今年の目標は脳科学思考?

一年の計は元旦にあり、というのは人生100年の長期視点からも、高速PDCA重視の短期視点からもオワコンならぬオワ格だ、と今年も計画を立てられなかった自分を慰めつつ、明日から五日も連続で会社に行って仕事ができるのだろうかと怯えながらこれを書いております。

以下の本を紹介しようとしていたこともあり、とりあえず年男ということで、寄る年波に少しでも逆らうために今年は脳の仕組みに沿ったより効率的な思考や行動を心がけよう、というのが金次郎の即席目標です!

さて、「脳には妙なクセがある」(池谷裕二著 新潮文庫)では、人間の脳の意外な仕組みを26章に分けてわかり易く解説してあり、毎日の生活でも活用できるヒント満載の内容になっています。

中でも、脳の無意識領域の反射によって我々が意識的に行ったと思い込んでいる行動がコントロールされているというのは驚きです。なんとなく決めて行動を起こす7秒も前から無意識レベルで脳が活性化しているとのことで、こういう‘なんとなく’の積み重ねででき上がっている人生をより良いものにするには、たくさんの‘良い経験’をして、無意識反射の精度を上げる必要があるということのようです。

また、脳が身体活動と強く関連する古い部分と、大脳新皮質のような身体性が低い部分の二重構造になっていて、後者の働きが強まることで身体感覚から独立した脳内だけの回路、すなわち思考プロセスが形成されたというのはなかなか面白いです。例えば、痛みや味覚などの身体感覚が、思考の中で社会の痛みや甘い思い出のように概念として代用されているという感じです。

以前読んだ「意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む情報統合理論」(マルチェッロ・マッスィミーニ/ジュリオ・トノーニ著 亜紀書房)ではもう少し専門的に脳の各部位が担う機能や、 脳内における情報処理とその統合と定義される‘意識’について、またニューロンの働きやシナプス結合の形成などについても解説してあり理解を深めるには良い内容と思います。

そして、「人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?自我を形作る「意識」と「無意識」の並列システム」(エリエザー・J・スターンバーグ著 竹書房) はSFや陰謀論の類の本ではなく、ちゃんとした脳科学の本です。脳は自我を守るために、断片的な記憶を都合よく整合させられるストーリー を創作したり、時には記憶そのものを書き換えたりするらしく、気を付けられませんが、思い込みには注意せねば。 近しい人と感覚を共有するミラーニューロン効果は聞いたことありましたが、あくびがうつるのも同じ仕組みと知って、そういうことかとスッキリしました。

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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