、次第に感想のストックが尽きる一方で、誌面を埋めようと書き始めた読書と関係の無い思い出や過去の面白体験、折に触れての雑感などを適当に並べたよもやま話のボリュームがどんどん増えるという迷走が始まりました(苦笑)。ところが、色々と感想を聞いてみると、なんとそのよもやま部分しか読まないという謎の読者が結構多いことが判明し、それら読者への忖度から意外と書くのに時間を要するよもやま部分を捻りだすのに四苦八苦するという本末転倒の状態に陥り迷走の度を強めておりました。それなりの読書もしながらこのブログの定期的な発信が続けてこられたのは、ひとえにコロナ禍での在宅勤務と会食件数の激減で身支度+通勤時間と夜の時間を読書とブログにフルに活用できていたためだったわけですが、それに気付かず通常モードに戻りつつある中でもこれまでの読書&ブログ更新ペースを維持しようとした結果、どうにも時間が捻出できず、自分の生活がなんだか回っていないぞという焦りがストレスに繋がっていたと漸く自覚したという次第です。とりあえず読書量を減らすと時間に余裕は出るのですが、そうするとブログに書ける読書感想のネタも減るのでそれは避けたい、かと言って毎週読んで下さっている有難い読者の方のことを考えると頻度も落としたくない、と出口の見えない袋小路にはまり込んだ気分で地味に悩んでおります。思いつく解決策としては、①奇跡的に英語が上達して英会話レッスンの頻度を減らせる、②妻の股関節が更によくなってやや遠方の治療院に付き添う回数が減る、③睡眠時間を削る、④夜の会食を通じ刺激的なネタが大量に入ってきて悩むことなくよもやま話を短時間で仕上げられる、⑤ここで紹介したくなるような面白い本を注意深く厳選して読む、などが有りますが、体に悪いのでなるべく③は避け①②④が起こるよう天恵を待とうと思います。(笑)

ところで海外からの訪問者ということで、久々にシンガポール在住の友人と会い、以前ちょっとここで紹介した銀座の鮨わたなべにて旧交を温めました。さすがは寿司の神様の最後の弟子、〆アジに始まりアナゴで締める伝統的な仕事は勿論申し分無い上に、子持ち昆布のウニソースがけという創作スペシャリテが絶品で、還暦を過ぎても弛まぬチャレンジを続けられている親方の姿勢に感銘を受けました。もっと色々書きたいのですが、あまり書き過ぎると寿司ブログとなってしまうのでこの辺でやめておきます。我々が食事をしている間にうちの妻と彼の奥様はオンライン飲み会をして盛り上がっており、粋に寿司を食べてさっと帰宅したところ、帰ってくるのが早すぎると非難ごうごうでした。近いうちに心置きなく四人で集まりたいところです。

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金次郎、時々訪れる神宮外苑の再開発に興味を持つ

4月から復活したNHKのクローズアップ現代は桑子キャスターの落ち着いた司会ぶりが心地よく、ニュース7からの流れで時間の有る際は結構観ております。そこで先日特集されていたのが神宮外苑の再開発計画で、このブログでも以前紹介した朝井まかて先生の「落陽」で描かれた、明治天皇を想い、神宮の杜の造営に植樹の協力などを通じて真剣に取り組んだ当時の日本中の人々のパッションが思い起こされ、少し淋しい気分になりました。樹齢100年を超える約900本の樹木が伐採あるいは移植されるという本再開発計画に対して市民団体の反対運動も起こっているとのことで、なんとか上手く移植という形で当時の人々の志を後世に残せればいいなと勝手に思っております。ただ、伐採でCO2排出量が増えると主張している人がいるようですが、老齢の樹木は成長ペースが落ちることで光合成の量も少なくなっているため、我々同様呼吸をすることで寧ろCO2の排出量は差し引きプラスになっており、老婆心ながらあまりその論点を主張し過ぎない方が宜しいかと思います。

2036年に完成予定となるこの計画では、4列×300メートルのいちょう並木はほぼ残るようですが、秩父宮ラグビー場は現在の神宮第二球場の場所にドーム型施設として生まれ変わり、神宮球場は逆にラグビー場のところにホテル等が入るビルをバックネット裏に擁するデザインで移転するようです。一方、草野球の聖地となっている軟式野球場は屋内・屋外にコートを備えるお金持ちのための会員制テニスコートに変貌を遂げるようで、いちょう並木を含む広大な私有地の維持費用捻出に苦心している明治神宮としては経済原則に従ったやむを得ない判断と思いますし(コロナでお賽銭も減ってしまったでしょうし)、野球がますます自分でプレイするスポーツから観るスポーツに変わっているのだろうなとも感じます。この再開発では建て替えとなる伊藤忠商事本社ビルを含む3棟の高層ビル(うち2棟は200メートル弱!)の建設も計画に含まれており、完工時点で64歳となっている(怖い)金次郎ですが、一度は冷やかしに行ってみようと今から楽しみにしております。

さて外苑前といえば金次郎夫婦がお世話になっているEさんの美容室が有り、まさか美容室の入っているちょっと古めのあのビルも再開発されてしまうのではと心配になりましたが、どうやら神宮とは無関係にそういう話が有るようで、移転先がどこになるのか非常に気になるところです。Eさんの美容室といえばこのブログでもお馴染みの金次郎の読書の弟子である文学好き双子姉妹のABさんが直ぐに頭に浮かびますが、中3受験生に読書を薦めるのもどうかと思いこのところ暫く紹介企画もできておりませんでした。忘れられてしまうのも淋しいですし、勉強にも息抜きは必要だろうと勝手に判断いたしまして、遠慮気味にいつもよりちょっと少なめの5冊だけを以下に挙げてみました。勉強が忙しければ来年の春に読んでもらえればと思います。

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金次郎、リアル「ハトの撃退法」を研究する

半年ほど前でしたか、うちのマンションでハトの害が発生していると住人の方から聞き、慌ててベランダとエアコン室外機置場の2か所を確認したのですが、その際は特段ハトの痕跡は有りませんでした。ハトは人の出入りが少なく、薄汚れて散らかっているところを安全と認識してお気に入りの場所とするようで、以前このブログで紹介したように、特にベランダは金次郎が趣味で頻繁に掃除しており、ハトに付け込まれる隙は無く、申し訳無きも他の住人の方は掃除をサボっていたところをハトに狙われた自業自得であろう、とかなりの上から目線で余裕をかましておりました。数か月前に確認した際もベランダは全く問題無く、室外機置場も若干の木の枝とごく少量の糞が確認されるのみで別段問題は無いように見え、妻の股関節痛のことも有り具体的な対策は取らず放置しておりました。

これを読まれている皆さん、絶対に木の枝と糞を見つけたら放置せず、即座に対策を取られることを心の底からお薦めいたします。もうお気づきとは思いますが、金次郎家は無知だったが故に少し油断した僅かの期間でかなりヤバい状況に陥ってしまっております(涙)。そもそも第一に、ハトは空飛ぶネズミと呼ばれるほど不潔かつ寄生虫、細菌、ウイルスの温床で、鳥アレルギーからサルモネラ中毒、オウム病やクリプトコックス症などの危険な病気を羽毛や糞を通じて媒介することが知られており(金次郎は知りませんでしたが)、糞のせいで美観を損ねたり悪臭の被害が出ることもさることながら健康への影響が懸念される侮れぬ存在で、平和の象徴などと崇めたててばかりではいられないその恐るべき真の姿を認識する必要が有ります。そして厄介なことにハトは他の鳥と比較して強い帰巣本能を有しており、自分の巣だと見定めたお気に入りの場所には執着してしつこく戻ろうとする習性が有り、とにかくこの習性が発動する前にお気に入りの場所を嫌いな場所に変える対策を取ることが非常に重要となるようです。お気に入り度レベルとしては①休憩ハト、②待機ハト、③ねぐらハト、④営巣ハトという順番となり、この順番に滞在時間と糞の量が増えるのですが、④まで進行してしまうとハトの並々ならぬ執着心により、ハトが嫌いなニオイを発する市販の忌避剤では全く役に立たず、かなりのケースではマンションの外壁を傷つけることになる防鳥ネットを張り巡らすしか対策が無いという人類の敗北状態となりますので本当に本当に早めの対応が重要です。金次郎家は現在ハトが常駐しているわけではなく糞の量もそれ程多くはないものの、ハトが集めてきた20本程度の木の枝を片付けても直ぐに元の状態に戻してしまうという比較的強い執着心を示されており、やや希望的に評価して②と③の間ぐらいの状況と思われ、慌てて購入した忌避剤(固形タイプ)を置きまくり、1時間おきに姿を見せ、ここは人間がいつもうろうろする危険な場所であることをハトにアピールしている悲しい状況です。前日に撤去した木の枝が翌朝には完全復活し、その巣らしきものの上でほくほくしてくつろいでいるハトを目の当たりにした妻は呆然としながら「ショック・・・。」とつぶやいておりました。ネットを見ると、ハトと闘っている同志の皆さんはかなりの確率で前日の作業が無になる衝撃を経験されているようで、この闘いの厳しさを痛感する次第です。とにかく数か月前は①の状態だったと思いますので、あそこできちんと対策をしていれば、という後悔先に立たずの日々を過ごしております(涙)。

また、こちらも反省ですが、ハトは自分の糞が存在していることでその場所が安全と判断しているらしいので、とにかく糞は僅かであっても見つけ次第徹底的に取り除く対策が有効だそうです。その際、感染対策をしっかりやっておかないと上述の感染症に罹患するリスクが有るため、マスク、ゴーグル、ゴム手袋等の準備を怠らぬようくれぐれもお気をつけ下さい。うちはまだ④となって卵が孵化したような形跡は無く、現在定期的に訪問してくるヤツが死んでしまえば一件落着なのだろうと思いハトの寿命を調べたところ、なんと10年生きると知り愕然といたしました。ちなみに卵を産み付けられてしまうと、それを勝手に処分すると鳥獣保護法違反に問われるリスクが有りますのでご注意下さい。なぜ危険な感染症をまき散らすハトがそんなにも保護されているのかやや理解に苦しみますね。なんとなく、以前紹介した「鳩の撃退法」(佐藤正午著)には実際のハト対策には1ミリも触れられていなかったな、と今更思い返しております。

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金次郎、ホームレス女子大生のサバイバル力に感服する

英会話のレッスンでネイティブスピーカーの講師を予約しようとすると、アメリカ人、イギリス人、南アフリカ人、カナダ人、アイルランド人、オーストラリア人等の中から良さそうな人を見繕って選択することになります。それぞれのお国柄になかなか特徴が有って面白いので紹介しますね。アメリカ人の場合に特徴的なのはイギリス人と比較してアメリカ国内にいながらオンラインで英会話の講師をしている人が多いことでしょうか。海外に行ったことは無いのかと聞くと、ややムキになってアメリカ国内でたくさん移動していると主張してくる人が多いのが印象的です。結構な確率で50州のうち10州とか14州とかに居住経験有りときちんと数えて覚えているのが日本人の感覚と違って面白いと思います。一方、最大都市ニューヨークに行ったことが無いという人もそれなりにいて、確かに日本の地方都市から東京に遊びに行くよりは距離的にも文化的にもハードル高そうな気がします。また、メキシコ、パナマ、コスタリカ等の中米の国にキリスト教関連のボランティア活動をするために住んでいる人もかなり多いですね。英語が難しくなるのと揉め事が嫌なので(笑)あまり突っ込んでキリスト教のどの辺の宗派なのかは聞かないようにしていますが、カルトとはいかないまでもややマイナーな宗派に属している人が多いような雰囲気がそこはかとなく漂っている気がします。

イギリス人の場合は大きく3グループに分かれるのですが、先ずはそれ程多くない国内組で極端に若いかお年寄りという二極分化の傾向が見られます。次のグループがスペイン(あるいはポルトガル)移住組です。このグループの人が口を揃えて言うのは、とにかくイギリスの気候には耐えられない、それに比べてここスペインの気候は最高だ!という主張で避寒に重きを置いているようです。相当田舎と思われるスペインの真ん中へんで太陽光発電、自分の農園+家畜飼育で意識高くプラスチックも使わずに自給自足生活をしている人がかなりの数いて驚きます。気候自慢とエコ自慢はお約束ですが、お子さんの教育にはやや苦労されている雰囲気でオンライン授業への依存度が高いようです。最後のグループは、以前このブログでも少し触れましたがさすらいの西洋人としてアジアに流れ着いている人々になります。このグループは、フィリピン、タイ、カンボジア、インドネシア(とりわけバリ)に住んでいる人が多く、基本的に都市部ではなくかなり田舎の農村部に住まれているパターンが散見されます。奥さんが現地の方の中高年男性という安定の型と、スキューバーダイビングのインストラクターをやっていたがコロナで仕事が無くなったという青年層(こちらは男女問わず)が多いですが、中には手広く事業をやっているという方もぼちぼちおられます。変わり種としては、自称多くの多国籍企業からアドバイスを求められていると自慢する人、世界を支配している秘密結社の陰謀から逃れるために敢て山奥に住んでいると真面目に語る人など突っ込みどころ満載の人も結構いて興味は尽きません。さすらっていることからもお分かりの通り基本的に非エリートの低所得層の人が多く、概して現在の保守党政権とりわけボリス・ジョンソン首相の批判をさせると金次郎が英会話の練習をする暇も無いぐらいしゃべりまくられるケースが有るので極力政治の話題には触れないようにしています(笑)。

南アフリカの方は殆どが自国から仕事をされている場合が多く、ヨハネスブルグよりも観光とワインが有名な港町ケープタウン在住の方が多い印象です。英語がネイティブっぽくないのと、電力供給が不安定でネットが時々切れるのであまり選ばないようにはしております。ほぼ全ての人が南ア政府は腐敗していてどうしようも無い、という諦念スタンスなので本当にそうなのだろうな、と思いつつ、ちょっと頼りないけど日本の政治はまだマシなのかなと感じたりもする今日この頃です。

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金次郎、御徒町の名店で同僚とお寿司を堪能

このところ出社や飲み会の機会が徐々に増えてきており、ようやくブログのネタ不足から脱却できると期待していたのですが、なかなかここで紹介できるような刺激的なエピソードは簡単には生まれず(いつも刺激的かどうか微妙ですがw)、今回はネタはネタでも先日会社の同僚と食べに行ったお寿司について書こうと思います。金次郎がシンガポール駐在時代に行きつけであった寿司店は、20年前の当時は未だそれほどメジャーではなかった日本直輸入ネタを出してくれるところで、海外にいるとは思えぬクオリティを堪能でき祖国を感じられる憩いの場でした。日本に本帰国する際にそこの大将から「あの店の大将は寿司(とゴルフw)のことしか考えていない」と太鼓判で紹介していただいたのが今回訪問した御徒町近くの鮨 一心です。このお店は江戸前寿司発祥の名店として有名な柳橋美家古寿司の四代目であり寿司の神様と呼ばれた加藤博章さんの最後の弟子にあたる渡辺佳文さんが初代店主を務めたお店です。その後渡辺さんは銀座で鮨 わたなべを開店されましたが、二代目の大将に代替わりした一心も江戸前寿司の伝統を受け継ぐ名店として繁盛しています。一心のカウンターには上記の寿司の神様の写真が飾られ寿司の出来栄えを見守っておられますが、ちなみにこの神様は大ヒットしたNHKドラマ「イキのいい奴」で小林薫さんが演じた主人公のモデルとなった方としても有名です。更に言うと、この「イキのいい奴」のベースとなっているのが「神田鶴八鮨ばなし」(師岡幸夫著 新潮社)という本なのですが、この本は〈寿司の神様〉の下で修業しその後神保町に神田鶴八を開いた著者による、親方とのエピソードやお寿司についての様々な知識、ひいては戦後間も無い頃の柳橋花柳界の雰囲気までを一流の職人の視点で振り返りつつ描いたエッセイで、寿司好きにはたまらない内容に加え人生訓としても読めるおすすめの作品となっております。ご興味有る方はぜひ続編の「神田鶴八 ちょっと小粋な鮨ばなし」(同 草思社)と合わせてお読み下さい。

前置きが非常に長くなりましたが、当日はいつも通り元気良く気遣いの行き届いた応対で迎えていただき、旨すぎる生ビールで乾杯した後、〆サバ・茹でダコ・イシダイ・カツオ・何かの貝(遺憾ながら種類を忘れました)をお刺身で出してもらい、そこから愛媛の冷酒を飲みつつアジのなめろうや平貝の磯辺焼きを堪能いたしました。どれも美味しかったのですが、特にイシダイの食感と脂の乗りが最高だったのと磯辺焼きの程よい弾力と海苔のパリパリ感も相変わらずの旨さでした。そしていよいよ主役のにぎり寿司ですが、一貫ずつ丁寧に供されるお寿司は赤酢ベースのシャリとネタのバランスが絶妙で勿体なくて飲み込みたくないものばかり。以下が美味しくいただいた寿司一覧となります。①コチ昆布〆②〆アジ③漬けマグロ④中トロ⑤ホタテ⑥イクラ⑦卵⑧ボタンエビ+頭焼き⑨アナゴ。どれか一つ挙げろといわれると悩みますが、追加注文した⑧ボタンエビの柔らかくて密度の高い食感と濃厚な味わいは素晴らしかったと思います。珍しい②〆アジも大葉の風味がぴったりの取り合わせでしたし、③漬けマグロから④中トロへの流れも月並みですが同じ魚とは思えぬ食感と味わいの変化を楽しむことができました。こんなに書いてしまうと校閲担当の妻に自分ばかり美味しいものを食べてずるいと文句を言われること必定ですので(笑)、きちんと名物ばらちらし寿司もお土産に購入し絶品ぶりを二人で楽しみパーフェクトな一日となりました。でも、また直ぐにでもお寿司食べたいです。

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沖縄返還から50年、金次郎生誕からも50年

日本語には音読みと訓読みが有るのは知っていましたが、音読みの中にも呉音、漢音、唐音などの種類が有ると最近知りましたので紹介します。これらは、同じ漢字でも中国から伝わった時代によって発音が違ったことに起因した差異のようで、「明」という漢字の読みのうち「みょう」は呉音、「めい」は漢音、「みん」は唐音となるようです。伝わった元となる中国語の発音が時代と共に変化したことが日本語の漢字の音読みが複数存在する背景ということですね。そして、日本語の熟語の読み方のならいとして基本的には全て呉音なら呉音で、漢音なら漢音で統一する、というルールが有るそうで、「男女」は「なんにょ」(呉音・呉音)、あるいは「だんじょ」(漢音・漢音)とは読んでも、「だんにょ」や「なんじょ」とは気持ち悪くて読めそうにないということからもご理解いただけると思います。ここで紹介したいのは、この法則に当てはまっていない奇妙な日本語が有る、という話なのですが、その言葉とはなんと我が国の首都を表す「東京=とうきょう」!「東」の読みが漢音の「とう」しか無いため本来「東京」は「とうけい」(漢音・漢音)と読まれるべきで、確かに「京王=けいおう」や「京浜=けいひん」では「けい」と読まれています。これは、江戸を新たに東の京都という意味の東京に改名するにあたり、あまりにも庶民の間に「京の都=きょうのみやこ」という読みが定着してしまっていたために、「とうけい」ではなく「とうきょう」と読まざるを得なくなり、当時日本語にうるさい知識階級の方々は発音がどうにも気持ち悪くてご不満だったとのことでなかなか面白いエピソードだと思います。言われてみると東京はかなり新しい地名であり、その知名度の低さゆえに東京駅の呼称はぎりぎりまで中央駅が優勢だったそうです。当然のことながら金次郎がこんなことを知っている程博学なわけではなく、「東京の謎(ミステリー) この街をつくった先駆者たち」(門井慶喜著 文藝春秋)からの受け売りです(笑)。他にも我々の良く知る東京の色々な場所について、あまり考えたことの無い切り口で解説されていて大変面白い本なので是非読まれることをおすすめします。

日本語うんちくつながりでもう一つ。気付くと2019年の5月に元号が令和に変わってからはや3年が経過しましたが、この元号にも日本語の持つリズムの法則が有るという話です。過去250以上存在する元号は漢字二文字の組み合わせですが、うち7割が「平成」、「大正」、「慶応」のような①2拍+2拍のパターンで、2割強が「昭和」、「明治」のような②2拍+1拍の組み合わせ、「和銅」や「治承」のような③1拍+2拍の元号はわずか7%程度しか無いとのことです。しかも9割強を占める①と②の場合の語感は上記の例でも分かる通り「強弱強弱」あるいは「強弱強」といった日本語としてなんとなく心地よいリズムに従っているとの法則も見いだせるようです。日本語のリズムとして発音し易いというのは赤ちゃん言葉に「まんま」、「ねんね」、「ばぁば」、「じぃじ」のような「強弱強」のパターンが多いことからも分かりますが、赤ちゃんが「強強弱」の「ばばぁ」、「じじぃ」としゃべったらちょっと怖いですね(笑)。これらを踏まえると、初めて万葉集から選ばれた画期的な元号と取り沙汰された「令和=れいわ」でしたが、見事に②のパターンで「強弱強」となっており、しかも近代に入り「文久」から「平成」まではずっと①と②が交互に繰り返されてきており次が②の順番であったことから、言葉の響きとしては過去のルールを完全に踏襲した保守的な選択であったことが分かり面白いです。そしてこれも「日本語の大疑問」(国立国語研究所著 幻冬舎)からの完璧な受け売りです(苦笑)。この本では、「わかりみ」や「やばみ」、「うれしみ」などの若者ことばを真面目に研究したりしていてこちらも興味深い内容となっております。

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金次郎、「御社のチャラ男」(絲山秋子著)の意外なクオリティに驚く

この4月から大学生になった甥っ子がどんなサークルに入るのだろうかと興味津々だったのですが、ちょっと硬派っぽいボクシング部に入ったと聞いてやや意外に感じました。ただよく考えてみると、かく言う金次郎も高校時代はボクシングが大好きで毎月ボクシングマガジンを欠かさず購入して熟読し、海外でビッグマッチが計画されると、授業そっちのけでその試合についての情報を独自にまとめ、教室の後ろの壁に勝手に壁新聞的に貼っていたのを思い出しました。今も昔も同じようなことをしていますね(笑)。じいさんに当たる金次郎の父も大学時代は空手部だったようなので格闘マニアのDNAが受け継がれているのやもしれませんが(笑)、怪我などせぬよう気を付けて充実した大学生活を送ってくれればいいなとひっそり応援しております。

そういえばオンライン英会話の講師には流れ者のさすらい西洋人が多いのですが、かなりの割合の人がタイに住み着いており、揃いも揃ってという程ではないものの結構な人数の講師がムエタイなどの格闘技をやっていて驚きます。先日もグローブ無しのベアナックルファイトのプロの方が講師でファイトマネーは勝てば1万ドルで負けると5千ドル、グローブを付けた一般のボクシングの方がダメージが蓄積するのでパンチが当たればすぐにKOとなる素手よりも死亡率が高いなどの豆知識(?)を教えてもらいました。そんなふうに会話のネタがすぐに見つかれば良いのですが、通常は特段準備しないと毎回ウクライナ問題についてフリーディスカッションすることになり悲しい気分になるので(ちょっと前まではコロナの話ばかりでしたが)、DMMが用意しているデイリーニュースを題材に会話を進める場合が結構有ります。そのニュースがどういう基準で選ばれているのかよく分からないのですが、先日upされていたその日のニュースに〈日本の学校、350万円の水道料金の請求書を受け取る〉というものが有りました!これは、神奈川県のある中学校でプールを管理していた教員がプールに水を入れ続けることで塩素とフィルターの効果により生徒がコロナウイルスから守られるとの意味不明な思い込みのもと、3か月以上に蛇口を亘って開けっぱなしにしていた(他の教員が蛇口を閉めるたびにしつこく開けていた)、という理解し難い事件について紹介した内容で、学校側が公に謝罪して、その水道料金の半額を校長、副校長、担当教員で自己負担する、という処分の詳細まで記載されておりました。この事件はこの事件でなかなか興味深くはあるのですが、正直これを題材に外国人とディスカッションするのには相当厳しいものが有りました。どう話してもhis misunderstandingというところに帰結してしまい話が展開しませんし、いつ「なぜ負担が半額なのか?」と聞かれるかと思いひやひやして集中できませんし、プール11杯分の水が無駄になったということで講師が水不足に苦しんでいる国の方でなかったことがせめてもの救いでした。DMMにもう少しマシな記事を選択してくれるよう心からお願いしたいところです。

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金次郎、GWに近所の有名パティスリーを訪問

せっかくのゴールデンウィークでもあり、妻の股関節の状態も少しずつ改善してきておりましたので、うちの近所に美味しいケーキ屋さんが有るとの会社先輩情報を頼りにそのお店まで久々に少し散歩してみました。天気も良く行楽日和であったためか普段より人が多く出ている印象で、パワースポット小網神社や親子丼の玉ひではいつにもまして長蛇の列となっておりました。兜町の方に歩きますと、昨年オープンしたKABUTO ONEの1FにできたおしゃれカフェのKNAGが賑わいを見せておりこちらも訪問せねばと頭の中にメモりつつ、お目当てのPatisserie easeに到着。11時のオープンを目指して家を出たのですが、行列こそできていなかったものの店内のイートインスペース(6席)は全て埋まっており、フロア内もケーキや焼き菓子を求めるお客さんが次々と来店しかなり混み合っておりました。これは期待できるぞと初心者らしくショートケーキと和栗のモンブラン、そしてこのお店のスペシャリテであるアマゾンカカオシュークリームを購入いたしました。近くの渋沢栄一邸跡地にオープンした姉妹店tealはアジアのトップショコラティエである真砂翔平さんによるチョコレート&アイスクリームのお店ということでこちらも捨てがたかったのですが、さすがに一度に両方食べるのは欲張り過ぎだろうということで今回は諦め次回の散歩の楽しみといたしました。ということで早速帰宅してコーヒーを入れわくわくしながら食べてみたところ、ショートケーキはイチゴがふんだんに詰め込まれているにもかかわらず酸っぱさは感じず程よいコンデンスミルク的な何かの風味がまろやかで上品な甘さを醸し出し非常に美味しくいただくことができました。和栗のモンブランは少し控えめで繊細な和栗クリームと和のイメージからなのか綿菓子を連想させる台の部分が程よく調和しており、付け合わせのベルガモットソースもいい感じのアクセントになっていて、さすがは素材の繊細なハーモニーを得意とするイデミ・スギノで修行された大山恵介パティシエならではの技と感服いたしました。アマゾンカカオシュークリームもかなり複雑な味で技巧が凝らされていることは理解できましたが、ルビーチョコが入っているのかはたまた何らかの柑橘類が使われているのかかなり酸味が強く感じられ、甘々クリームが好きな金次郎夫婦は少し苦手かなという感想でした。お店が混んでいることに焦ってしまいじっくり商品を選べない小心者夫婦の我々ですので、次回はもっとよく事前に調べた上でイデミ仕込みのムースなどをきっちり購入したいと思います。

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金次郎、かつて訪れたモーリシャスに思いを馳せる

金次郎は2002年に結婚しましたので今年は20周年イヤーとなります。その年にシンガポールに駐在となりバタバタした関係で新婚旅行は翌年の2003年にずれ込みまして、折角シンガポールにいるのだから日本からはアクセスしにくい場所に行こうとアフリカの島国モーリシャスを訪問することにしました。金次郎もそれまで全く知らない国でしたので皆さんにもあまり馴染みが無いと思いますが、広さはだいたい東京都ぐらい、人口は120万人程度のアフリカ地域に属する小国です。仏領、英領時代を経て1968年に独立していますが、アフリカ大陸には近いもののインド洋に位置しているためか国民の過半がインド系ということで、確かにホテル従業員、タクシー運転手、お店の店員など全てインド人だった記憶が有ります。旅行全体を通じ、そのインド人が若干というかかなりアジア人を差別していると時々感じたのはまぁよくあることで今となっては旅の一幕と思えるのですが、とにかくこの旅で耐えがたく辛かったのは往復のモーリシャスエアーがヒマラヤかと思う程に極寒だったことです。空調が悪いのかどこかに隙間が空いていたのか分かりませんが、シンガポールからの7時間、眠ったら死ぬのではないかとの恐怖に怯えつつ妻とガタガタ震えていたことをよく覚えています。少し学習して帰りのフライトでは夫婦で大量にもらったブランケットにくるまってどうにかやり過ごすことができましたが、これから行かれる方はどうかお気を付けください。もう改善されているやもしれませんが。

モーリシャスの首都はポートルイスという町で近くの丘から一望できるのんびりした雰囲気のなかなか穏やかで落ち着ける場所でした。ホテルはそんなに高くなかったにも関わらず、お風呂のようにありえないほど透明のプライベートビーチを擁する非常に素晴らしいリゾートホテルで旅の気分を満喫できました。多分ここだと思うのですが何分20年前なので自信無しです。→The Residence Mauritius ホテルでは、プールサイドでパンケーキの朝食をパンくずをもらいに集まってくる小鳥に囲まれて食べたり、薄暗いムーディーなレストランで豪華なディナーを楽しんだり、ビーチのリクライニングチェアに寝そべってフルーツをつまんだりスパでマッサージを受けたりと、当時の我々には分不相応な遊びを堪能いたしました。町遊びも楽しめるところで、運転手さんがピカピカに磨いたご自慢の自家用車でタクシー営業をしており、その車で色々な場所に連れて行ってもらうスタイルとなっており、結構長い時間を共にする運転手さんの個性が旅のスパイスになってもいます。ある日お願いした運転手さんは真っ赤なBMWで現れ、俺の車イケてるだろうオーラをビシビシ出してくる感じだったのですが、ショッピングモールから駐車場に戻ってみると、有り得ない量の鳥フンにまみれてしまった赤BMを必死に拭いている彼の姿に遭遇し、何ともいたたまれない気分になったことを鮮明に覚えております。この鳥フン事件も印象的だったのですが、夫婦で未だに笑い話として繰り返し思い出すのが船着き場欄干事件です。ちょっと大きな滝が見どころとのことで、それを見に沿岸の小島までモーターボートで行ったのですが、ツアーが終了して本島の船着き場に戻ってきた際に、船から降りようとした金次郎がちょっとバランスを崩した拍子に桟橋の欄干らしきものをガシっと掴んでぎりぎり転倒を免れました。やれやれとホッとしつつ何だかワシャワシャして変だなと思った瞬間、掴んでいたものが船のへりに座っていた乗組員のおじさんの頭部だと気づきパニック状態となりました(笑)。よく見てなかったのは本当に申し訳無かったのですが、ちょっと茶色くて円柱っぽい感じがまさに欄干そのものでした。頭頂部を神聖視する文化もありますのでどうなることかと思いましたが、そのおじさんも他の乗客も皆爆笑となり事なきを得て本当に良かったです。他にも書けそうなことが有ったような気がしますが、長くなりましたのでまた別の機会に思い出したら紹介することにします。

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金次郎、43年前のピカピカの一年生時代を思い出す

4月は入学の季節ですが、この機会に43年前に金次郎が晴れてピカピカの一年生になった頃のことを無理矢理思い出してみようと思います。当時は父の仕事の都合で故郷の福岡を離れ、縁も所縁も無い岡山県岡山市に住んでおりました。後になって地理で勉強して改めて実感したのを覚えていますが、岡山の天気は瀬戸内式気候そのもので温暖且つ雨が少なく非常に過ごしやすかった記憶が有ります。おまけに梨、桃、ぶどうなどのフルーツが豊富で入手し易く、裕福ではなかった我が家の食卓も食後のデザートには不自由していなかったようにぼんやり思い出します。こうして書いていると、随分昔の話でこれまで殆ど忘れていた記憶が少しずつ蘇ってきて不思議ですが、アパートの屋上に皆で集まって夏に打ち上げ花火を見たこと、父に後ろを支えてもらって初めて補助輪無しで自転車に乗れたこと、友達の家の前の広場でたくさん取ったバッタをカマキリと同じ虫かごに入れてしまったらみんな食べられていて悲しかったこと、裏路地の駄菓子屋や通学路の豆腐屋の風景などが結構鮮やかに浮かんできました。福岡で過ごした高校までの記憶がスカスカであまり思い出せず、妻によくどういう少年期を送ったのかと不審がられるのですが、6~7歳の時期にたった2年しかいなかった岡山のことをこんなに覚えているとは我ながら意外でした。

小学1年生の担任をしてくださったのはA山先生というとても優しい女性の先生でしたが、先生は津山というかなりの遠方から通われており、毎日遠くから大変だと両親が話していた記憶が有るのですが、何の因果か金次郎の今の職場で津山に所縁のある仕事をしており同僚がこれからたびたび当地を訪問することになると思います。津山市の人口は約10万人と意外に多く、A山先生の消息に辿り着くことはないでしょうが、お元気でおられることを祈念しております。小学校では初めて食べた給食のアイスクリームチーズケーキが体に合わず3日間ほど寝込んだり、後ろの席のM岡君から背中を鉛筆でブスブス刺されて辛かったりと(今でもその跡が残っている)、あまり良い思い出は無いですが、40年ぶりにY山さんという女子に初恋をしたことを思い出しました。彼女の制服姿が子供心に可愛く見えた金次郎少年でしたが、現在とまるで違って大変シャイだったため殆ど会話をすることはできなかったように思います。懐かしい。しかし、何と言っても岡山の一番の思い出は美しい旭川の川辺を母と妹と散策し、四葉のクローバーを探したり、春につくしを摘んだりしたとても穏やかで優しい情景の記憶です。岡山城の遺構が有って、素晴らしい庭園である後楽園のすぐそばを旭川が流れるあの風景は心に沁みる情緒が有り、特に夕暮れ時の眺めは、忘れてましたが、懐かしい原風景として脳裏に焼き付いております。できることなら改めて眺めてみたいと強く思いますが、半世紀近く昔の記憶ですので、色々と変わってしまっているのでしょうね。

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金次郎、未体験指圧の激痛にあわや落涙

最近は歳のせいか首、肩のこりがひどく、それが頭痛につながることもしばしばで、何か良い対処法は無いものかと常々考えておりました。そんな折にたまたま付き添っていましたので妻の股関節痛でお世話になっている整体の先生に相談したところ快く治療を引き受けて下さいました。初回の施術は割と一般的な骨盤の歪み調整などで身体のバランスを整える感じで終始し、それはそれで全身がリラックスできて良かったのですが、首や肩の頑固なこりは改善せず、やはり歳には勝てぬのかとなかば諦めかけておりました。ところがそこで先生から、一度治療をした感触と身体の反応から金次郎の治療ポイントがクリアになり、非常に痛いが効果が見込める治療を試すのが良かろうとの提案をいただきました。金次郎は学生時代に運動をやっていたこともあり、様々なマッサージや鍼灸の治療を受けた経験はそれなりに多く、施術時の痛みや心地よさの感覚はある程度持っております。なかでも亀戸の先生の骨がバラバラになりそうなこれでもかという激痛の指圧や、シンガポールの通称〈指圧の魔術師〉ソー先生による気体の収縮を利用して背中の肉をカップに吸い取るカッピング治療の痛みはかなりのものでした。さらにソー先生の上級テクであるそのカップを背中の上で縦横無尽に動かす拷問的な手技を経験している金次郎ですので、何とか耐えられるだろうと痛みに激弱な性格上きっちりビビリはしたものの、心を決めて治療を受けることといたしました。

一体どんな治療が始まるのかと全身を硬直させて待つこと数分、先生は指に滅菌サックを装着し、これから口の中のマッサージをします、と軽やかに宣言されました。その後に起きる状況が全くイメージできず呆然としながら言われるがままに口を開けると、先生が頬骨、ほっぺた、下歯茎の部分を口の内側から外側に向けて思い切り押し始めるではないですか。横で見ていた妻が、ほっぺたから先生の指の形が分かる、という程ぐいぐい押されたことに伴う痛みは全く未体験のこれまでとは種類の違うもので、少しでも気を緩めると涙がこぼれ落ちてしまいそうで、何とか恥ずかしいことにならぬよう必死でこらえねばならない恐るべき体験でした。これでもまだマックスの三分の一ですよと施術後に言われて先が思いやられましたが、気づけばなんと首、肩から頭皮まで相当リラックスしたゆるゆるの状態になっており、かなりこり症状が改善する驚きの効果で、確かに体の内側と外側の両方から治療ポイントにアプローチできるのは口の中だけであり、これはもう少し耐えてみようと前向きな気分になりました。またどこかで経過をご報告させていただきます。

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【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2022予想対決の結果を発表!

早速ですが、4月6日(水)の15:30に発表となりました今年の本屋大賞作品は逢坂冬馬先生のデビュー作「同志少女よ、敵を撃て」早川書房)となりました!逢坂先生のウクライナ戦争に対する深い悲しみ、プーチンでなくロシア国民が平和を願う気持ちを信じたいという強い思いが伝わってくる真摯な受賞スピーチが印象的でした。2位に100点以上の大差をつけての文句無しの受賞、逢坂先生おめでとうございます!

金次郎はロシアのウクライナ侵攻のプラスの影響は認識しつつも、侵攻(2月24日)と投票締め切り(2月28日)のリードタイムの短さから多くの書店員さんは投票に反映させられなかったと見て5位としたのですが、候補作10冊を全部読んで全作品への書評を添えないと投票が有効とならないルールが(我々もほぼ同じことをしていますw)、忙しい合間を縫っての作業となる書店員さんの重荷となり、必然的に投票がぎりぎりになった結果より多くの得票に繋がったものと分析しました。よく考えると、直前まで各候補作の売れ行きを睨みながら最終盤まで投票を引っ張り、その時点で一番売り上げアップが狙える作品に投票するのも商業的には合理的とも思えますので、次回は投票締め切り直前の時事ネタや各種ランキングなども加味して予想しようとノートに書き留めました。

一方のMは戦地となってしまったウクライナにも近いドイツ在住であり、この危機を直接肌で感じて心を痛め、戦争を題材として描いているとはいえエンタメ要素も盛り込んだことに起因する不充分なリアリティへのネガティブな印象が影響し9位としてしまい予想対決という観点では大きなダメージを負うこととなりやや気の毒ではありました。

2位は「赤と青とエスキース」(青山美智子著 PHP研究所)で金次郎もMも構成の難から6位としたのですが、よくよく考えると勿論昨年2位の著者への期待もさることながら、候補作中唯一の恋愛を中心テーマとした作品であり、この点をやや過小評価してしまっていた感は否めません。とMに伝えたところ、いやいや「残月記」にも恋愛要素在りましたよ、と大賞に推して7位に沈んだ作品への執着を滲ませるあたりに彼の悔しさを感じました。

3位となったのは「スモールワールズ」(一穂ミチ著 講談社)で金次郎は大賞、Mは3位と予想しましたのでほぼ想定通りの結果でした。今回3位と渋い順位にとどまったことで、著者が後続作品をどんどん世に出していることから、次回記念すべき第20回本屋大賞の獲得も狙えるポジショニングかと思います。こういう先入観は予想外しのもとなのですが(苦笑)。

さて、金次郎の溢れる喜びに読者の皆さんはもう薄々気づかれていると思いますが、はい、予想対決は金次郎の勝利となり戦績を2勝2敗のタイに持ち込みました。次回20回記念大会は勝ち越しを賭けた天王山となります。

ところで、本ブログの最初の読者であり校閲担当でもある妻ですら全く理解しておりませんので、よもや読者の皆さんの中にこの順位予想対決のルールをご存知な方はおられないと思います。折角ですので結果発表のついでに簡単に説明しますと、作品の予想順位と実際の順位の差の絶対値に(11-順位)を掛け合わせたものを合計し、合計点が少ない方が勝ちということになっております。具体的には、大賞となった「同志少女~」は金次郎が5位と予想したので|1―5|×10=40、一方Mは9位としてしまっており|1-9|×10=80となります。2位の「赤と青と~」はどちらも6位としたので|2-6|×9=36という具合ですね。これを全作品について計算し合計するわけですが、今回金次郎は148点、Mが207点となり、点数の少ない=特に上位の予想のずれが相手より少なかった金次郎の勝利!ということになります。ちなみにこのルールでの最高点は0点(大賞から10位まで全部当てるケース)、最低点は298点(どういうパターンか考えてみて下さいw)ということで200点越えのMはまずまず外した格好となっております(笑)。

以下、4位以降の順位と簡単なコメントです。

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【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2022順位予想対決!

今年もこの日がやって参りました。4月6日(水)の本屋大賞2022結果発表を前にその順位を予想するという何ひとつ世の中の役に立たない本企画ですが、そんな無駄なことに全力を傾けるというその青春性に悦に入っている金次郎と宿敵Mの対決に、半ばあきれつつで結構ですのでしばしお付き合いいただけますと嬉しいです。

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【金次郎の総評】

今年で4回目となり年々候補作読み込みの質と量が上がった結果、もはや公私問わず一年で最も労力をかけるイベントとなった本順位予想対決、人生の優先順位として正しいのかとの耳の痛い問いは無視し、直近の2連敗という汚名を雪ぐべく今年も全力で臨みました。

いざ候補作を前にすると、昨年ワンツーの町田、青山両先生の揃い踏みに予想外しのトラウマから心をかき乱され、評価の難しいミステリー作品が4作も入っていることに悩み、前回痛い目に遭った待望プレミアムが見込まれる寡作作家の久々の新刊に怯え、ビッグネーム渾身の長編や王様のブランチBOOK大賞受賞作といった読む前から上位を意識させる作品を前に必至で冷静になろうとするなど、無駄に頭でっかちとなってしまった金次郎は内容を吟味する前から混乱の極みでした。

それでも、過去候補作全部読みプロジェクトを通じた気付きや全18回の実績検証の結果も参考にどうにか順番を付け、今回大賞としたのが「スモールワールズ」(一穂ミチ著)です。6作の各短編が全く違う空気感の世界に読者を誘う物語の宝箱ぶりは群を抜いており、この小さいけれどどこまでも深い世界を一般小説ではほぼ無名の著者が描いたとあれば書店員の玄人気質を刺激せぬ筈がなく、背水の金次郎も安心して読書家のプライドを預けられる一冊でした。

次点は「黒牢城」(米澤穂信著)です。金次郎イチ推しの米澤先生に大賞をとのファン心理を割り引いても、歴史ミステリー、人間ドラマ何れの角度からも最高ランクの内容であり、迷いましたがやはり直木賞受賞はマイナスに作用するだろうとの辛うじての冷静さから涙を呑んで2位としました。

3位は社会派の旗手と伏線の狙撃手の対決となりましたが、フレッシュな次世代感と毎年強いBOOK大賞を評価しつつ、自分の好みで「正欲」(朝井リョウ著)を推すと外すとの勘に従い「六人の嘘つきな大学生」(浅倉秋成著)を選出しました。

【Mの総評】

コロナが流行し始めてから気が付けば2年、ようやく世の中がそれを克服し元の生活に戻っていこうかというところで今度はロシアによるウクライナ侵略が発生、益々不透明感を増していく世の中において具体的に生き方の処方箋になりうる作品が世間に求められる(=本屋としても売っていきたい)傾向と理解しています。

とはいえ、まずは完成度が高く個人的に推したい「残月記」「スモールワールズ」「正欲」「夜が明ける」「黒牢城」を1-5位群としました。中でも、今を生きることについての名状しがたい難しさを作品という形を通して世へ問おうとしている朝井リョウ「正欲」、SFファンタジーながら現代を生きる我々へ生きること・愛することについてのヒントを与えてくれている小田雅久仁「残月記」のどちらを大賞と予想。朝井作品は結構既に売れている一方、寡作の小田雅久仁がスターダムにのし上がることを多くの書店員が願っていることに賭して「残月記」を1位と予想しました。

その後は、本当は「夜が明ける」「黒牢城」「スモールワールズ」の順としたいところですが、既に名声を得ている「黒牢城」については本屋大賞で売り出すインセンティブが低いため劣後、逆に一穂ミチへは逆の力が働くと予想し「スモールワールズ」を3位に据えました。

「赤と青とエスキース」は個人的には平凡と思いましたが、昨年この作者は2位に入ったこと、また生き方の指針を示すタイプの作品ではあるので、6位まで押し上げました。毎度下位に予想して少し申し訳なさもある知念先生の「硝子の塔の殺人」は面白かったですが、本格ミステリーで上位入賞は聊か苦しいかと。「星を掬う」は個人的には6位ですが、昨年大賞を受賞したことが当然向かい風になると予想。「同志少女よ、敵を撃て」は(既に売れてはいるものの)なんだかんだ上位に食い込む予感もしており、今年の本屋大賞予想対決に分水嶺がとあるとするとこの作品かなと思っています。

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金次郎、お世話になった方からの依頼で父から15歳の息子に贈る本を選出

どうにかこうにかweeklyでのupを維持しております本ブログですが、次回はスケジュールの関係でちょっと間が空き4月3日(日)あるいは4日(月)の投稿となり、そこで金次郎と宿敵Mの本屋大賞2022順位予想を大発表いたします。その後6日(水)の大賞発表を受け、8日(金)か9日(土)に予想対決結果をご紹介する予定にしております。どうぞお楽しみに!

さて、今回は敬愛する先輩であり、シンガポール時代より家族ぐるみで仲良くさせていただいているAさんからこの春より高校生になるご長男に贈るべき本を見繕って欲しいとのご依頼があったので、こちらで紹介させていただこうと思います。いざ考え始めるとこれは大変な難問で、お父さんの思いも息子さんの趣味もある程度踏まえていないと不適切なチョイスになりそうで、悩みに悩み、この数年で読んだ2000冊超のリストを頭からひっくり返すこととなりました。結局、自分の好きな本が中心になってしまい本ソムリエとしての才能の無さを露呈する結果となってしまいましたが、以下が絞りに絞った10冊となります。Aさん、ちょっと偏ってしまいすみません。

【Aさんのご子息への紹介本10選(順不同)】

◆「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド著 草思社 ):人類の進化の歴史とその背景を地球的視野で語るこの本は、高校生にはちょっと難しいようにも思いますが、金次郎としては本格的に歴史や地理の勉強をする前に読んでおきたかった一冊です。メモを見ながら内容の詳細を思い出し選びましたが、冒頭のニューギニア人であるヤリさんと著者とのやり取りは非常に印象に残っています。これを選んでしまったので、泣く泣く「サピエンス全史」は候補から落としました。

「徳川家康」(山岡荘八著 講談社):金次郎は父の本棚に鎮座していたこの全26巻を眺めながら成長しましたが、実際に読んだのは成人してからで、もっと前に読み、内容について父と語り合うべきだったと後悔しまくった、様々な人生の機微を疑似体験できる歴史大河小説です。人生の節目で何度も読み返す人が多い、新たな発見の宝庫である本作の存在を心に留めていただければどこかできっと何かの役に立つと思います。

「動物農場」(ジョージ・オーウェル著 早川書房):言わずもがなの名著ながら全体主義、スターリン主義批判ということでやや歴史的モメンタムを失っていたものの、新たな全体主義の足音が幻聴ではなく聞こえ始めたこの時代に改めて若者の記憶の端にでも残しておきたい内容と思い選出いたしました。先ずは、何だこの意味不明な動物の話は、と怪訝に思ってもらい、その後歴史を学んで、これってまさかあの話では、とリンクして驚いて欲しいというのが金次郎のささやかな企みです。

「バッタを倒しにアフリカへ」(前野ウルド浩太郎著 光文社):アンリ・ファーブルに心酔するバッタ博士の著者が西アフリカのモーリタニアで苦労しながらバッタ研究を続ける体験記です。面白く読み進める中で、仮説を導く発想、検証に向けた色々な工夫、やりたい事への共感を集めて仲間を増やす方法論、現場に赴くことの大切さなど、人生において重要なことが学べる良書だと思います。

◆「十五の夏」(佐藤優著 幻冬舎 ):最近このブログでも紹介しましたが、まさに15歳のこの時期にウクライナ危機を経験している今こそ読むべき旅行記と思い選びました。佐藤先生の常人離れした人生は全く参考にはなりませんが、旅行もままならぬ昨今、日本にいては感じ取ることのできない危機感を体感して欲しいと思います。旅行記かぶりということで涙を呑んで「深夜特急」は外しました。

「地下鉄道」(コラソン・ホワイトヘッド著 早川書房):オバマ元米国大統領も推奨したこの本は、悲惨な南部黒人差別の実態を描き出すばかりでなく、リベラルの仮面を被った人間の偽善をも暴き出すちょっとシリアスな内容です。ただ、そういう時代に命懸けで黒人たちの逃亡を支援した結社〈地下鉄道〉に関わった人々の思いに何かを感じて欲しいと思い選びました。

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仕事での研究が一段落し、「自由研究に向かない殺人」を読む

少し前にノミネート作品を紹介しましたが、今年の本屋大賞発表は4月6日(水)ということで、通算4度目となる金次郎と宿敵Mによる本屋大賞順位予想対決も徐々にテンションが上がって参りました。スケジュールの関係で今回の順位予想発表は直前の4月3日前後になると思いますが現在二連敗中の金次郎が勝てるよう応援宜しくお願いいたします。まさかこのブログを読んでいただいている方の中にM推しはいないと信じたいですが(笑)、ドイツくんだりからこの中年のお遊びに真面目に付き合ってくれている彼にもぜひ声援を送っていただければと思います。とは言え、去年負けた際に購入しておくべきだった景品の〈金の栞〉をまだ買っておらず、その間に金価格は上がるわ円安になるわで金次郎の懐はかなりまずいことになっており、今年は負けられません(苦笑)。ちなみにMはある競技で日本一になった経験が有るという触れ込みでスーパールーキーとして金次郎の会社に鳴り物入りで入社してきましたが、飲み会でその技を披露してもらったところ、???という雰囲気となり、しばしの静寂が訪れたことを記憶しております。こんな謎めいた彼についてもご本人の了解をもらいつつ、可能な範囲で紹介していきたいと思います(ネタ切れのためw)。

去年の終わりに少し書きましたが、妻がしばらく股関節の痛みと全身のしびれ症状に苦しんでおり、夫婦で辛い状況に耐えておりました。その際に、読者の皆さんをはじめたくさんの方から励ましやアドバイスを頂戴し、夫婦共々感謝しながら頑張ってきましたが、おかげさまで症状は最悪期を脱し、少しずつ活動の幅も広がって、美容院や歯医者といったちょっとしたチャレンジの予定もこなせるようになってきました。まだまだ回復途上ではありますが、二人で健康の有難みを噛み締めつつ油断せずに治療を続けようと思います。改めましてお気遣いいただいた皆さん、本当にありがとうございました。その妻の症状について書いたブログにドラマ「真犯人フラグ」が面白い、と紹介したのですが、先週末に最終回を迎え、二転三転するストーリー展開、意外な犯人と動機への納得感、伏線回収の満足度と何れを取ってもなかなかの秀作だったと思います。放映中に西島さん主演の映画「ドライブマイカー」が話題になり改めて彼の演技の幅広さに感心しながらじっくり観られて楽しめました。

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金次郎、加賀恭一郎シリーズ全10作を一気に読了(後編)

最近ロシアのウクライナ侵攻関連の記事を読んでいると、stop short ofという表現をよく目にします。~まではしない、~はせずに踏みとどまる、というような意味で、SWIFT決済システムからの排除まではしないとか、ロシア産エネルギーの禁輸までには踏み切らない、というように使われるのですが、次のステップを示唆してマーケットに準備をさせる思惑も有るのでしょうが、脅しのような雰囲気も有りますし、これまでshort ofの後に書かれたことは悉く実行されており、この表現を見つけると非常にホラーな気分になります。

さて、意外と好評だったこともあり、シンガポール支店の運転手Pさんの話の続きを書くことにいたします。Pさんは見た目は今は亡き宅八郎さんなのですが、わりと頻繁にバックミラーを観ながら髪をなでつけ、ナイスな七三的スタイルに仕上げる習性を持っており、自分がかなりイケていると勘違いしているフシが有りました。そんな自意識過剰なPさんはご多分に洩れずかなりの女性好きで、恐ろしくて踏み込んで詳細を聞く勇気は出ませんでしたが、時々場末のカラオケスナック的なところに通われていたようです。そんな彼は、会社の運転手だったにも関わらず時代の先を行く副業で週末にタクシー運転手のバイトをやり、しかも危険運転者であったため開始数日で事故ってしまい運転免許を剥奪されてしまいました。幸運にも会社はクビにはならず、かと言って免許も無いので運転手はできず、仕方が無いので会社に届く郵便物を各部署にデリバリーするメールボーイの仕事を与えられておりました。この辺りから金次郎が日本に帰国した後の話となり二次情報となりますが、運転手の仕事も無く残業も無くなったPさんは、時間を持て余し、カラオケスナックに入り浸るという転落人生の第一歩を踏み出してしまいました。そのお店にはカンボジア人の女性がいたようで、うち一人とねんごろになったPさんは、その女性とカンボジアで喫茶店を経営するという怪しげな夢のとりことなってしまったのでした。普通ならstop short of trying to make such a dream come true(そんな夢を現実にしようとまではしない)わけですが、そこはPさんのこと、好意からの周囲のアドバイスに聞く耳を全く持たず、その女性から見せられた、1階が喫茶店で2階が住居となっているカンボジアの物件のなんと完成予想図らしき絵!だけを頼りに、奥さんと離婚し、住居であるHDBというシンガポールの公団持ち分を売り払い、その資金で物件を買って残りは奥さんに慰謝料として渡す、という有り得ない計画を実行に移してしまったのでした。その女性の親戚を騙る恐らく不動産査定人を自らのHDBに喜んで宿泊させ、1文字も意味が理解できないカンボジア語の契約書に、あの女性は信頼できる、と騙される人の典型パターンの根拠無き自信でサインし、悠々と弊社を去ったPさんの行方は杳として知れず、カンボジアの地は踏むことなく、身ぐるみ剥がされ野垂れ死んでしまったとの不穏な噂も流れましたが、それから10年ほどが経過したつい最近になって、彼はまだシンガポールで生きているとの未確認情報を聞き、少し安心してここに書こうという気分になった次第です。今や彼のブロークンシングリッシュを聞き取れる自信は全くありませんが、出張解禁になった暁にはぜひシンガポールで再会したい人リストの20位ぐらいの存在ではあります。もし続報有ればまた書きますね(笑)。

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金次郎、加賀恭一郎シリーズ全10作を一気に読了(前編)

3月1日(火)の午後2時にモデルナワクチンのブースター接種を受けました。このブログにも書きましたが、2回目接種の際はフルラインアップの副反応に苦しみましたので、今回も数日前から憂鬱な気分でおりました。問診時に2回目で副反応出た人は3回目でもほぼ出ます、と先生に冷徹な死亡宣告を受け、モデルナのブースターはワクチンが半量というのに全てを賭けていた金次郎は心が折られ、どうにかして逃げ出したくなりましたが、もう列に並んでしまっており、時すでに遅し、ということで覚悟を決めました。ちなみに全く関係有りませんが、金次郎得意のギャグとして、時すでに遅し、の代わりに、足すでに臭し、を使ってウケることが多いので参考にしていただければと思います(笑)。

接種そのものは全くチクリともせず無事に終わり、アナフィラキシーも出ずで何事も無く帰宅して普通に夕食も食べられました。同じく午後2時の接種であった2回目接種の際は午後7時30分の時点で腕が90度しか上がらなかったのと比べると、夜9時になってもまだハルク・ホーガン氏の「イチバーン」(古過ぎ)ぐらいには真上に上がっており、これは軽度な副反応で済んでしまうかも、と期待しながら就寝いたしました。

しかし、期待したのも束の間、午前2時に身体の痛みで目が覚め、これは副反応ではなく不眠症のせいだと必死で言い聞かせたもののやはり現実は厳しく、そこからほぼ眠れない状態が続いた上に午前6時で既に38℃の発熱となってしまい、また今回もダメだったかと大いに落胆いたしました。その後も38度前後の発熱、身体の痛みと倦怠感が継続し、一旦治まって午後3時からのリモート会議に出たのですが、その後再度悪化し結局午後6時まで横になるはめになりました。

前回と比べてスカッと症状が抜けずにだらだら怠い状況が続くのも非常に不快でしたが、今回特徴的だったのが頭痛の症状です。金次郎は普段あまり頭痛にはならないのですが、入り組んだ物事について何も考えられない頭部全体の痛みと違和感には相当苦しめられました。接種を受けた同僚も口を揃えて頭痛が辛いと言っておりますので、モデルナでのブースター接種をご予定の方はそういう心構えで臨まれると良いかと思います。何の役にも立たないアドバイスですみません。

結局その頭痛も含め症状が完全に抜けたのはDay3となる3月3日(木)の朝で、ブースター接種の副反応は全般的には2回目の7割ぐらいの辛さという感覚でしたが、頭痛とだらだら継続する症状の不快感を加味すると、やっぱり同じぐらい嫌だったという結論で宜しいかと思います。できれば4回目を打たずに済むよう、感染の落ち着き、治療薬の開発のいずれかを心から祈念いたします。

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