ある意味フランスを代表する作家であるミシェル・ウエルベックの最新刊を読む

以前ブログでも紹介したストロベリーナイトシリーズのドラマ版で姫川玲子役が本当に素晴らしかった竹内結子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。悲しい気分にまかせて、本日はどちらかと言うとネガティブな気分になる本ばかりを集めて紹介します(苦笑)。

「その日、朱音は空を飛んだ」(武田綾乃著 幻冬舎)はスクールカーストという単純な言葉では全く表現しきれない高校生の込み入った人間関係を描きつつ、他人同士が分かり合うことの難しさを突き付けてくる、かなり怖い気分にさせられる青春ミステリーです。なぜ怒っているのか、なぜ悲しんでいるのか、実際に他人の心の底は分からない中で、相手を思いやることの本質についても考えさせられます。自分が高校生の頃は何も考えずに楽しく過ごしたと朧気に記憶していますが、無神経に多くの人を傷つけたのではと冷や汗ものです。女子高生の飛び降り自殺というモチーフは「冷たい校舎の時は止まる」(辻村深月著 講談社)と重なります。

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