金次郎、謎のペルー在住アメリカ人メディシンマンと会話する

いつも英会話講師の話で恐縮です。ブログのネタ探しのためにレッスンを受け続けていると言っても過言ではないと自分でも薄々気づき始めておりますが(笑)、先日レッスンを受けたアメリカ人は現在ペルーのアマゾン川流域のジャングルに在住しており、そこでシャーマン(現地ではメディシンマンと呼称)をやっていると言っていました。彼はアメリカにいた当時金融関係の仕事をしており、特にリーマンショック前後の混乱期に強いストレスを受けたためPTSDを発症してしまい、抗鬱剤の過剰使用で精神的に非常に不安定な状態になってしまったそうです。

そこからペルーの奥地で修業しメディシンマンになったフランス人の話を聞きつけて現地に渡り、実際に存在していたメディシンマンの指導で数千年の歴史を誇るナチュラル薬での投薬治療を受けたところ症状が無くなり快癒したとのことでした。その奇跡の結果に感動した彼は当地に残りメディシンマンになるべく修行を始め、今ではその人里離れた村を時折訪れる様々な患者を治療しつつ何故だか英会話講師をして生計を立てているという謎の経歴を披露してくれました。ちょうど現在通っている整体治療院の先生がペルー生まれということでメディシンマンについて聞いてみたところ、本物も偽物も玉石混交ではあるものの、確かにそういう人は結構たくさんいるとのことでした。占いをする人や投薬治療をする人など色々種類が有るようで、本物の占い師レベルになってくると、いつも着ているTシャツを見るだけでその場にいない持ち主の人となりや未来が分かるそうで驚きです。その他にもモルモットのような小ネズミを患部にこすり付けるだけで辛い症状を治してしまうスーパー治療師もいるとのことで、さすがに聞いた話だけで鵜呑みにするわけにはいきませんが、現代科学が全て正しいというわけでもないでしょうし、百聞は一見に如かずの精神で何か心身の健康面で苦境に陥った場合は最後の砦としてメディシンマンに頼ることを心の支えに生きていこうと思いました(笑)。金次郎夫婦は意外と西洋医学以外の治療法も抵抗無くとりあえずやってみようと試すタイプなのですが、かつては知る人ぞ知る気功の大家の先生に診てもらうべく山陰の奥地まで通ってみたことも有りました。中国源流という流派の先生だったのですが、中国大陸発祥なのか中国地方で生まれたものなのかよく分からぬまま治療を受けておりました。治療院も兼ねた立派な気功道場と立派過ぎる先生の銅像(笑)、そして先生の周囲に集まる信者っぽい人々、更には道場を埋め尽くす先生と著名人や有名スポーツ選手が一緒に映っている大量の写真に圧倒されたのをよく覚えています。残念ながら金次郎自身は今ひとつ治療効果を実感できませんでしたが、車椅子でやって来た患者さんが治療後すたすた歩き出すのを目の当たりにしたという友人の証言も有り、それなりに効く人には効く治療だったのだと思います。効果は出なかったものの、観光気分で米子から境港に行って海の幸を堪能したり水木しげるロードを歩いて鬼太郎ワールドを体感することもできたので、総合的に見ると非常に得難い経験ができ、とりあえず何でも試してみようという姿勢は人生を楽しくするなと改めて感じた次第です。

さて本の紹介に参ります。先ずは最近お気に入りの藤崎翔先生の「逆転美人」(双葉社)から。ミステリーなので詳細を説明できないのが非常にもどかしいですが、美貌の容姿に生まれついたせいで不幸になってしまったというシングルマザーの香織(仮名)によるややリアクションに困る内容の手記で構成される前半部分を、それは嘘だろとツッコミを入れるも良し、そんなことも有るのかと感心するも良しなのですが、とにかく何とか頑張って読み通していただきたいのです。そうすれば後半の怒涛の展開や巧みな伏線の配置によって効果絶大となった終盤のどんでん返しを存分にご堪能いただけること間違い無しのよくできた作品だと思います。多くは語れませんが、小さな違和感を見逃さないよう集中力を高めて読まれることをおすすめします。

「オオルリ流星群」(伊与原新著 KADOKAWA)は文化祭で共に巨大空き缶タペストリー作製に取り組んだ高校時代の同級生がひょんなことから28年ぶりに再結集し、手作り天文台を立ち上げるプロジェクトに関わっていくというお話で、リーダー的存在であった仲間の不可解な死という事件の謎が徐々に解き明かされる展開が非常にreadabilityが高くどんどん読み進められます。中年になったかつての高校生たちが閉塞感や将来への不安しかない屈託だらけの人生に悩みながらも、ずっと記憶に蓋をして向き合うことを避けてきた28年前の様々な思いを少しずつ消化しつつ、若き日の情熱をノスタルジックに振り返りながらどうにか気持ちを前に向かわせていく様子は、気を抜くとミドルエイジクライシスに陥りそうになる金次郎としては100%感情移入しながら読める作品でした。また、もっと早く始めていれば良かったのに50歳ではもう無理とやる前から諦めていた色々な夢に挑戦してみる闘志ももらえたので本当に読んで良かったです。このところ伊与原作品をよく読んでおり、ニセ科学の真実に迫るサスペンスミステリーである「コンタミ 科学汚染」(講談社)や、科学を扱っているのに心の柔らかい部分にそっと触れてくる6作の短編を集めた「月まで三キロ」(新潮社)などおすすめです。

「リバー」(奥田英朗著 集英社)では桐生市と足利市にまたがる渡良瀬川流域で発生した連続女性殺害事件を軸にストーリーが展開します。金次郎世代では森高千里のイメージしか浮かびませんが、そんなほっこりとはかけ離れた事件の状況が10年前に同地域で発生した未解決事件と酷似していたことから、事件を解決に導けなかった元刑事、再度疑いをかけられた10年前の容疑者、娘を殺された後執念で犯人を捜し続ける父親など様々な関係者の人生がその影響で動き出し、それぞれの立場からこの10年間を振り返りつつ未来に向けて思いに区切りを付けていく様子が描かれる構成となっています。同一犯か模倣犯かという謎が気になるミステリーでありつつも、金次郎はどちらかと言うと登場人物の心理状態が不穏な雰囲気をはらみながら描かれるサスペンス感を楽しみながら読みました。

最後に少しだけ。「薬師如来 謎の古代史」(清川理一郎著 彩流社)は大乗仏教が釈尊(シャカ)の教えに近い原始仏教の教義を基本的に引き継いでおらず、バラモン教の外道たる魔族も取り込んで独自に発展した宗教あるいは宗派連合体であるというなかなか衝撃的な内容です。寧ろ小乗仏教が一神(仏)教的な原始仏教に近く、その修行の在り方もシャカの教えに通じるものが有るとのことで、なんとなく在家と出家ぐらいの違いしか無いものと認識していた金次郎は驚きました。再読して理解を深めたいと思います。

先日久しぶりに鈴懸のいちご大福を食べました。ジューシーで甘いいちご、ほとんど入っていないのにきちんと主張しているこしあん、薄くて上品な大福部分のバランスがあまりにも完成されていて郷土の誇りと感動いたしました。4月ぐらいまでしか食べられないと思うので必ず今シーズン中にまた買います。


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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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