金次郎、宿敵Mと秋の味覚を堪能する

このブログの目玉企画である本屋大賞予想対決で鎬を削る宿敵Mが先月駐在先のドイツから帰国しました。なんと金次郎邸から200メートルと離れていないご近所に居を定め、まさに金次郎の喉元に刃を突き付ける構えで来年1月に始まる予想対決に向け臨戦態勢を整えているものと思われます。そんな宿敵Mではありますが、一応歓迎会はせねばということで、同じくご近所で金次郎行きつけのイタリア旨いもの店を実質貸し切り状態として久々に食事をしました。様々なテーマについて心置きなく激論を交わしたのですが、そんな議論の内容などどうでもよくなるほどお料理がおいしかったのでこちらの方を紹介します(笑)。爽やかな中にコクが有り、柔らかいのにしっかりとした食感もきちんと主張している厳選されたイタリア産モツァレラチーズ、生で良し焼いて良しの上品極まるサンマ、酔っぱらってしまってシェフの説明を失念してしまいましたが(涙)信じられない程のクオリティだったとの記憶が残る何かのスープ、なぜこれを品種改良する必要が有ったのかと疑問しか湧かない深い味わいの桃の原種、肉に包丁を入れる角度を変えてアクセントを付けた神戸牛のロースト、などなど相変わらずの素晴らしい内容でございました。そんな中でも特に際立っていたのがなかなかお目にかかれない上質のポルチーニ茸を焼いて出してもらったものです。あまりに未経験の食感だったためにこれは通常手に入らない良からぬ出自の物なのではと怯えた金次郎が、思わず「これ、毒キノコなんじゃないの?」との不適切な口走りを止められなかった程の最上級にキメ細かく柔らかな口当たりと、秋のうまみを閉じ込めた風味は絶品でした。食事が終わり、次はまたトリュフの時期に来ますねとシェフに伝えたのですが何となくリアクションの歯切れが悪いので、理由を尋ねると、最近特に白トリュフの価格が暴騰していて仕入れが難しいとのことでした。円安のせいなのかその他の理由によるものか不明ですが、なんと品質の良い白トリュフは1キロ当たりで150万円(!)もしてしまう凄まじい値上がりぶりだそうで、旨い物には目が無いシェフもさすがに手が出ないと嘆いておられました。旬になり供給が増えて少しでも値が下がるのを待ちますと伝えましたが、さすがにサラリーマンの身分では手が出そうにありません。当面はトリュフの無い秋を過ごすことになりそうです。岸田さん、金利を上げて円安を止めて下さい(冗談)。ちなみに、少しだけ激論の内容を紹介しますと、KingGnuのような音楽エリートのJ-POPへの進出や、新川帆立先生に代表される多才かつ高IQ若手作家の文壇での存在感拡大という現象が、音楽や文芸の将来について何を示唆しているのか、単純にこの分野のすそ野を狭めることになりはしないか、あるいはそういう才能が受け入れられていることこそ時代の要請と捉えるべきか、等のテーマについて熱く語っておりました。大変うっとおしい内容で恐縮です。読者の皆さんに受け入れられそうな内容にまで自分の中で整理できたらこのブログでも詳細を紹介することといたします。

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