気が早いですが、金次郎は2024年のアメリカ大統領選挙に注目!

ようやく落ち着いてきたアメリカ大統領選挙ですが、アメリカではトランプ大統領をどうしても再選させたくない人々を〈ネバートランパーズ〉と呼ぶようで、英語って面白いとちょっと思いました。日本でも大阪の梅田がバイデンと読めるとか、宇部市のバス停の上梅田がジョーバイデンと読めるとか、福井県小浜市ばりの微妙なフィーバーが少し笑えます。やや気の早い話ですが、金次郎は次の2024年の選挙に注目しておりまして、さすがに81歳になるバイデンさんはちょっと更に4年は難しいと思うので、にわかにブームとなっているカマラ・ハリス副大統領が民主党候補として選挙を戦う可能性も大いに有ると思っています。共和党はと言うと、勿論たくさん候補はいると思いますが、有力候補の一人が前国連大使のニッキー・ヘイリーさん。こちらもインド系の女性ということで、もしカマラvsニッキーという戦いになれば、アメリカの多様性と新しい時代の象徴の選挙になりそうで、今回の白人のおじいさん同士のシルバーな選挙戦とは違った形で盛り上がれるのではないかと今から楽しみにしているところです。ちなみに民主党にはアレキサンドリア・オカシオ=コルテス(通称AOC)さんという、スーパー左翼の女性候補(現在31歳)も一部の人にかなり人気が有り、こちらが出てきてもやっぱり面白い。早く4年後にならないかな、と思ったりする今日この頃です。

さて読書ですが、読もうかなどうしようかな、と何度も迷って遂に読んだのが「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」(大崎善生著 KADOKAWA)です。闇サイトで出会った3人の男が、全く見ず知らずの女性を金目当てで連れ去り殺害した悲惨な事件を被害者の人生に焦点を当てて描いたずっしり重いノンフィクションです。事件の起こった2007年当時も報道を観て気にはなっていましたが、この本を読み、悩みながらもひたむきに生きようとしていた被害者の方の無念、母一人子一人のささやかな幸せを失った親御さんの塗炭の苦しみの一端を知って、犯人を許せない気持ちは勿論ですが、なんとなくニュースを消費していただけで、事件の後に30万人以上の署名を集めて、一人殺しても死刑にはならない、との所謂〈永山基準〉の壁に立ち向かわれたご遺族の活動も知らなかった自分が非常に情けなくなりました。お母さんにマイホームをプレゼントする夢のためにこつこつ貯めた貯金を守ろうと、犯人の脅しに屈せず暗証番号を絶対に明かさなかった被害者の方の途方も無い勇気にただただ首を垂れるばかりです。彼女の食べ歩きブログが署名活動に使われていた関係でまだ閲覧できるのですが、日常を奪われた無念が胸に迫ってくるようで殆ど読めませんでした。

裁判の話になりましたが、「法の雨」(下村敦史著 徳間書店)は有罪率99.7%の日本の司法制度における〈法の正義〉について、主人公の検事と〈無罪病〉裁判官との関りを通じて描く内容になっています。全ての偏見を排除して、合理的な推論のみに依拠してひたすらに立証責任を全うしようとする真摯な姿勢、に心を動かされますが、〈この人は白なのか黒なのか〉に最後まで翻弄されるサスペンスミステリー要素も上質で非常に楽しめる作品でおすすめです。成年後見人制度の危うさについても触れられていますが、かなりぞっとする内容です。下村先生の作品では、出世作である「闇に香る嘘」(講談社)は、友人に、この本面白い?と聞かれて未読だったのでちょっと悔しくて(笑)早速読んだ記憶がありますが、主人公が全盲の設定で、謎が存在しないところに謎を作り上げ、きちんとミステリーに仕立てている技術、壮大な時間的空間的スケール、満足な伏線回収とどんでん返し、ということで非常に楽しめる作品です。ランキング的にはその次に評価の高い「生還者」(同)は、隔絶環境で紛れが少なくミステリーにし易いということでよく書かれる山岳ものですが、登山についての専門知識も充分で、6000メートル超のヒマラヤが舞台でもリアリティが感じられる筆力はさすがです。加害者と被害者の認識が目まぐるしく入れ替わる展開と高山での危険行があいまって、とてもスリリングに楽しめる作品でした。ラストにも驚かされますし、おすすめです。

ややついで的になりますが、「虎を追う」(櫛木理宇著 光文社)は死刑確定囚が冤罪か否かを、退職した刑事とその孫がSNSと世論の力を使って世に問い直す、という内容で、櫛木先生の作品のわりにはグロ表現がやや少なめで、おじいさんと孫というチームが微笑ましい印象になっていることもあり、比較的読み易いエンタメものに仕上がっています。しかし、最近の小説では本当に虐待をモチーフにしたものが多いですが、それだけより深刻な社会問題化しているのだとすると、摘発とか保護といった対症療法でなく、社会構造の歪そのものにアプローチする政策を政府には期待したいところです。

揉めた大統領選挙の例としてなのか、1800年の大統領選挙がよく話題になっています。そう言えばアメリカ史も勉強する筈だったのを忘れてました。。。

 

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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