売れていたのは知ってたものの、ちょっと乗り遅れてしまい寝かせていた「Life Shift(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社)を遂に読了。無形資産の積みあがっていないおじさんがライトノベル読みふけっていていいのかと焦る一方、いや若々しさと柔軟性が重要だからそれも必要!、と自分を無理やり納得させた読書体験でした。
将来の死亡率低下を折り込んだコーホート平均寿命を用いて人生100年時代の現実感を強調し、学習→仕事→引退という3ステージ社会の持続可能性に警鐘を鳴らしつつ、マルチステージ人生設計の導入、年齢による階層分けの見直し、等の処方箋を提示している本書は、人生の曲がり角を迎えまくっている我々中年にとってなかなか刺激的な内容です。
何よりも印象的だったのは、ミレニアル(Y)世代とベビーブーマー世代の行動様式の違いを残された人生の長さで説明している部分で、その視点に立ってやっと働き方改革や若い世代の会社というものの捉え方、の本質を理解できたような気がします。他にも参考になる内容多々有り(皆さん既に読まれたのかもしれませんが)とてもおすすめです。
よく考えてみると、会社はもはや定型のキャリアパスを与えてくれてもいなければ、定年後の再就職先を保証してくれるわけでもない、という現実から目を背けつつ、若者はこらえ性が無く直ぐにやめる、と慨嘆している我々中年こそ’これから失われる世才‘の筆頭候補だと戦慄します。ちょっと遅いけど、気づけて良かった。