スウェーデンの傑作「ミレニアム」シリーズ完結

先日、金次郎のプレ誕生日祝いということで、名店エーグルドゥース@目白のケーキを妻と共に食べまして、その美味しさにただただ二人で感動いたしました。看板モンブランはイートインのみ(たぶん)のようで、妻が買ってきてくれたのがいちごショートケーキ、チーズケーキ、チョコレートケーキなど6点!二日に分けてちびちびと味わいましたが、どれもバランス良く上品で至福の時間を過ごしました。イデミ・スギノ@宝町の方が極限までたくさんの素材の調和を追求しているという点ではエッジが立っていますが、エーグルドゥースの最高級オーソドックスも全く負けておらず甲乙つけ難い仕上がりです。

さて本の話です。2017年に一気に読んだミレニアム・シリーズは本格ミステリー、ハードボイルド、政治的陰謀、圧巻の法廷対決などなど盛りだくさんで読み応え十分の傑作でした。全編を通してかなりリベラルな内容ですが、ジャーナリズムのあるべき姿への信念、女性の強さへの敬意が溢れていて素晴らしい。主役のミカエル・ブルムクヴィストは40代のジャーナリストですが、とても若々しく活躍していて好感が持てました(笑)。残念なことに著者のスティーグ・ラーソンさんは初期三部作を世に出した後心筋梗塞で急逝されてしまったのですが(享年50)、この作品の凄いところは、別の作家が次の三部作を同じ主要登場人物、設定で引き継いだ点です。今回読んだ第二部の著者のダヴィド・ラーゲルクランツさんは元々ノンフィクション作家ということで、どんな内容になるのか少し心配でしたが、昨年完結した三部作も全く違和感無く読み進められてたいへん満足できました。ストーリーの軸足がドラゴンのタトゥーを背負ったスーパーハッカーであるリスベット・サランデルの生い立ちとその宿業に少しずつ移り、ミカエルから主役の座を奪う展開ですが、リスベットも葛藤を抱えるたいへん魅力的なキャラクターであり、これはこれで良しだと思います。六作合計で一億部を突破しているというのは本当に凄い。ミステリー好きとしては、とにかく「ドラゴン・タトゥーの女」をぜひ読んで頂きたいところです。

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