金次郎、加賀恭一郎シリーズ全10作を一気に読了(前編)

3月1日(火)の午後2時にモデルナワクチンのブースター接種を受けました。このブログにも書きましたが、2回目接種の際はフルラインアップの副反応に苦しみましたので、今回も数日前から憂鬱な気分でおりました。問診時に2回目で副反応出た人は3回目でもほぼ出ます、と先生に冷徹な死亡宣告を受け、モデルナのブースターはワクチンが半量というのに全てを賭けていた金次郎は心が折られ、どうにかして逃げ出したくなりましたが、もう列に並んでしまっており、時すでに遅し、ということで覚悟を決めました。ちなみに全く関係有りませんが、金次郎得意のギャグとして、時すでに遅し、の代わりに、足すでに臭し、を使ってウケることが多いので参考にしていただければと思います(笑)。

接種そのものは全くチクリともせず無事に終わり、アナフィラキシーも出ずで何事も無く帰宅して普通に夕食も食べられました。同じく午後2時の接種であった2回目接種の際は午後7時30分の時点で腕が90度しか上がらなかったのと比べると、夜9時になってもまだハルク・ホーガン氏の「イチバーン」(古過ぎ)ぐらいには真上に上がっており、これは軽度な副反応で済んでしまうかも、と期待しながら就寝いたしました。

しかし、期待したのも束の間、午前2時に身体の痛みで目が覚め、これは副反応ではなく不眠症のせいだと必死で言い聞かせたもののやはり現実は厳しく、そこからほぼ眠れない状態が続いた上に午前6時で既に38℃の発熱となってしまい、また今回もダメだったかと大いに落胆いたしました。その後も38度前後の発熱、身体の痛みと倦怠感が継続し、一旦治まって午後3時からのリモート会議に出たのですが、その後再度悪化し結局午後6時まで横になるはめになりました。

前回と比べてスカッと症状が抜けずにだらだら怠い状況が続くのも非常に不快でしたが、今回特徴的だったのが頭痛の症状です。金次郎は普段あまり頭痛にはならないのですが、入り組んだ物事について何も考えられない頭部全体の痛みと違和感には相当苦しめられました。接種を受けた同僚も口を揃えて頭痛が辛いと言っておりますので、モデルナでのブースター接種をご予定の方はそういう心構えで臨まれると良いかと思います。何の役にも立たないアドバイスですみません。

結局その頭痛も含め症状が完全に抜けたのはDay3となる3月3日(木)の朝で、ブースター接種の副反応は全般的には2回目の7割ぐらいの辛さという感覚でしたが、頭痛とだらだら継続する症状の不快感を加味すると、やっぱり同じぐらい嫌だったという結論で宜しいかと思います。できれば4回目を打たずに済むよう、感染の落ち着き、治療薬の開発のいずれかを心から祈念いたします。

さて、TVドラマを観てすっかり読んだ気分になっていた東野圭吾先生の「新参者」(講談社)を改めてと言うか初めて読んだのですが、引っ越したのでドラマ鑑賞時より我が家が作品の舞台となっている日本橋人形町により近くなっていたためかとてもイメージが湧いて激しく感情移入してしまいました。また、読書家として恥ずべきことに、「新参者」が刑事加賀恭一郎シリーズ全10作の第8作であるとの驚愕の事実を知るに至り、すみませんという気持ちでシリーズ全作を読了させていただきました。ミステリーなので内容に踏み込みづらいのですが、先ずは前半5作品の概要を簡単に紹介します。

「卒業」(講談社):記念すべきシリーズ第1作のこの作中では何と加賀恭一郎は国立大学の4年生という設定で、彼の周辺で発生する連続殺人事件を推理し解決に導く名探偵役となっています。茶道の雪月花ゲームを題材にしたトリックはかなり複雑で途中で考えるのをやめたくなりますが、正に本格推理という感じで初期の東野先生の作風がよく出ていると思います。シリーズ全編を貫くテーマと言える加賀の父親との確執が既にこの時点で埋め込まれていることに驚くと同時に、物語が加賀の同級生女子への告白で始まる展開がかなり意外でした。

「眠りの森」(同):バレエ団で起こる殺人事件を警視庁の刑事となった加賀が解き明かす展開ですが、やや驚くのは、前作に続き今作でも加賀の恋バナが結構ストーリーの重要な要素になっている点です。この後しばらく恋愛のネタは出てこなくなりますが、シリーズ後半に地味な進展を見せることになり、ここでも埋め込まれた伏線の妙に感服しました。ただの後付けの可能性も有りますが(笑)。

「どちらかが彼女を殺した」(同)殺された被害者の兄であり警察官の和泉康正が妹を殺した犯人を突き止め追い詰める内容で加賀はやや脇役的な存在で影が薄めです。気を抜いて読んでいると、最後に犯人が明示されず物語が終了してしまって悶々とすることになるため(笑)、しっかりと集中して容疑者二人のうちどちらが怪しいのか推理しながら読まれることをお薦めします。

「悪意」(双葉社)前作から練馬署の刑事となっている加賀が警察官になる前に短期間社会科の教師をしていた時代の謎が明かされます。刑事としては無欠の有能さを誇る加賀が生徒指導では空回りしていたという黒歴史が挫折の経験としてキャラクターに深みを与えていると思います。事件は加賀の教師時代の同僚であり今は児童文学作家となっている野々口を中心に展開するのですが、作中に手記などが織り込まれる構成は複雑で、どこから誰が何を仕組んでいたのかについての認識が何度も揺さぶられる、ハウダニットとホワイダニットの両方がメインテーマとして並び立つシリーズ随一の傑作だと思います。

「私が彼を殺した」(講談社):今作も「どちらかが~」同様に本格推理&犯人が明示されない構成となっており、読み手は作中にちりばめられたヒントを見逃さぬようじっくりと吟味しつつ読み進める必要が有ります。トリックは複雑で容疑者も三人となっているため、「どちらかが~」より格段に難易度が上がっており、金次郎は結局犯人が分からずネットの解説を参考にしてしまう為体でした。

3月4日(金)に妻がモデルナのブースター接種をしましたが、副反応がきついと巷で噂のファイザー・ファイザー・モデルナのパターンでちょっと心配です。

 


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投稿者: 金次郎

読書が趣味の50代会社員です。

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