チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山に登る(前編)

先週末は人生でも指折りの貴重な体験をしてまいりました。いつもこのブログに登場いただいている人間国宝級の寿司職人M男さん(大将)と飽くなき味の探究者であるイタリアンシェフのK子さん(シェフ)ご夫妻に声を掛けていただき、日本焼肉界の最高峰とされ予約の取れない名店として知られる白金の金竜山を訪問するという僥倖に恵まれました。常連さんが必ず次回の予約を取って帰るというエコシステムの中で運営されているために、その常連サークルの方と知り合いになって連れて行ってもらう狭き門をくぐらないと辿り着けないお店であり、今回は40年金竜山に通い続けている大将の常連パワーにあやかり、6名席のうち4名を選出できるという超貴重な権利をいただいてしまい鼻血が出るほどの興奮に震えました。

“チーム金次郎、肉の最高峰である金竜山に登る(前編)” の続きを読む

金次郎、知人の「今度博多に旅行に行く」という発言への違和感について考える

金次郎は福岡市南区出身ですが、それを知る多くの方から「今度博多に旅行に行くんだ」、「博多っていいところだよね」と言われ、正直違和感を感じることが結構有ります。金次郎も含め大部分の福岡市民は福岡≠博多という認識で、博多と聞くと博多駅か福岡市博多区を思い浮かべる人が大半なのではないかと思います。なので、博多ってどこが面白い?天神?(天神は福岡市中央区の繁華街であり博多とは呼びにくい)とか、今度博多観光で大宰府に行くよ(大宰府天満宮は博多区は勿論福岡市でもなく、はるか南の太宰府市に有る神社)、などの趣旨の発言をされると頭の中の空間認識が歪んで混乱してしまい、冗談抜きで叫び出したい気分になったりいたします(笑)。

“金次郎、知人の「今度博多に旅行に行く」という発言への違和感について考える” の続きを読む

50歳の金次郎、今更アメリカ50州の基礎知識入門書を読む

相変わらず大谷選手の大活躍は続いていますが、ふと彼の所属するLos Angeles Angelsという球団名はAngelが被っていることに気づき、〈天使たちの天使〉みたいな意味になっていてちょっと笑えました。日本語では表現しにくいですが東京ミヤコズみたいな感じでしょうか(笑)。あまり関係有りませんが、前々からたくさん有るアメリカの州について興味を持っており、今回「最新版 アメリカの50州がわかる本」(時事アナリスツ著 河出書房新社)を入門編として読んでみました。

“50歳の金次郎、今更アメリカ50州の基礎知識入門書を読む” の続きを読む

金次郎、オンラインのプレゼン時に鼻水を流す

先日たくさんのお客様を前にオンラインでプレゼンをする機会が有りまして、途中までは調子よく説明を進めていたのですが、突然何の前触れも無く鼻水がとめどなく流れ出す事態となり、プレゼンも未だ半分弱残っている状態でいきなり画面から消えるわけにもいかず、かなりパニックに陥りました。

“金次郎、オンラインのプレゼン時に鼻水を流す” の続きを読む

金次郎、謎の漂泊民に興味を持つ

30年来の競馬好きの金次郎ですが、今年はオークス、ダービーと5月のクラシックレースを連敗して悲しい気分になっております。ただ、イギリスのエプソムダービーで三冠馬ディープインパクトの子供であるオーギュストロダンが勝利するという嬉しいニュースが入ってきたり、マイル王決定戦の安田記念では予想が的中したりと、徐々に運気は上向いているような気がしておりますので春シーズンを締めくくるグランプリレースである宝塚記念では必勝を期したいと思います。英会話のレッスンでそんな競馬の話をしていたところ、イギリス人の講師が自分の家はダービーが開かれるエプソム競馬場の近所だったが、あの辺りには法律やルールを超越した警察にも手が出せないアイリッシュ・トラベラーズという漂泊民が住んでいるから結構危ないという話をしておりました。

“金次郎、謎の漂泊民に興味を持つ” の続きを読む

「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」を読み、たんぱく質について学び直す

少し前のブログにてプロテインを飲み始めたら毛髪の力が増した気がすると書きました。整体の先生にもたんぱく質をたくさん摂取すると健康に良いとすすめられましたので、これまでかなり無知であったたんぱく質について「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」(藤田聡著 宝島社)を読んで勉強してみました。先ずはうんちくからということで(笑)、たんぱく質を表すプロテインという言葉はギリシャ語で

“「面白いほどわかる たんぱく質の新常識」を読み、たんぱく質について学び直す” の続きを読む

サ高住とハトとぶよ、のその後について

そろそろこのブログも200投稿を超えようとしておりますので、今週は初めての試みとしてこれまで書いた記事のフォローアップをしてみようかと思います。去年の10月に義理の両親がサ高住を探しているという内容について書きましたが、先月彼らは40年近く住んでいた自宅を家じまいして無事サ高住に引っ越し完了いたしました。物が捨てられぬ義父の性格故に、越してからひと月が経とうとしているにも関わらず溢れんばかりのダンボールにまみれて暮らしているというのはまだご愛敬なのですが、

“サ高住とハトとぶよ、のその後について” の続きを読む

10代の金次郎がビー・バップ派でなく湘爆派であった懐かしい思い出

先日同学年の友人と久々に食事をしましたが、50歳過ぎのおっさんがややどうかとは思うものの、相変わらず10代の頃に夢中になった漫画やアニメの話で大変盛り上がりました。こういうコンテンツに関する話題の際の40台後半から50代前半世代のとめどない盛り上がりぶりがやや異常であることは、若者世代からちょくちょく指摘されて認識しており、これは後の世代と比較して娯楽の選択の幅が極端に狭かったことに起因するのだろうと自分の中では整理しています。現代のように数えきれない選択肢の中から自分の趣味に合うものをピックアップするというのではなく、基本的に入手可能なものは全部読んだ上で好きな作品をより深掘りするというのが当時の楽しみ方であり、故に同時代のどの作品に対してもかなりの確立で話題を共有できることが他の世代の介入を寄せ付けない、高テンションおやじ集団による局地的な盛り上がりに繋がっているのだろうと思います。最近は不良が登場する作品として東京リベンジャーズが大流行していますが、

“10代の金次郎がビー・バップ派でなく湘爆派であった懐かしい思い出” の続きを読む

金次郎、不朽の名作「釣りキチ三平」に思いを馳せる

先日、「釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝」(藤澤志穂子著 世界文化社)を読み、久々に不朽の名作である「釣りキチ三平」のことを思い出しました。小学生の頃にアニメの再放送を何度も観て、床屋さんに置いてあったコミックスを繰り返し読んで影響を受けまくり、友人と夢中になって近くの川や池で三平になりきって釣りに興じたのが思い出されます。釣りキチ三平のヒットを契機として急速に広まった当時の釣りブームは日本中を席巻していたと言っても過言ではなく、この作品によって釣りを普及させ文化として定着させた矢口先生の功績は計り知れないと感じます。気持ち悪い話で恐縮ですが、

“金次郎、不朽の名作「釣りキチ三平」に思いを馳せる” の続きを読む

金次郎、懐かしの東京西部在住時代を振り返る

1991年の3月末に故郷の福岡を離れ上京してから既に32年が経過してしまっていて、そのスピードに慄然としますが、今回は金次郎がこの32年間に住んできた場所について振り返ってみることにいたします。何度か書いておりますが、金次郎が東京暮らしをスタートさせたのは渋谷区笹塚という京王線沿線の町でした。

“金次郎、懐かしの東京西部在住時代を振り返る” の続きを読む

金次郎、超高性能な漢方入浴剤に出会う

中年になってから特に身体をしっかり温めたり、一日の疲れを取ってリラックスする目的でお風呂に入る際に入浴剤を使うことが多いのですが、これまではバスクリン社の〈きき湯〉のポカポカ効果が気に入ってしばらく使っておりました。それはそれで満足しているのですが、最近すすめられて使い始めた漢方入浴剤の効果がすごいので少し紹介してみたいと思います。それは〈御陰湯(おかげゆ)〉という商品で、ひと風呂浴びて約800円とべらぼうに高額なのですが、配合されている10種類の生薬の効き目なのか、身体が芯から温まりその効果が入浴後も長時間持続するのが、これまで使っていたものとは比べ物にならないレベルですごいです。

“金次郎、超高性能な漢方入浴剤に出会う” の続きを読む

金次郎、中学時代の恐怖体験を思い出す(後編)

前回のブログでは中学時代に情けないえせ半端ヤンキーであった金次郎が何の罪も無い真面目な友人T君を巻き添えにしながらチンピラ2名が運転する怪しげな改造車に乗せられたところまで書きました。続きが気になるとの感想を複数いただきありがたい限りです。この事件を思い出そうとしたことで、かなり喪失してしまったと思っていた中学時代の記憶が若干甦り、体育祭のクラス対抗リレーのメンバーであったT君が直前に腕を骨折してしまったにも関わらず、金次郎チームのアンカーは君しかいないとギブスをしたまま走ってもらったことを思い出し、T君には迷惑を掛けっぱなしであったと改めて申し訳ない気分でいっぱいになりました。さて、お待ちかねの拉致事件です(笑)。

“金次郎、中学時代の恐怖体験を思い出す(後編)” の続きを読む

金次郎、文学女子ABさんに受験勉強の疲れを癒す本を紹介

最近お客さんの前でプレゼンをする機会がちょくちょく有りまして、序盤に自己紹介をするスライドを入れ込んでいるのですが、そこにアイスブレイク的な意味も込めて唯一無二の趣味である読書について年間350冊が目標と記載しており、読んで面白かった本についても軽く触れる構成にしております。あくまで気を遣ってくださってのご好意だとは分かりつつも、読書についての質問をいただいたりするとテンションが急上昇し調子に乗って喋りまくってしまい、本編が始まる前に先方を疲弊させるというプレゼン失敗の典型パターンにはまり毎回焦っております(汗)。そして冒頭の自己紹介で時間を使い過ぎた結果、その後のタイムマネジメントにも支障をきたすこととなり、パニック状態で、うけ狙いの過激発言やくだらな過ぎるダジャレが口をついて出そうになるのを毎回必至で堪える展開が続いております(笑)。有難いことに建設的な質問を沢山していただけるので、質疑応答の時間も含めると合計でだいたい2時間弱話し続けることになり、プレゼンが終わるといつもヘロヘロになるのですが、やっぱりこういう仕事は楽しいなと充実感を感じている今日この頃でございます。

さて、受験シーズン真っ盛りですが、このブログで金次郎が読書の師匠として本を紹介している文学女子双子のABさんも中3の受験生です。

“金次郎、文学女子ABさんに受験勉強の疲れを癒す本を紹介” の続きを読む

金次郎、アフリカ文学の原点である「崩れゆく絆」に感銘を受ける

うちの近所の人形町を散歩していたところ、なんとなく見慣れぬ工事現場が新たに出現していて、ここには以前何が有ったかなと思い出してみると、なんとあの親子丼発祥の地として有名な老舗鶏料理店玉ひでの場所でした。工事計画の詳細を見てみると、新たに12階建てのビルとして24年7月に生まれ変わるそうで、あのレトロなお座敷の雰囲気がどう変化するのかちょっと楽しみなような怖いような気分です。

“金次郎、アフリカ文学の原点である「崩れゆく絆」に感銘を受ける” の続きを読む

金次郎、自らの非常識極まる若気の至り記憶に苦しめられる

歳を重ねるうちに、若かりし頃無知であったこと、あるいは知的好奇心を発揮して自分に関係する様々な物事について深く知ろうとしなかったことを振り返って反省したり後悔したりする機会がどんどん増えて悲しくなります。特にこのブログのネタが尽きてきて、無理矢理に昔のことを思い出そうとすることがより頻繁となった最近はその傾向が更に顕著となり、本当に、涙滂沱として禁ぜず、の心境です(号泣)。本日はそんな悲しい話の中でもとびきりのネタなのですが、金次郎は大学生の頃に旧筑前黒田藩の保有していた資産を基に設立された黒田奨学会(現公益財団法人黒田奨学会)より有難い奨学金を頂戴しておりました。

“金次郎、自らの非常識極まる若気の至り記憶に苦しめられる” の続きを読む

金次郎、長期休暇中に新百合ヶ丘の名店リリエンベルグを訪問

先日のブログで都道府県名をドイツ語で直訳すると無駄にかっこいい話を紹介しました。和歌山はフリーデンスリートベルグ、岡山はヒューゲルベルグ、我が故郷の福岡はグリュックスヒューゲルということで、どうやら山はベルグ、岡はヒューゲルと訳されるようです。さて、2週間の長期休暇中には結局帰省もせず、家の近所でリタイア後を彷彿とさせるのんびり暮らしを楽しんだと前回のブログに少し書きました。そんな何の変哲も無い休暇中の特筆すべきイベントが、いただいたお菓子がとても美味しかったので念願だった1988年創業と歴史も古くウィーン菓子の名店の一つとして数えられるリリエンベルグ訪問でした。お?この響き?とお気づきの方もおられると思いますが、そう、ベルグは山です。そしてリリエンは百合ということでリリエンベルグを直訳すると百合山となりますが、どうもお店の意図としては最寄り駅である小田急線新百合ヶ丘駅にちなんだ名付けのようで、それならリリエンヒューゲルではないだろうかと微妙に細かいことが気になったりもしつつ、いざ現地へ。運動不足なので徒歩で行こうと新百合ヶ丘駅から歩き始めたのは良かったのですが、延々と続く坂道を20分歩いて疲労した金次郎夫妻にとってはまさにベルグ=山がふさわしいロケーションでした。ややオシャレではあるが普通の住宅地に突然可愛らしい外観のお店が現れはっとしますが、更に驚かされるのはその混雑ぶりです。平日の昼間というのにしっかり行列はできるわ、11台収容の駐車場は満車になっているわ、外観としっかり統一されたメルヘンな内装の店内は近所の方や遠来の方が入り乱れてごった返すわで、これは週末には絶対来てはいけないお店だなと再認識いたしました。お店の前に車の駐車場への誘導、順番待ち列の整理などに従事されている異常にフットワークが軽く親切で面倒見の良いおじいさんがいてアットホームなお店の雰囲気とフィットしているなと感心しつつ、全く日陰も無い環境ですので真夏は誰か変わってあげて欲しいと完全に余計なお世話の心配をいたしました。肝心のスイーツはというと、15種類ぐらいの生ケーキの中から焼チーズケーキ、モンブラン、タルトタタン、モーツァルト、ぶどうのショートケーキを購入しましたが、どれもシンプルなのにしっかり甘く、奇をてらわずオーソドックスな作りなのに印象に残るという評判通りの美味しさでした。天命を冠したリリエンベルグを要予約で買えなかったこととウィーン菓子店では外してはいけないザッハトルテを特別にディスプレイしてあったため見過ごしてしまったことが心残りでしたのでまたどこかで会社を休んで再訪しようと思います(笑)。生ケーキも素晴らしいのですが、更に実力を感じさせるのがバラエティに富んだ焼き菓子や小菓子の数々です。どれもこれも美味しいのですが、特に何とも表現できない食感と上品な甘さがたまらないポルボローネ、パリッとした後トロリと溶けて最後にココナッツの風味がしっかり残るココバトン、甘くて甘くてたまらなく癖になるのに後味爽やかなブールドネージュ、妻が最高の賛辞を送った季節のお菓子であるシュトーレンと完璧な内容でした。忘れちゃいけないクッキー詰め合わせがまだ1箱残っているので、これからゆっくりと味わいたいと思います。

“金次郎、長期休暇中に新百合ヶ丘の名店リリエンベルグを訪問” の続きを読む

金次郎、謎のサコージュについて学習する

会社からいただいた2週間の長期休暇中に久々に福岡に帰省しようと思い父に連絡してみたところ、なんとかねてから痛めていた肘の手術で10月末からしばらく入院するとのことで、コロナのせいで相変わらずお見舞いもできない状況のようなので今回は残念ながら帰省を断念することといたしました。父は75歳で一軒家に一人暮らしをしており、家事や庭の草取りから終活準備に至るまで肘が痛くてはどうにもならんということで手術に踏み切ったようで、いつもなら肘痛ぐらいで全身麻酔の手術+2週間の入院はちょっと大げさなのでは?といぶかるところですが、夫婦で肩と股関節の痛みに苦しむ今の金次郎家においては100%異論無しの判断でした。そんな中、今度は義理の両親がサコージュを見つけて入居するという話が持ち上がり、不勉強の金次郎はサコージュ?と耳慣れぬ響きに戸惑い、コサージュ?、それともコートダジュール?、モナコに移住できるほどリッチではなかった筈、宝くじに当選でもしたか?、と一瞬頭が大混乱しましたが、どうやらサービス付き高齢者向け住宅を略してサ高住というそうで50歳にもなってそんなことも知らぬ自らの不明を恥じました。義理の両親は全くもって元気なのですが、やはり80代の夫婦にとって一軒家のメンテナンスは大変なようで、その他もろもろの事情も考慮してこのタイミングで引っ越しするのが最適との判断に至ったようです。入居予定の施設を見学に行った妻も、周囲や施設の環境も良く、オプションで食べられるご飯が想像以上に美味しく、自炊用の食材訪問販売も充実していて思いのほか快適そうだとひと安心しておりました。サ高住には一般的に60~65歳から入居可能ということなので、もちろん金次郎夫妻に当面予定は有りませんがそんなに遠い将来の話でもないなと、すっかり年寄り気分になりました(苦笑)。ちなみに、サ高住の〈サービス〉とは安否確認と生活相談が基本のセットで、今回入居を検討している施設でも定期的な居室訪問やドアの開閉確認(12時間以上玄関とトイレのドアに動きが無い場合レスキューが派遣される)、状態に合わせた介護ケアの提案といったサービスが常時受けられるようで安心です。それ以外はほぼほぼ普通のマンションに住むイメージで、契約形態もサービス契約+賃貸契約という形になると学びました。最近はそこに介護サービスも受けられる施設を併設しているケースも増えてきていて、安心して長期間面倒を見てもらえる体制が整っているようです。一方、こちらの方が馴染み深いですが、有料老人ホームという形態も存在しており、介護付き、住宅型、健康型というパターンが有り、入居条件として要介護認定が求められるとのことです。サ高住と違って、契約としては施設の利用権を購入するという形態で、要介護認定の方が入居されるので当然ではありますが、生活の自由度はサ高住に比べてどうしても低くなってしまうものの、その分手厚い介護が受けられる仕組みになっているようです。少しだけ高齢者の住宅事情について状況を把握したので、実家の父が退院したら将来構想について話してみようと思います。(手術は無事成功し、現在父は果てしない退屈に悶々としているようです。)

“金次郎、謎のサコージュについて学習する” の続きを読む

金次郎、友人の突然の訃報に呆然と立ちすくむ

今週は会社の同期の突然の訃報に接し、オフィス全体が声を失い呆然としている感じで日々を過ごしております。朝のウォーキング中の心不全という説明を聞いても全く頭に入ってこず、明るく懐が深くて心優しい、金次郎などより圧倒的にいい奴の彼がこんなに早く天に召されるという理不尽な現実を受け止めきれず、冷静な思考をするのがなかなか難しい状況です。数か月前に一緒に焼き鳥を食べ、「この店おいしいからまた来たい」と言っていた彼とはつい先日仕事の打ち合わせをしたばかりだったのに。。。どんなしょうもない発言も、関西人ならではの鋭い突っ込みを入れ拾ってくれた細やかな配慮や、いつも逃げずに弱いものを守ろうとする男気、誰に対しても全く偉ぶらないフェアで謙虚な姿勢など美点を挙げればきりが無く、自然な成り行きとして彼は本当にたくさんの人から愛されていました。ややこしい金次郎のこともちゃんと気にしてくれていて、いつも面倒をよく見てくれましたね。本当にありがとう、そして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。気恥ずかしくてそういう彼のいい所を生前に直接言葉にして伝えられなかったことが今更ではありますが大変に心残りです。遅きに失した感は有りますが、少しでも彼の魂に届くよう、彼を知る仲間とそのような思い出を語って過ごす時間を作っていきたいと思います。

やや雑感パートが短めですが、今週はテンション上がらずで失礼いたします。さて、本の紹介に参ります。読書家を名乗るものとしてお恥ずかしい限りなのですが、あのベストセラーである「沈まぬ太陽」(山崎豊子著 新潮社 アフリカ編御巣鷹山編会長室編)を読んでいなかった不覚に日航機墜落から37年というニュースを見ている際にふと気づき、慌てて一気に読了いたしました。日本航空をモデルにした国民航空から、会社に盾突く危険人物かつ共産党員というレッテルを貼られてしまう主人公の恩地元は、共に戦った組合の同志との信義を貫き会社の要求を拒絶し続けた結果、パキスタンのカラチ、イランのテヘラン、ケニアのナイロビと執拗に西へ西へと左遷され続けます。現代の感覚では、バングラデシュ、イラク、モザンビークといった経済発展度合いの国々を10年以上転々とするようなイメージになるかと思いますが、当時の日本との往復のフライトの不便さなどを考え合わせるともっと過酷だったかもしれません。

“金次郎、友人の突然の訃報に呆然と立ちすくむ” の続きを読む

金次郎、「プレバト!!」の俳句コーナーを絶賛する

テレビでニュースやアニメ、ドラマはそこそこ観る金次郎家ですが、最近めっきりバラエティ番組は観なくなってしまいました。読書やブログに割く時間が増えたこともありますが、とにかくクイズとカラオケ関連の似たような番組の多さに辟易してしまったというのが正直なところです。そんな中、録画してでも夫婦で欠かさず楽しみに観ているのが、以前このブログでも少しだけ書いた木曜夜7時TBSの「プレバト!!」内の俳句コーナーです。芸能人や有名人が番組独自の称号である永世名人を目指して昇級審査の結果に一喜一憂したり、季節毎に行われるタイトル戦で勝利すべく全身全霊で句作に臨む様子には、ネタ番組やトーク番組での視聴者にどう映るかという印象を意識しての演出的な振る舞いとは違い、純粋な俳句へのパッションを感じさせるところに結構心を打たれます。また、そういう著名人の意外な真摯さもさることながら、それを時にはバサバサと切り捨てる夏井いつき先生の明快かつ辛口な解説・添削の妙が本当に素晴らしい。30歳まで愛媛県で中学校の国語の先生をされていたという夏井先生ですが、一つ一つの助詞に至るまでの繊細かつ徹底した言葉選び、詠み手が描きたい情動を過不足なく表現しつつ読み手の多様なイマジネーションを喚起するという難題への飽くなき挑戦、俳句の詩的側面を捉えた韻律の美しさへの配慮など、十七音の可能性を見せつけられる伝道者ぶりに毎度圧倒されっ放しです。金次郎も仕事で同僚の文章に加筆、修正することが有りますが、偉そうに直している自分の未熟さに恥ずかしくなってしまい業務に支障をきたしそうです(涙)。まぁ業務上の文章で表現に拘り過ぎるとすぐに〈文豪〉とか〈格調高い表現〉とか言われてちょっとけなされ気味になるので会社では程々がよろしいのかもしれません。しかし、十七音+季語という制約条件が求める極限まで研ぎ澄まされた日本語表現の可能性への挑戦は、俳句という芸術の宿命であり、これを、〈有季定型〉、〈季語を主役に〉という基本に忠実に追及している夏井先生の俳句哲学が俳壇で左右両翼のどの辺に位置するものなのか、最近の動向と合わせ俳句王である宿敵Mに聞いてみたいと思います。そう言えばMはもうすぐ帰国されますね。

ちなみに、同コーナーは略略10年続いておりますが、永世名人は梅沢富美男(通称おっちゃん)、東国原英夫、フルポン・村上の僅か3名しかいらっしゃいません。おっちゃんの自意識過剰とキレぶり、東さんの創造への挑戦、村上さんの普通に喋るだけでウザくなれる才能には夫婦でいつも喝采を送っております。それに続く名人有段者はFUJIWARA・藤本、千原ジュニア、キスマイ・横尾(名人十段)、キスマイ・千賀(同八段)、中田喜子、立川志らく(同六段)、皆藤愛子(同三段)、ミッツ・マングローブ(同二段)、三遊亭円楽、岩永徹也、森口瑤子(同初段)と出演665名中永世名人と合わせたったの14名と狭き門ぶりがうかがえます。金次郎は千原ジュニアの作品が好きですが、同時に彼の才能に嫉妬してしまうので複雑です。そして、本業がそこそこしっかりされている他の有段者と比べ、その実力から俳句へのかなりの注力がうかがえる一方、王道アイドルというわけでも高MC力を見せつけるわけでもないキスマイの二人がこれからどうなっていくのか、心の片隅でいつも少し心配しつつ応援しております(笑)。

“金次郎、「プレバト!!」の俳句コーナーを絶賛する” の続きを読む

金次郎、意外とドラマチックだった故郷の町に思いを馳せる

金次郎の生まれ育った町は福岡市内の何の変哲もない住宅地でしたが、振り返ってみると、そんな小さな町にも様々なスキャンダルというか事件というか、真偽の定かでない噂話は尽きなかったのかなと思ったりもします。当然といえば当然ですが、子供の頃はそういうことに全く興味が無く、街を飛び交う玉石混交(というか殆ど石)の情報へのアンテナが低すぎて、心に引っかかることもたいして有りませんでしたが、今にして思うと結構ヤバいことがたくさん起こっていたような気がします。先ずその中でも最たるものが、お隣に住んでいた方が刑務所から出てこられたばかりという噂というか事実です。勿論罪を償われているわけですからそれ自体はどうと言うことはないのですが、子供時代とはいえ高校生まではそこに住んでいたわけで、あまりにも無関心過ぎて、生来の軽はずみな性格のために知らぬ間に地雷を踏んでいたことが有ったのではないかと今更ながら反省しました。また、近所に住んでいてたまにその辺の空き地で遊んでもらったり、町内ソフトボールの監督をしてもらっていたおじさんが、家出少女を家に連れ込んで住まわせた挙句に子供をこしらえてしまっていたり、同級生の家に暴漢が侵入したり、かつて警察官だったものの盗みをはたらいてクビになったという噂で後ろ指を指されているおじさんがいたり、時々野球のボールを打ち込んでいたお屋敷が極道の方の住まいだったり、と書きながら思い出して意外にもドラマチックな刺激に溢れた町だったんだなと故郷を再発見した思いです。

母親が色々言っていたのを聞き流していましたが、小学校時代に同じ学年の別クラスの担任をされていた、いつも校内を裸足で歩き回っていたようなワイルドなイメージの先生が、同じく同学年別クラスの担任だった女性の先生にふられて深刻に心を病まれたというような悲しい噂を耳にした覚えも有ります。当時は野性的な見た目の記憶と聞かされた情報のギャップが埋められず思考停止してしまっていましたが、今なら彼のあの振る舞いはもしかしたら内面の繊細さを乗り越えるための演出だったのだろうか、優しそうという印象しか残っていないあの女性の先生は一体どういう人物だったのだろうか、などと想像を巡らせられるぐらいには歳を重ねてしまっていて、いたたまれない気分になりました。

母が町内会的な活動に熱心だったから意外と情報量が多いだけなのかもしれませんが、ちょっと思い出すだけでも限られた範囲の狭い町内で、しかも子供の金次郎の耳に入ったものだけで、こんなに多くの噂が有ったという事実に驚愕しますし、そんな噂話情報の伝播力の恐ろしさにも旋律いたします。中学生時分にはちょっと悪ぶっていた金次郎もどんな陰口をきかれていたかと思うと更に怖さ倍増です(苦笑)。また、母が亡くなってしまっていて確かめられませんが、生前に母がそんな町内会の謎の勢力・派閥争いに巻き込まれていたという未確認情報も有り、意外と金次郎の故郷は人間の感情の本質に迫るエピソードが集積するお土地柄なのかもしれず、コロナが落ち着き帰省した際には、このブログ、あるいは退職後に気が向いたら執筆するかもしれない小説のネタとして、そういう話が風化してしまわぬうちに柳田國男先生ばりにフィールドワークをしなければと決意いたしました。

“金次郎、意外とドラマチックだった故郷の町に思いを馳せる” の続きを読む