金次郎、ブログのネタ切れでやむなく就活時の恥をさらす

ブログのネタが尽きてくると、何か書けることは無いかと自らの過去を掘り返し、少しでもいけそうな記憶に辿り着くと、それが情けなく不都合な自虐ネタだとしても紙幅を埋めるためならなりふり構わず恥をさらす状況に追い込まれるのですが、年が明けて特段活動もせずだらだらしていたせいで今回もそんなハメになってしまいました(涙)。だいぶ前に就活時のエントリーシートが有り得ない内容であった話について書きましたが、そんな不謹慎なESを提出するほどにダメ学生であった金次郎の就活時のロクでもない意識や言動について、嫌々ながら心の封印を解いて思い出しながら書いてみます。

そもそも当時低意識で世間知らずの金次郎は大学卒業後に何かをしなければならないという切迫感に欠けており、従って就活というものについて完全に無知な状態でちゃらんぽらんに日々を過ごしておりました。当時は様々な就職情報誌から自宅に企業の採用情報が山のように送り付けられていましたが、それらは一切開かれることなくごみ箱に直行でしたし、世間でよく言われている内定というものが何でどうすればもらえるのかも殆ど知りませんでした。ただ何となく遊び仲間が就活やっているという話を聞いて、それなら自分もと軽いノリで先ずは目標を定めるところから参戦してみることといたしました。そんな非常識就活生であった金次郎が立てた目標は、事も有ろうに就活を最安値で切り抜けるというもので、とにかくコスパmaxを目指して活動を開始するという暴挙に出ることとなりました。先ずはスーツ屋の息子であるゼミの友人から激安のリクルートスーツを原価で譲ってもらうところから始まり、安いと言えばアメ横でしょうということで早速上野で靴、ネクタイ、ブリーフケースなどをロースカツ定食ぐらいの価格で入手いたしました。よしこれで準備は整ったぞとひと安心したのも束の間、行きたい会社を決めていなかったことに気づき呆然とすると共に、どうやら志望動機なるものや会社に入ってからやりたいことなどを考えなければならないと知り、面倒くさくてモチベーションが急降下したのですが、どうにか踏み留まり、かつてある事件で世間を賑わせた記憶が残っていたというだけの理由で某商社を第一志望と定め、その辻褄合わせで総合商社を希望業種といたしました(汗)。ここから先が恐ろしいのですが、商社に入った後やりたいこととして実際に面接などで語っていた内容というのが本当にひどく、①宇宙に行きたい、②ミック・ジャガーに会って握手をしたい、という瞬殺でご縁が有りませんでしたになること間違い無しの身の毛もよだつ常軌を逸したものでした。一応①については宇宙から地球を眺めてその美しさに感動することで地球環境保護への意識を高め、それをビジネスに繋げたいというような支離滅裂な理屈をつけて説明した記憶が有りますが、今でこそ微妙にかすっている感は有るものの明らかにヤバい内容で思い返すと寒気がします。しかも金次郎は閉所恐怖症なので絶対シャトルには乗れず、従い宇宙には行けません(笑)。そして更に意味不明度が高いのが②のミックの方です。確かに当時の金次郎はザ・ローリング・ストーンズのファンでしたし、原宿のストーンズ専門店Gimme Shelterにもよく通っていましたが、ミック・ジャガーに会う近道として世界を股にかけるビジネスパーソンになるという飛躍はさすがにアホ過ぎますし、そもそも商社ともビジネスとも無関係で、全く志望動機になっていないバカにしているとしか思えない内容を大真面目に語っていた当時の自分は恐らく気が狂っていたのでしょう(汗)。宇宙とミック以外の面接の記憶は全く無いですが、もしかしたらそれ以外に超いい意見を言っていたということなのか、奇跡的に今の会社から内定というものをもらい、その時点で他のすべての就活をやめまた元のちゃらんぽらん生活に戻りました。そんな金次郎を採用したうちの会社は大丈夫なのかという気持ちと寛容さへの感謝、明らかな採用ミスの状態からどうにか普通のビジネスパーソンに近付けた自分を褒めてあげたい気持ち、そして少し前のブログで新入社員を寛恕するなどとほざいたどんな新人よりも出来損ないであった自分を恥じる気持ちで満たされるネタ切れブログでございました。そう言えばうちの父も司法試験の勉強を何となく突然やめ、3月31日に銀行に履歴書を持ち込んで4月1日に入社したというようなことを言っていた記憶が有り、このいい加減さは確実に遺伝の為せる業と逃れるべくも無い運命を再認識いたしました。

さて本の紹介です。「ユーモアは最強の武器である」(ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナス著 東洋経済新報社)では、ユーモアやジョークをビジネススキルとして大真面目に取り上げ、その種類や構造、そして適切な使用法までを分析したなかなか面白い本でした。それが適切に使われる限りユーモアのもたらすプラスの効果は大きく、不真面目と思われるのではと恐れることなくどんどん使っていきましょうとの内容ですが、やはりちょっとびびりますね(笑)。ユーモアを上手く操る人はパワー・繋がり・創造力・レジリエンスを相手に印象付けられるばかりか、笑いを契機に分泌されることが知られているドーパミンやオキシトシン等の脳内ホルモンの効果により自分にも周囲にもポジティブな影響を与えられるということで良い事づくめなのだそうです。とは言えユーモアマスターになるのはなかなかハードルが高いですが、先ずは面白いことを言ってやろうと気負うのではなく実際に起こっている〈事実〉に焦点を当てることが重要なのだそうで、これに〈驚き〉と〈ミスディレクション〉の要素を加えるときちんとユーモアに仕上がるとのことでした。更に、自分の生来の性格に関連するジョークの方向性を知っておくこと、可能であればTPOに応じてそのキャラを使い分けることが大切で、スタンダップ、スイートハート、マグネット、スナイパーの4種類のうち自分がどれに当てはまりがちなのかを認識するのが大事だそうです。金次郎は会社ではスナイパータイプ、このブログでは自虐も辞さぬスタンダップタイプかと思いますので、ちゃんと使い分けられていますね(笑)。ユーモアを成立させるテクニックとしては、誇張、コントラスト、具体性、比喩の4つが代表的なのだそうで、確かに言われてみると笑いを取った場面ではこれらの要素がきちんと効いていた気がします。組織の中でのユーモア活用という点では、上司をネタにするパンチアップは良いが、部下をいじるパンチダウンは不味いということで、ポジションが上がれば上がる程パンチアップの相手がいなくなってしまうために、とにかく自虐を多用すること、部下からネタにされる状況を進んで作ることが重要というのは納得感有りました。金次郎にはあまり関係無いですが、ポジションが上の人に愛想笑いをするというのは社会性の動物である人間の本能で仕方が無いらしく、偉くなると自分のジョークが真にうけているかどうかを見極めるのがどんどん難しくなるのだそうです。辛い。また、不適切な冗談ですべってしまった際はその瞬間に謝罪して真摯に誠実に仕切り直す姿勢を示さねばならないようでスナイパーの金次郎は冗談を言うたびに気が抜けません(汗)。

「マイ・リトル・ヒーロー」(冲方丁著 文藝春秋)は、呑気だけが取り柄である主人公の暢光が直ぐに他人を信じて騙され続け、両親から受け継いだ財産を失い、妻からは愛想をつかされ離婚されるというモヤモヤするところから物語が始まります。ネットゲームを通じて中2の息子と小3の娘とは辛うじて連絡が取れるという暢光でしたが、交通事故で意識不明となってしまった息子の凛一郎とゲームの世界では交信できるという状況となり、ゲーム大会で世界一になることで息子の意識を戻そうとするという結構ベタでチャレンジングなファンタジー展開となっております。恐らく冲方先生はバトルロイヤル系戦闘ゲームを実況形式で描写するアクション作品が書いてみたくなり、そんなコンセプトに合わせて設定とプロットをはめ込んだ結果この作品になったのだと思いますが、同じような場面が繰り返されて若干飽きはしたものの臨場感抜群の戦闘の描写は素晴らしく、それだけでも読む価値は有ったかと思います。

歴史的名著である「ローマ帝国衰亡史」(エドワード・ギボン著 筑摩書房)を読み始めてしまって後悔しています。唯一良かったのは翻訳がやや古いために先日学んだ上級語彙がたくさん出てきており、それらの意味を知っているだけでなく、もう少しで使用可能語彙に進化させられそうな点はなかなか良いと自画自賛しております。

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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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