「ユーラシアの双子」(大崎善生著)を読んで海外旅行を疑似体験

本日は人間ドックに行って参りました。感染対策がどうなっているのか等やや不安でしたが、若干密ではあったものの、不安を感じる場面はなく、非常にスムーズに完了しました。驚いたのは、胃カメラ用に真ん中に穴が開いたマスクが用意されていたことで、正直誰の何を守っているのか微妙ではありましたが、気持ちは伝わりました(笑)。おかげさまで、結果もそこそこで、悪玉コレステロールの微増以外は大きな変化無し。ただ、こんなに外食してないのに微増といえ増えているのはちょっと困ったなという感じです。そして、一年間楽しみにしていたドック後の昼食についている、絶品のフルーツソースがけヨーグルトが業者変更により無くなってしまっていたのがたいへん残念で、やけになり帰りにラ・メゾンドショコラでチョコレートを購入してしまいました。悪玉コレステロール。。。

さて読書ですが、最近は海外出張も旅行も機会が無いので、「聖の青春」(講談社)で大感動した大崎善生先生の「ユーラシアの双子」(講談社 上巻下巻)を旅小説と思い読んでみることに。ところが、旅は旅なのですが、最愛の娘を自殺という形で失い、その責任を感じ悩み続けて人生の目標を見失った五十男の石井が、旅先での出会いや経験、シベリア鉄道内の閉鎖空間での内省、そして娘同様鬱病に苦しみ自殺を決意し偶然にも石井と同じくリスボンを目指すエリカとの関わりを通じ暗闇の中に一条の光を見出す再生の物語というかなり重い内容でした。ユーラシア大陸横断の旅の中で、多様な人々、歴史、芸術や食文化に触れ、朝から晩まで浴びるように酒を飲み続ける石井が、外部からの刺激と深い内省によって自己の境界線も曖昧となる混沌の中から自分自身を再構築して行く過程は、同年代の金次郎にはたいへん刺激的であると同時に、将来の可能性への希望ともなりました。ただ、焼酎、ウォトカ、赤白ワインそしてたくさんのローカルビールと絶え間なく飲み続ける石井さん、再生の前にアル中が心配になります(笑)。

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