「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」を読み、たんぱく質について学び直す

少し前のブログにてプロテインを飲み始めたら毛髪の力が増した気がすると書きました。整体の先生にもたんぱく質をたくさん摂取すると健康に良いとすすめられましたので、これまでかなり無知であったたんぱく質について「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」(藤田聡著 宝島社)を読んで勉強してみました。先ずはうんちくからということで(笑)、たんぱく質を表すプロテインという言葉はギリシャ語で

〈第一の〉とか〈最高の〉という意味のproteiosが語源だそうで、人間の身体にとって最も重要な栄養素とされてきたことが分かります。非常に当たり前の話なのですが、筋肉をはじめとして髪の毛や皮膚、爪から骨に至る身体のあらゆるパーツがたんぱく質でできているだけでなく、酵素、ホルモン、免疫細胞といった身体の機能を正常に維持するために必要な物質も同じくたんぱく質が主成分ということで、改めてきちんと摂取しなければという気持ちになりました。更に、たんぱく質不足により筋肉量が減少することは、喫煙と同程度に死亡リスクを高めるという恐ろしいデータも紹介されていて、びびって直ぐにプロテインをがぶ飲みいたしました(笑)。摂取量の目安としては、体重1キロあたり1グラム/日(運動量の多い人は1.6グラム/日)なのだそうで、現在一日に2回も踏み台昇降運動をやっている金次郎としては、日量90グラム程度のたんぱく質をだいたい平均的に毎食取らねばならずなかなか簡単ではありません。毎食摂取の意味は、血中のアミノ酸濃度が一定値を超えないとたんぱく質合成が始まらないことから、ちびちび取るのではなく、食事の度にある程度まとまった量の摂取が必要という理屈のようで、これも目から鱗でした。また、20種類のアミノ酸が全て揃わないとたんぱく質合成が始まらないこともこの度初めて知り(汗)、50歳にしてようやく9種類の必須アミノ酸の重要性、ひいては必須アミノ酸の豊富な動物性たんぱく質の必要性について理解いたしました。ただ、動物性たんぱく質は脂質を多く含むため、味気の無い鶏のササミばかり食べる似非アスリート化したり、妻に皮など脂身の多い部分の除去をお願いしたりする覚悟を決めて動物性に拘るか、必須アミノ酸は揃わないものの脂質を含まない植物性たんぱく質をバランス良く(概ね1:1)摂取する必要があるようです。しっかりとたんぱく質を取らないと、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンといったホルモンも作られず、睡眠を促すホルモンであるメラトニン合成も進まないことから、神経伝達物質が不足してしまう上にストレスまでも蓄積して精神の健康に非常に良くないというのもかなり怖い話で、ますますがぶ飲みしたい気分となりました。このたんぱく質欠乏不安ストレスの方が身体に良くない気もしますが(笑)。最後に衝撃だったのが、アルコール摂取によりたんぱく質合成が阻害されるという残念な事実です。今はお酒を飲んで帰っても頑張って運動をするようにしているのですが、カロリー消費という意味ではプラスでも、筋肉が作られないので運動によるエネルギー消費の結果であるたんぱく質の分解により逆に筋肉量が減少してしまい、基礎代謝も落ちて痩せにくい身体になるという悪循環に陥いることになるので、飲酒と運動及びたんぱく質摂取のバランスについて少し考える必要が有りそうです。この他にもビタミンやミネラルなどの効用やその効果的な摂取法についても分かり易く解説してあるので、口に入る物を勉強することから健康について考え直してみようとお考えの方にはおすすめの一冊です。

さて、本の紹介です。「EVショック」(高橋優著 小学館)は日本の自動車メーカーが内燃機関駆動車に拘るあまり、世界の趨勢となりつつあるEV化の波に乗り遅れてしまい、欧米更には中国勢との競争に劣後しかねないリスクについて改めて認識させられる新書です。本邦メーカーはEVが世界の主流となればいつでも高い技術力で競合他社に追いつき追い越せると自負されていると思いますが、運転の制御性から自動運転により適しているEVの開発において一歩も二歩も先んじているTeslaが、自社製EVから既に収集を開始しているデータを蓄積し、AIで解析することを通じて自動運転車への移行が現実となる状況への準備を着々と進めている事実を突きつけられ、かなり不穏な気分になりました。自動車メーカーの本腰が入らないために、高容量の充電インフラの整備が進まず、それがEV普及の足を引っ張っているというのも悪循環と言わざるを得ません。車載のリチウムイオン電池は経時劣化が激しいものと勝手に思い込んでいましたが、最近のEVには低温時の電圧低下を防止するための温度調整システムが搭載されていて以前より充電一回あたりの走行距離も延びているようですし、電池自体の寿命も長くなっていることを知り技術の日進月歩ぶりに驚かされました。

「人類の歴史をつくった17の大発見」(コーディー・キャシディー著 河出書房新社)は人類史上で重要な契機となった17の〈はじめて〉について、それを行ったであろう個人にできる限り焦点を当て、性別や年齢、人となりなどについても科学的に推定しつつ考察して解説してあるなかなかに面白い本でした。勿論適当なのですが、その個人に著者が具体的な名前を付けて呼んでいることが鮮明なイメージを喚起する効果を生んでおり、より没頭して読めるので楽しいです。はじめて火を起こしたのは誰?、はじめて衣服を身に着けたのは誰?のようなスタンダードな問いから、はじめてビールをつくったのは誰?、はじめて外科手術をしたのは誰?のようなあまり考えたことの無いものまで多岐にわたる検証が行われておりますが、人類はパンではなくアルコール(ビール)を得るために集団で農耕をするようになったとの見解は、アルコールの中毒性を考えると確かにという納得感で認識を新たにいたしました。はじめての謎の殺人事件の犯人は誰?の章では、イタリアとオーストリアの国境付近のアルプスで、氷河の中で見つかった保存状態の良い遺体(エッティと呼ばれている)に遺された証拠の検証を通じ、それが自然死でなく殺人であったことの立証から、殺人犯のプロファイル、ひいてはその動機の検証まで行われており、ミステリーを読んでいるような気分にさせられました。現代の刑事が真面目に5300年前の殺人事件の捜査にあたったという事実にもニヤリとさせられます。ちなみにこのエッティはDNAレベルまで解析され尽くしていて、人類史上最も入念に検分され尽くした遺体なのだそうです。はじめて石鹸を使ったのは誰?の章では、これまで2億人の命を救ったとされるペニシリン以上に人命を救ったとされる、石鹸(で手を洗うという行為)を最初に発見したイラク南部在住のシュメール人女性についてその人生のあらましが語られます。ギルスという町が有った地域で見つかった4500年前の粘土板には、羊毛を洗浄するプロセスで偶然鹸化が起こりその効能が確認されたとされていますが、当時かなり虐げられていたと見られる女性の生活がこの発見で少しでも楽になったのなら良かったと思いました。この他にも、はじめてジョークを文字に記したのは誰?や、はじめてハワイに上陸したのは誰?のような興味深い問についても検証されており、歴史ファンでもそうでなくても存分に楽しめる一冊に仕上がっていると思います。同じ著者の「とんでもない死に方の科学」(同)も乗っている飛行機の窓が壊れたら何が起こるか、エレベーターのワイヤーが切れたらどうなるのか、ブラックホールに落ちたらどうなるのか、などちょっと怖い思考実験をユーモアたっぷりに解説してあり楽しめました。しかし、樽に入ってナイアガラの滝を落ちた人が何人もいると知りかなり驚きました(笑)。

2週間前にも行ったばかりなのに、どうしてもうずうずしてしまい、今週月曜日に夫婦で猫カフェに行くつもり満々だったのですが、直前にHPを確認したところ急遽臨時休業となっており人生の目標を失った気分になりました(涙)。挫折にもめげず、不屈の精神で木曜日に再度予定を調整して訪問し、至福の時間を過ごしました。ブログ名をアフター4読書&猫カフェに変えようかな(笑)。

読書日記ランキング
読書日記ランキング

投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA