先日、「釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝」(藤澤志穂子著 世界文化社)を読み、久々に不朽の名作である「釣りキチ三平」のことを思い出しました。小学生の頃にアニメの再放送を何度も観て、床屋さんに置いてあったコミックスを繰り返し読んで影響を受けまくり、友人と夢中になって近くの川や池で三平になりきって釣りに興じたのが思い出されます。釣りキチ三平のヒットを契機として急速に広まった当時の釣りブームは日本中を席巻していたと言っても過言ではなく、この作品によって釣りを普及させ文化として定着させた矢口先生の功績は計り知れないと感じます。気持ち悪い話で恐縮ですが、
【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2023予想対決の結果を発表!
いよいよこの日がやって参りました。ただなんとも悩ましいことにこの重要な本屋大賞発表が行われる4月12日(水)の夕方のタイミングで、金次郎と宿敵Mが揃ってお客様にプレゼンを行いそのまま食事に流れるという予定が入っており、結果が気になるあまり月や星やクイズやノアの方舟の話をしてしまい、本業のプレゼンを疎かにする事態になってしまうのではと大変危惧しておりました。ところが幸運にも今年は午後の早い時間に順位が発表され、アポイント時には勝負の結果も判明していたので、若干ニヤニヤしながらではあったものの、ご機嫌な感じでプレゼンを無事終えてその後の会食も存分に楽しむことができて良かったです。そう、既に行間から喜びが滲み出てしまっておりお分かりかと思いますが、昨年に引き続き今年の対決も金次郎が制し対戦成績を3勝2敗の勝ち越しに持ち込むことができました。
【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2023順位予想対決!
またまた今年もこの日がやって参りました。4月12日(水)の本屋大賞2023結果発表を前に誰にも頼まれていないのにその順位を勝手に予想し、何の必要も無いのに知力の限りを尽くして友人と予想の精度を競うという、究極の遊びと言えなくもないこの企画もはや5回目を迎えました。これまでの戦績は2勝2敗と拮抗しており、金次郎も宿敵Mも互いに譲れないところですが、果たして勝者に贈られる金の栞はどちらが手に入れるのか、以下それぞれの予想です!図らずも2、5、6、7位の予想が完全に被り、勝負の帰趨を制するのは町田そのこ著の「宙ごはん」と結城真一郎著の「#真相をお話しします」の順位にかかっていると思われます。
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【アフター4読書恒例企画】本屋大賞2022予想対決の結果を発表!
金次郎、懐かしの東京西部在住時代を振り返る
1991年の3月末に故郷の福岡を離れ上京してから既に32年が経過してしまっていて、そのスピードに慄然としますが、今回は金次郎がこの32年間に住んできた場所について振り返ってみることにいたします。何度か書いておりますが、金次郎が東京暮らしをスタートさせたのは渋谷区笹塚という京王線沿線の町でした。
金次郎、超高性能な漢方入浴剤に出会う
中年になってから特に身体をしっかり温めたり、一日の疲れを取ってリラックスする目的でお風呂に入る際に入浴剤を使うことが多いのですが、これまではバスクリン社の〈きき湯〉のポカポカ効果が気に入ってしばらく使っておりました。それはそれで満足しているのですが、最近すすめられて使い始めた漢方入浴剤の効果がすごいので少し紹介してみたいと思います。それは〈御陰湯(おかげゆ)〉という商品で、ひと風呂浴びて約800円とべらぼうに高額なのですが、配合されている10種類の生薬の効き目なのか、身体が芯から温まりその効果が入浴後も長時間持続するのが、これまで使っていたものとは比べ物にならないレベルですごいです。
金次郎、趣深い日本橋区史を読みふける
金次郎の住んでいる人形町(正式には日本橋人形町)は周辺の町と共に旧日本橋区に属し、江戸時代から繁華街としてにぎわっていた地域です。慢性的なネタ不足状態がどんどん深刻化する中、これをブログに書かない手は無いと思い立ち、日本橋区史という様々な小説の情報源になっている由緒正しい資料を紐解いてみたところこれが存外面白く、ついつい読みふけっていたらあっという間に時間が経過してしまっていて呆然としております(笑)。江戸の花街として最も有名なのは遊郭の吉原だと思いますが、なんと吉原遊郭は明暦の大火で焼失してしまうまでは現在人形町となっている地域に有ったものが大火後浅草に移転し、今に至っているとのことでした。
金次郎、中学時代の恐怖体験を思い出す(後編)
前回のブログでは中学時代に情けないえせ半端ヤンキーであった金次郎が何の罪も無い真面目な友人T君を巻き添えにしながらチンピラ2名が運転する怪しげな改造車に乗せられたところまで書きました。続きが気になるとの感想を複数いただきありがたい限りです。この事件を思い出そうとしたことで、かなり喪失してしまったと思っていた中学時代の記憶が若干甦り、体育祭のクラス対抗リレーのメンバーであったT君が直前に腕を骨折してしまったにも関わらず、金次郎チームのアンカーは君しかいないとギブスをしたまま走ってもらったことを思い出し、T君には迷惑を掛けっぱなしであったと改めて申し訳ない気分でいっぱいになりました。さて、お待ちかねの拉致事件です(笑)。
金次郎、中学時代の恐怖体験を思い出す(前編)
先日は中学校を卒業間近の文学女子に本の紹介をしましたが、ふと金次郎が中学生の頃キモを冷やした話を思い出したのでネタ不足に渡りに船ということで書いてみます。金次郎の通っていた福岡市立の某中学校は結構荒くれ者のヤンキーが多く、校舎のガラスはかなり割られて窓はスカスカになっておりましたし、そんな生徒を管理するための教師による体罰が常態化しておりまずまず殺伐とした雰囲気でした。そんな中、なぜだか金次郎の所属していた陸上部が選りすぐりの怖い先輩方のたまり場となってしまっており、いつ何時理不尽かつ恐ろしい要求をされるか分からない状態で、部活の時のみならず学校生活全般における緊迫感は並々ならぬものが有りました。
金次郎、謎のペルー在住アメリカ人メディシンマンと会話する
いつも英会話講師の話で恐縮です。ブログのネタ探しのためにレッスンを受け続けていると言っても過言ではないと自分でも薄々気づき始めておりますが(笑)、先日レッスンを受けたアメリカ人は現在ペルーのアマゾン川流域のジャングルに在住しており、そこでシャーマン(現地ではメディシンマンと呼称)をやっていると言っていました。彼はアメリカにいた当時金融関係の仕事をしており、特にリーマンショック前後の混乱期に強いストレスを受けたためPTSDを発症してしまい、抗鬱剤の過剰使用で精神的に非常に不安定な状態になってしまったそうです。
金次郎、文学女子ABさんに受験勉強の疲れを癒す本を紹介
最近お客さんの前でプレゼンをする機会がちょくちょく有りまして、序盤に自己紹介をするスライドを入れ込んでいるのですが、そこにアイスブレイク的な意味も込めて唯一無二の趣味である読書について年間350冊が目標と記載しており、読んで面白かった本についても軽く触れる構成にしております。あくまで気を遣ってくださってのご好意だとは分かりつつも、読書についての質問をいただいたりするとテンションが急上昇し調子に乗って喋りまくってしまい、本編が始まる前に先方を疲弊させるというプレゼン失敗の典型パターンにはまり毎回焦っております(汗)。そして冒頭の自己紹介で時間を使い過ぎた結果、その後のタイムマネジメントにも支障をきたすこととなり、パニック状態で、うけ狙いの過激発言やくだらな過ぎるダジャレが口をついて出そうになるのを毎回必至で堪える展開が続いております(笑)。有難いことに建設的な質問を沢山していただけるので、質疑応答の時間も含めると合計でだいたい2時間弱話し続けることになり、プレゼンが終わるといつもヘロヘロになるのですが、やっぱりこういう仕事は楽しいなと充実感を感じている今日この頃でございます。
さて、受験シーズン真っ盛りですが、このブログで金次郎が読書の師匠として本を紹介している文学女子双子のABさんも中3の受験生です。
金次郎、ケーシーの謎を解いたもののゼロックスの恐怖を思い出す
お正月に妻側の親戚が集まる機会が有ったのですが、大学で薬学を専攻している姪が今度病院研修で着用するケーシーを買ったという話をしておりました。その瞬間はケーシー高峰しか思い浮かばず、会話の文脈が全く掴めずに困惑したのですが、親戚筋では地蔵キャラの金次郎ですので、静かに脳内の調べる物リストにメモして笑顔で頷いておきました。後で調べてみて、外科医や歯科医など外科系の医師が着用している上着の丈が短いセパレート型の診療衣が〈ケーシー〉と呼ばれていることを知り意味は分かったのですが、どうしてケーシーなのだろうと興味をそそられ更に調査してみました。
金次郎、ダイムストアのドストエフスキーと称されるジム・トンプスン大先生に出会う
先日英会話のレッスンを受けたフィリピンのミンダナオ島在住アメリカ人の先生が週末に買ってきた新しい子犬が可愛いとご満悦の様子でした。ブリーダーのいる少し離れたダバオ市まで家族揃って子犬を買いにお出かけされたようで、うちの子は数万ペソだったが、別の犬種ならいくら、一番高いものは10万ペソ以上と、恐らく仕入れたばかりの情報を非常にテンション高く説明してくれました。お国柄なのか、そこはかとなくワンちゃんが粗雑に扱われている雰囲気を感じ悲しい気分となりましたが、更に突っ込んで何故新たに子犬を買うことになったかについて聞いてみたところ、悲しいだけでは済まされないホラーな現実を突きつけられる結果となりました。
金次郎、アフリカ文学の原点である「崩れゆく絆」に感銘を受ける
うちの近所の人形町を散歩していたところ、なんとなく見慣れぬ工事現場が新たに出現していて、ここには以前何が有ったかなと思い出してみると、なんとあの親子丼発祥の地として有名な老舗鶏料理店玉ひでの場所でした。工事計画の詳細を見てみると、新たに12階建てのビルとして24年7月に生まれ変わるそうで、あのレトロなお座敷の雰囲気がどう変化するのかちょっと楽しみなような怖いような気分です。
いよいよ本屋大賞2023ノミネート作品発表!
今年もこの季節がやって参りました。金次郎と宿敵Mによる本屋大賞予想対決のキックオフとなるノミネート10作品発表が予定通り1月20日(金)に行われ、読書家のプライドを賭けた順位予想と読者の皆さんに楽しんでいただけるシャープな選評作成が頭を離れない、緊張と高揚感とストレスを感じ続ける3か月が始まりました。今年はノミネート10作のうち、既読がたったの4作しか無く、これからじっくり読み込んでいくのが楽しみです。構図としてはもはや本屋大賞の常連となった青山先生、凪良先生、町田先生の三羽ガラスに昨年「スモールワールズ」で彗星の如く現れた一穂先生や直木賞を取ったばかりの小川先生、更には人気作を連発している呉先生や寺地先生が挑む構図ですが、残りの3作も超話題作でありどんな結果になるかは全く予断を許しません。フレッシュな面々が並ぶ一方で伊坂先生、知念先生、森美先生などの常連組が選外となっていて競争の熾烈さを感じます。
金次郎、自らの非常識極まる若気の至り記憶に苦しめられる
歳を重ねるうちに、若かりし頃無知であったこと、あるいは知的好奇心を発揮して自分に関係する様々な物事について深く知ろうとしなかったことを振り返って反省したり後悔したりする機会がどんどん増えて悲しくなります。特にこのブログのネタが尽きてきて、無理矢理に昔のことを思い出そうとすることがより頻繁となった最近はその傾向が更に顕著となり、本当に、涙滂沱として禁ぜず、の心境です(号泣)。本日はそんな悲しい話の中でもとびきりのネタなのですが、金次郎は大学生の頃に旧筑前黒田藩の保有していた資産を基に設立された黒田奨学会(現公益財団法人黒田奨学会)より有難い奨学金を頂戴しておりました。
【アフター4読書】2022年人気記事ランキング発表!
少しご挨拶が遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。年末のバタバタですっかり書くのを失念していましたが、本屋大賞2023を占う意味でも非常に重要な王様のブランチBOOK大賞が昨年末に発表されました。大賞作品はこのブログでも紹介した「汝、星のごとく」(凪良ゆう著 講談社)でした。この作品は既に読了&紹介済みですが、やや微妙なのは、ブログを読んでいただけると分かる通り本作に対する金次郎の評価が必ずしも高くない点です(笑)。ちょっとストーリーが王道過ぎて新味に欠けるというのが金次郎の印象だったのですが、凪良先生ご自身は王道であるがゆえに細部に拘って描くことを心掛けたとインタビューでコメントされており、金次郎と凪良先生の間に吹く隙間風を感じざるを得ず、トレンドとして読者に支持されている〈面白さ〉についての感覚のずれを突き付けられた格好でもあり、今年のノミネート10作品発表が1月20日(金)に迫る中、来るべき予想対決に向け不安が募る状況です。
さて、毎年恒例の人気記事ランキングの発表です。2022年は合計で21,434件のPVをいただき前年の21,272件から微増となりました。とりあえず減っていなくて良かったです。読んでいただいた皆さまどうもありがとうございました。2023年はもう少しPVを伸ばすことを目標に中身を充実させたいと思います!(昨年のランキングはこちら:【アフター4読書二周年】今年の人気記事ランキング発表!)
金次郎、知る人ぞ知る絶品食材ビワマスを堪能
いよいよ2022年も最後の投稿となりました。今年もずっと読んでいただいた読者の皆様、本当にありがとうございました。思い返すと妻の股関節痛がかなりひどい状況の中で難易度の高い仕事に取り組むことになった年初には、どうなることかと密かに結構気を揉んでおりましたが、色々な方のサポートをいただいたおかげで妻の状態も仕事もそれなりにうまい具合に運び、結果としては充実した良い一年になったと思います。お世話になった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。こちらも誠にありがとうございました。一年間治療に励み頑張った妻をねぎらいつつ、自分も旨いものを食べたいとの下心から28日に行き着けのイタリアンを訪問したところ、シェフから金次郎さんのために特別なお料理を用意していると嬉しいサプライズをいただきました。ただ、以前もブログ内で紹介していますが、シェフの手になる四季折々のお料理はいつも全てが特別なので一体何が起こるのかと思いつつ待っていると、
今回は、思い出深い「大草原の小さな家」づくし
福岡の田舎の公立高校に通っていた金次郎は、高3の春先に部活を引退した後に大学受験に向けた勉強を本格的に開始したのですが、色々と間に合っていなかったためにしばらく模試の成績も振るわずE判定を連発し、その遅れを取り戻すべく帰宅後にかなりの長時間自宅で勉強する生活を送っておりました。当時は精神的に頑丈だったのか、自ら定めた一日のノルマを終えるまでは眠らないという過酷な状況に自分を追い込んでおり、文字通り寸暇を惜しんで机に向かっていた記憶が有ります。そんな何の楽しみも無い苦行の日々を送る受験生金次郎の唯一の息抜きタイムが当時NHKで再放送をしていたドラマシリーズの「大草原の小さな家」をじっくり観て思う存分泣く、というものでした(笑)。
金次郎、鮨の名店である六本木兼定で大将のお言葉に感動
先週は友人と鮨の名店である六本木の兼定に行ってまいりました。15歳でこの世界に入り、九州から青森まで日本中で様々な食材に向き合い修行されたこの道60年という達人の大将が長年培った信頼関係を通じてその日一番のネタを仕入れ、ネタの状態に応じた最高の仕事をした上で提供してくださるお刺身や焼き物そしてお鮨はいずれも絶品のクオリティで心の底から満足できる至福の時間でした。ビールのおつまみとして出されたただのワカメから相当美味しくていきなり感動でしたが、その後はメヒカリの揚げ物で、こんなに小さな魚なのにどうしてこれほどの良い味わいになるのかと不思議な気分となり、その謎についてさかなクン先生に聞いてみたいと真剣に思いました。そして、東京湾のヒラメ、スミイカ&アオリイカ、更に脂の乗ったカツオのお刺身を少しずつ切っていただき食欲が刺激されたところでいよいよお鮨のスタート。
金次郎、無趣味と思いきや意外と多趣味なことに気付く
読書をヘビーな趣味としている金次郎はなかなか他の趣味に手が出せずコロナで趣味と呼べそうなカラオケのハードルが上がった昨今では、テレビドラマやアニメ観賞、美味しい食事やスイーツ食べ歩きを軽めに楽しむというシンプルな暮らしをしております。いずれの活動もオタクの域には到底及ばず空き時間にちょこちょこやっているレベルですが、その程度の力の入れ方でも趣味認定できるなら、そういえばかれこれ30年ほど地味に競馬を楽しんでいることに改めて気づきました。1991年の上京当時は正に第二次競馬ブーム真っ盛りの頃で、スターホースのオグリキャップと武豊のコンビが第35回有馬記念を〈奇跡の復活劇〉で制した直後ということもあって、東京の流行には全く疎い福岡のおばちゃんであった母親から、東京では競馬の話ができないと話題についていけないらしいから勉強しなさい、と謎のアドバイスを何度もされたことを思い出しました。少し前のブログに登場したゼミ仲間のS君と勉強そっちのけで馬の話をしたことや、やや荒んでいた(笑)若手社会人時代に週末の度に朝から晩まで水道橋の馬券売り場や中山競馬場に入りびたっていたことが懐かしく思い出されます。下手の横好きレベルで馬券はあまり当たらないのに何がそんなに楽しいのかを考えてみると、与えられた膨大なデータを読み込んで自分なりに解釈し、それに多数の変動要因を重みづけしながら加味して仮説を作った上で、そこから導き出される予想と、世の中一般の予想を代表しているオッズとのギャップを機会と捉えてそのギャップに賭けるリスク・リターンが妥当かどうかを判断する、というプロセスそのものが好きなようです(笑)。こうして書き並べてみると、ビジネスにおける思考プロセスと非常に似通っている部分が有り、仕事が趣味を侵食しているのか、はたまた昔からの趣味である競馬が金次郎のビジネス思考の基盤となっているのか(不謹慎)微妙ですが、やっぱりあれこれと考え思いを巡らせるのは楽しく、楽しんでいるという意味では、色々と考えなくてはならないことが多く面倒な仕事も趣味的な活動の一つと言えるのかもしれず(?)、意外と多趣味な金次郎でした(笑)。ちなみに金次郎が重要視している競馬のデータは、それぞれの馬がどのぐらい強い相手とどういう勝負を過去にしているか、負けたレースに明確な敗因は有るか(道悪、出遅れなど)、斤量(=馬が背負う重さで騎手の体重も含む)において目立った有利不利は無いか、馬の能力の絶対値を示す過去レースでの走破タイム実績、競馬場との相性(右回り、左回り、最後の直線が長いなど)、などでしょうか。その他にも、体重の増減、調教の様子や厩舎情報から判断する調子の良し悪し、想定されるレース展開と脚質の相性、馬の血統的背景(これ好きな人多い)などなど考慮すべき要素は無限に有りますので、全てのデータを集めることも、ましてや予想を〈的中〉させることは絶対にできません(笑)。また、確率的にも胴元であるJRA様に3割を上納した後に残額を当たった人で分け合う仕組みですので期待値は低く、理論的には馬券を買い続ける程損をする構造になっており、金次郎も30年に亘る競馬人生でそれなりのマイナスを被っておりますが、それを代償としてたくさんの変動要素を含む事象をまかりなりにも腰を据えて分析する訓練を積むことができ、あらゆる情報が反映され市場メカニズムが働いた結果であるマーケット(競馬の場合はオッズ)に対し、自分の予想が正しく市場参加者は間違っているといった類の傲慢さを排して謙虚かつニュートラルに向き合えるようになったということで差し引きプラスと考えたいと思います。どんなことでも長年やっていると何某か役に立つものですね。
さて、前段がかなり長くなってしまいましたが(これでも相当削りました)、本題の本の紹介です。「蒼穹の昴」(浅田次郎著 講談社 1・2・3・4)は中国の清朝末期を舞台に繰り広げられる西太后派と光緒帝派との政争や、清朝が西洋列強に日本を加えた外圧への対応に苦心する様子を描いた歴史小説です。物語は自ら宦官となり西太后に使える李春雲と、難関とされる科挙にトップ合格し光緒帝の改革を支える官僚となった梁文秀という運命のいたずらで敵味方に分かれる義兄弟を軸に展開していきますが、守旧派である筈の春雲が従うべき天命に必死に抗い、逆に改革派である文秀が天命を受けた皇帝に尽くすというねじれた構造になっていることが、それぞれの葛藤を深めストーリーに味わいを加えていると感じました。また、一般的な歴史認識では権力に執着し国家財政を私物化した残虐非道な悪女とされる西太后慈禧が実は周囲の皇族が頼りないが故に清朝を守るべくやりたくもない政治に取り組まざるを得なかったとの設定となっており、「当時清朝宮廷に男は西太后しかいなかった」という外交官コメントにも結構リアリティが有ってなかなか興味深いです。この機会に「西太后秘録 近代中国の創始者」(ユン・チアン著 講談社 上・下)を再読してみましたが、強まる外圧に対抗するために義和団に頼ってしまった失政はさておいても、西太后は細やかな気遣いもできる辣腕政治家との評価で、20世紀に入った統治終盤では議会制度を取り入れた立憲君主制を導入しようとする程の開明的人物との歴史認識が提示されており、初読の際に意外で驚いたことを思い出しました。忘れていたのが悲しいですが(涙)。一方、「蒼穹の~」では日清戦争後の下関会議全権として伊藤博文公と渡り合った教科書でもお馴染みの李鴻章が、文武に秀で海外からも尊敬を集めるスーパーマンであり、かつ非常にロマンチックな人物として描写されているのに対し、「西太后~」では主体性の無い典型的な官僚として登場していて違いが結構面白いです。袁世凱はどちらの作品にも狡猾な小物として描かれていて歴史認識通りでした。「蒼穹の~」は続編のシリーズ作品が有るようなので、こちらも読まねばです。
「此の世の果ての殺人」(荒木あかね著 講談社)は満場一致で江戸川乱歩賞を受賞したミステリーの秀作です。小惑星テロスが間もなく地球に、しかも日本の熊本付近に衝突すると発表され全世界が大混乱に陥る中で、大宰府在住(懐かしい)の主人公小春が、勿論誰も免許など交付してくれないにも関わらず、自動車教習所に通い元刑事の変人教官イサガワに淡々と真面目に運転の指導を受けている状況が非現実シチュエーションの中での更に有り得なさそうな行動という一周回った不思議な感覚でいきなり物語に引き込まれました。その後二人は大多数の人が希望を失くして荒んでしまった世界で、連続殺人事件の謎を追うことになるのですが、どうせもうすぐ皆死んでしまう世界で何故敢えて殺人を犯さねばならないのか、何故その殺人を更にわざわざ捜査しなければならないのか、登場人物それぞれの動機が非現実的な世界で巧い具合に説得力を持って成立しているところが絶妙だなと感じました。
以前ドラマでの清原果耶さん演じる城塚翡翠がイメージと違うとこのブログで書きましたが、続けて観ているうちにイラっとさせる彼女のおとぼけキャラがクセになりつつあります。脇を固める小芝風花さんの演技が意外といい味を出していてこちらも気に入っております。
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